第23話 地上へ
目の前でメタルオーガが魔素へと還っていく。
ポチと共にその魔素を吸い取る。
冷たい魔素が肌から染み込み、体の奥で燃える。
マグマの様に熱い血がドクッ、ドクッと全身に流れていく
ポチも光り輝く、いつもより光が強いかな?
ステータス
Name アルス・クレート
Age 16
Class テクノシャーマン
Lv 14 (+6)
HP 720/720 (+240)[生命力]
MP 1650/1650 (+300)[魔力量]
Str 85 (+30)[筋力]
Vit 86 (+30)[耐久力]
Mag 172 (+60)[魔力制御力]
Dex 86 (+30)[器用さ]
Agi 86 (+30)[素早さ]
属性 《機械》
使用魔術 情報魔術
スキル
■アクセス MP消費 1
魔力を電波のような波動に変えて放つ。
魔力に意思を乗せ、機械を操ることが出来る用になる。
■テックブースト MP消費 20
魔力を機械に流し、強化させる。
強化する能力はそれぞれで異なり、機械によっては能力が拡張される。
■ショートサーキット《new!》 MP消費 10
機械属性のスタン攻撃。
アクセスで魔力回線を繋げることで使用可能。
遠隔攻撃。
ステータス
Name ポチ
Age 0
Class サイバードッグ
Lv 16 (+6)
HP 2050/2050 (+600)[生命力]
MP 125/125 (+30)[魔力量]
Str 250 (+60)[筋力]
Vit 375 (+90)[耐久力]
Mag 50 (+12)[魔力制御力]
Dex 125 (+30)[器用さ]
Agi 155 (+30)[素早さ]
属性 《機械》
使用魔術 機獣魔術
スキル
■バイオメタル
再生力の有る魔法金属。
魔力を使い、キズを治すことができる。
MP1をHP5に変換。
■ソードクロー MP消費 1
爪を剣の様に変化させる。
地下1階のゴブリン達の分も合わせて、前回チェックした時から6レベルずつ上がったようだ。
僕は新しい魔法を覚えた。
ショートサーキット、妨害魔法かな?
機械を止めたりする魔法だろうか?
僕もかなり強くなったと思うのだが、ポチはそれ以上だ。
これ、重警備ロボットと互角にやりあえる位のステータスなんじゃ……
流石、ポチだな!
メタルオーガが倒れた場所に1つの金属塊が残っている。
くすみのある白っぽい銀の塊、これがメタルオーガのドロップの様だが…
持ってみると重さは10kgほどか。
あれだけの格の魔物だったんだ、これも貴重な物のはず。
リュックの奥に、大事に仕舞う。
「ロボC、大丈夫だったか?」
「変わりありません、マスター」
僕らと違い、ロボCは冷凍睡眠装置に退避させることができなく、壁際に離すことしかできなかったからな。
あの炎の影響を受けたかも?と心配だったが、杞憂のようだ。
廊下は炎に満たされたが、エレベーターホールは入り口辺りに黒いススがついているだけだった。
さて、疲れたし今日はもう休むか。
明日にはここを出るし、準備をパパッと済ませて……
そう考えながらコントロールルームに入ったところ、甘い匂いが鼻をつく。
「ん? なんだコレ? チョコか?」
ポチも気になったようで、鼻をクンクンさせている。
食料を置いていた場所を見れば、泥の混じった水溜りがある。
正確には泥ではなく、チョコだ。
「え!? え? 何で……?」
食料は水の入ったペットボトルも含め、その外装が溶けて破れている。
火で炙られたように。
ハッ!として、天井の換気口を見る。
換気口の周りは黒く焦げていた。
冷凍睡眠室で粉塵爆発を起こした際、炎の逃げ口は出入り口だけではなかったのだ。
換気口はフロア全ての部屋と通じている。
このコントロールルームも例外ではない。
非常灯の明かりで見づらいが、見渡せば壁際のモニターなども炎で炙られたか、表面が溶け、濁っている。
服なども燃えてダメになってしまったようだ。
「そんなぁ……」
ガックリと膝をつく。
「くぅぅん……」
ポチが背をさすってくれ、なだめてくれた。
「…ポチ、ありがとな」
落ち込んでばかりもいられない、それに危機一髪だった。
実は粉塵爆発から逃げる際の候補は2つ。
1つが冷凍睡眠装置。
もう1つがこのコントロールルームだ。
もし、ここに逃げ込んでいたら…、と思うとゾッとする。
凍睡眠装置を選んだのは、なんとなくだ。
100年眠ってた場所だからか、なんとなくこっちの方が安心できたというだけだから。
危なかった……。
「これは最後の手段だと思ってたんだがなぁ…、フンッ!」
自動販売機をバールでこじ開ける。
休憩室に置いてある自動販売機は予備電源が落ちてしまったので、今は動いていない。
電源を入れる手段も無いし…、と自分に言い訳しながら中のジュースを掻き出す。
手に取ったのはコク・コーク。
久しぶりだ…、本当に。
ポチにはリンゴジュースを皿に開けて。
二人で祝杯を上げる。
喉を強い炭酸が駆け抜け、鼻からは少し粘り気のある甘い香りが抜け、胃と舌に強い甘みが沈む。
濃いカロリーを感知した胃から脳へと、今のは何だ!?と催促の信号が流れた。
胸から上が刺激で満たされる…
コク・コーク、強い中毒性。
これを作ったのは天才か、悪魔に違いない。
一休みして、ロボCをポチと協力して警備室に運び込む。
その後、地下3階でシャワーを浴び、必要な物資を補給して今日の作業はお終いだ。
警備室でジュースを飲みながら、3人で話す。
話すのはもっぱら僕で、二人は相槌を返すだけだが、二人に僕のことをもっと知ってもらいたかった。
夜が明け、別れの日がやって来た。
「それじゃロボC、行ってくる。必ず迎えに来るから」
「わん!」
「はい、お二人のご帰還をお待ちしております」
ロボCを警備室の奥のシャッターの中に安置し、ロックを掛ける。
カギを持っているのは僕だけだから、これで盗難のリスクは減らせるはず。
次に休憩室の自動販売機からジュースを持って行けるだけ、持って行く。
昨日、地下3階で置き忘れられたスポーツバッグやジャージ、タオル等も補給できた。
スポーツバックに詰められるだけ詰め、それをポチにくくりつける。
僕のリュックサックも魔物のドロップアイテムでいっぱいだが、詰めれるだけ詰める。
ドロップはダークメタルスパイダーの魔石が1つに、メタルオーガの金属塊、オロチプラントの種。
リザードマンのウロコが109枚に上位種のが8枚。
剣と盾は重いので置いていく。
後は銅貨が184枚、銀貨が14枚にグリーンマンの葉っぱが56枚。
これで準備完了だ。
重い荷物を背負いながら、ポチと一緒に階段を上がっていく。
いろいろあった……、階層ごとのガンタレットに手を振りながら地上へと登っていく。
地上のエレベーターホール、メタルオーガがいた場所だ。
壁際には人骨が積まれている……。
気味が悪いが、一応検分する。
見渡す限り、学生服などは見当たらない。
代わりに革や金属で出来たプロテクターの様な物が、引き裂かれ捨て置かれていた。
「……外から来た人たちか。」
どれだけの期間かわからないが、メタルオーガが門番をしていたから、この核シェルターは荒らされていないのだろう。
それが僕にとって、幸か不幸かはわからないが。
分厚いゲートは開けっ放しになっている。
ポチと共に進む。
偽装された洞窟部分を抜け、外に出た。
全身を日の明かりが照らし、その眩しさに目を晦ませる。
「わん! わん!」
ポチは初めての外にはしゃいでいる。
それを追いかけた。
背に大量のジュースとアイテム、バールを片手に少年と1匹が地上へと旅立った。
いつもお読みいただきありがとうございます。
これで第1章が終わりになります。
続きは2週間後の5/3(火)を予定しています。
ちょっと間が空きますが、今回初めてプロットを組んでみて、いろいろ抜けがあったのでじっくりと考えてみたく。
予定より早く準備が終わったら、前倒しして書き始めます。
これからもよろしくおねがいいたします。
「崩壊世界のテストプレイヤーと猫」は今週、4/22(金)から再開します。
今後は金土日が「崩壊世界のテストプレイヤーと猫」
火水木が「ぼっちシェルター」の更新に当てるつもりです。
猫共々よろしくおねがいいたします。




