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第21話 地下1階を抜けて…

 地下2階の敵はこれで粗方倒せたはずだ、ロックを開け、大広間へとポチと共に入っていく。

 中には魔素の霧が充満し、ポチと一緒に吸い取っていく。

 熱い血がドクッ、ドクッ、と全身に流れていく、レベルアップのようだ。

 ポチも一瞬光り、レベルアップしたようだ。

 今の二人のステータスはこうだ。



 ステータス

 Name  アルス・クレート

 Age   16

 Class   テクノシャーマン


 Lv  8        (+2)

 HP   480/480   (+80)[生命力]

 MP  1350/1350  (+100)[魔力量]


 Str   55     (+10)[筋力]

 Vit   56     (+10)[耐久力]

 Mag  112    (+20)[魔力制御力]

 Dex   56    (+10)[器用さ]

 Agi   56     (+10)[素早さ]


 属性  《機械》 

 使用魔術 情報魔術


 スキル 

 ■アクセス          MP消費 1

 魔力を電波のような波動に変えて放つ。

 魔力に意思を乗せ、機械を操ることが出来る用になる。


 ■テックブースト      MP消費 20

 魔力を機械に流し、強化させる。

 強化する能力はそれぞれで異なり、機械によっては能力が拡張される。




 ステータス

 Name  ポチ

 Age    0

 Class   サイバードッグ


 Lv    10       (+2)

 HP   1450/1450   (+200)[生命力]

 MP   95/95      (+10)[魔力量]


 Str    190      (+20)[筋力]

 Vit    285      (+30)[耐久力]

 Mag   38        (+4)[魔力制御力]

 Dex   95       (+10)[器用さ]

 Agi    125      (+10)[素早さ]


 属性  《機械》 

 使用魔術 機獣魔術


 スキル 

 ■バイオメタル      

 再生力の有る魔法金属。

 魔力を使い、キズを治すことができる。

 MP1をHP5に変換。


 ■ソードクロー 《new!》 MP消費 1

 爪を剣の様に変化させる。



 僕もポチもレベルが2つ上がり、ケガとMPも回復した。

 ポチはレベル10になって新技を覚えたようだな。

 後で見せてもらうことにしよう。


「さて、まずはドロップを集めるところからやるか」


 この階に落ちてるドロップアイテムを拾い集める。

 内訳は黒い大きな種が1つに、葉っぱが58枚。

 種はオロチプラントのドロップで、手のひら大の大きさで黒く平べったい。

 何の種だろう?

 葉っぱはグリーンマンのドロップだが、これもオークの骨のように魔素を含んでいるのだろうか?


「ポチ、食べれる?」

 ポチに差し出してみると匂いを嗅ぎ、首を傾けながらも咥えた。


「どう? 美味しい?」

 ポチの耳が下がる、美味しくは無いみたいだ。

 もう一枚差し出すが、プイッと首を振られてしまう。

 なので自分で食べてみたが……


「うぇ…、青臭くて苦い…」


 たしかにコレは食べづらい。

 魔素は含まれているのだろうが、これをお腹一杯に食べるのは無理だ。

 使い道も分からないし、リュックの奥に仕舞っておくことにする。


 そのまま、地下2階の奥を探索していく。

 大広間の奥にはもう一部屋あり、そこには土の地面が広がっていた。

 部屋の隅に透明な袋に入った土が積んである、肥料かな?

 地図上だと野菜工場とあり、機械を使ってここで野菜の栽培を自動的にするつもりだったようだ。

 ただし、機械が見当たらないのでここはまだ開発途中だったようだな。


 そんな未開発のはずの畑にポツポツとキャベツの様な物が植えてある?

 バールで突っついてみたところ、ビクビクっと動いたのでこれも魔物のようだ。


「ポチ、おねがい」


「わん!」

 ポチがわふわふ…っと一つずつ踏み潰していく。


 潰されるごとに魔素が漂うので魔物には違いないのだが、残骸が残っている。

 ダンジョンコアに作成された魔物であれば、残骸は残らないはずだ。


「そうなると…これは自然発生の方か。

 ダンジョンコアが消滅して暴走、もしくはくびきが外されて繁殖し始めたのか?

 うわ……タチ悪い」


 このキャベツもどきがオロチプラントかグリーンマンのどちらの子供かはわからないが、急いだほうが良いかもしれない。

 このまま地下1階の探索に行く。

 大広間寄りの階段を登り、地下1階へ。



 階段に伏せながら、薄暗い廊下を覗く。

 薄闇に浮かぶ小さな人影、辺りから聞こえるケタケタ…という笑い声。

 ゴブリンか。

 階段から右手側が大広間、左手側が予備電源の有る事務室に繋がる通路。

 ゴブリン相手なら押し通れる、行くか。


「テックブースト…。ポチ、先行を頼む」


「わん!」

 ポチの爪が仄かに光る。

 爪が真っ直ぐと伸び、剣の形になった。


 ポチの前足の爪、4本ずつが剣になり、長さは40cm、元が爪なので厚みもあり槍の穂先の様にも見える。

 左右合わせて8本の剣を携え、ポチが駆ける!


 前方には3体のゴブリン。

 こん棒に木の盾で一応武装している。

 駆け寄るポチに驚き、思わずといった形で盾を前に出すが、その盾ごと切り裂かれた!

 次の1体は首を噛み千切られ、最後の1体は頭上からの振り下ろしで押し切られる!

 ゴブリンの頭がゆで卵の様に、爪の間隔に沿って均等に切り分けられる。


「凄まじい切れ味だな……。いや、重さか」

 ポチの鋼の体の重さを掛けたからこそ、あれほどの切れ味が出るのだろう。


「わん!」

 しっぽを振って、ちょっと自慢げだ。


「良し、よくやった。ポチは流石だな」

 撫でて、褒め。

 そのまま、ポチに先行してもらう。


 途中、10体のゴブリンが居たが鎧袖一触、一振りで切り裂き、噛み砕かれ魔素へと帰っていく。

 僕のバールの出番など無い。

 成長性の違いもあるが、前衛特化のポチがレベル10まで育ったらゴブリンではまるで相手にならないな。


 そのまま事務室で予備電源を入れ、地下1階の照明を全て点ける。

 ガンタレットを起動して、地下1階を見渡すがやはりゴブリンしか居ない。

 なら、このまま殲滅する!


 ポチと共に廊下に出る。

 アクセス、大広間のドアを遠隔操作で開ける。

 急に明かりが点き、呆けているゴブリン達がこちらに気づく。

 ゴブリン達がわっ!と群がり、向かって来た!


「アクセス…テックブースト」

 指先にガンタレットの照準をリンクする。


 こん棒と木の盾で武装したゴブリンが、前衛に位置するポチに群がるが次々と蹴散らされる。

 ポチの横を通り、僕へと向かってくるのがいるが、狙い通りだ!

 指先を向け、照準セット、心で引き金を引く。

 ガンタレットから3連射(スリーバースト)

 ダダダッ!と廊下に空気の破裂する音が響き、ゴブリンの頭が弾ける!

 ポチの横を通るなら、一列にならざるを得ない。

 射線が重なり、轟音が響き、青い血しぶきがポップコーンが弾ける様に連続していく。


 奥からガチャガチャ…と金属の鳴る音が伝わってくる。

 銀の剣と盾を持ったゴブリン達もやって来た。

 その姿を魔物図鑑で検索、ゴブリンソルジャーと出る。


 ゴブリンソルジャーがポチに切り掛かる!

 ポチは首を振ってかわし、犬パンチ!

 剣と化した爪が盾に突き刺さるが、貫通するまでにはいかず、入るのは切っ先のみ。

 それならとポチは体重を掛けて、盾ごと押し潰す!

 ゴキッ!と音を立て、ゴブリンソルジャーが消えていく。

 その姿に他のゴブリン達にも緊張が走る。


 どれだけ良い武具で固めても、ポチとゴブリンでは重量級と軽量級ぐらい、重さが違う。

 正面から当たれば押し潰されるだけだ。

 目の前の相手は自分たちを蹂躙する。

 その事実に気づいたゴブリン達が及び腰になる。


 その隙を見逃すポチではなく。

 一息に飛び掛り、爪を縦横無尽に振りまわす!

 血しぶきが舞う。

 ゴブリン達に混乱が生じて、背を向けて逃げ出す個体も出てくる。

 それを次々と狙い撃つ!

 廊下は壊走するゴブリンの悲鳴と銃声、血しぶきで満たされ。

 僕もポチと共に追撃に加わる。

 相手が背を向ければ、もはや戦闘にもならない。

 撃ち!撃ち!射線が重ならないのはバールで殴り倒し、廊下を駆け抜ける!

 大広間まで追い詰め、殲滅した。


 動く影が無くなり、ようやく一息。

 肩で息をつく。

 全身、汗びっしょりだ。

 かわってポチは涼しい顔をしている。

 心臓の鼓動が激しい。

 疲れただけでなく、レベルアップも来たらしい。

 ポチも一瞬光る。


「これで地下1階まで攻略か……」

 床に座って休憩をとる。


「わふっ」

 ポチも良い運動になったのか、伸びをした後、床にゴロンとなった。


 休憩を挟み、ゴブリンのドロップを拾い集める。

 銅貨が62枚、銀貨が6枚。

 地下3階より少なかったな。


 さて、これからどうするか?

 一度、地下5階まで戻って今日の探索を終えても良いが。

 ついでだから地上階まで見に行ってみるかな。

 地上階は入り口のみの階となるので地下よりも狭い。

 階段と短い通路、広めのエレベーターホールがあるだけだ。


 明るい階段を進む。

 地下1階の予備電源は地上階と兼任だったらしい。

 それならと…。


「アクセス!」

 地上階のガンタレットを起動する。


 廊下のは……1台、ちゃんと動いているな。

 他には……無いようだ。

 反応が無い。

 エレベーターホールには無いのか?


 階段を上がる。

 廊下には魔物が居ない。

 だが、何故だろう。

 空気が張り詰めている……


「ぐるるぅ……!」

 ポチも何か不穏な気配を感じているようだ。


 短い廊下を進み、エレベーターホールのドアに手を掛ける。

 背筋がゾクゾクする。

 本能がココは開けない方が良いと訴えかける。

 だが、僕には進む道しかない。

 様子だけでも見なければと、開け、ドクンッ…と心臓が一瞬跳ねる。


 エレベーターホールの中はガレキが散りばめられ、壁沿いには人骨と思わしき骨の山が積まれていて……。

 部屋の中央では巨大な鎧武者が仁王立ちしている。

 銀色の全身鎧を纏い、その面は鬼。

 高さは4mぐらいか、眼が合う。

 憎悪に濁った目がこちらに向き、金属と思わしき表情が歪む。

 鬼がこちらにゆっくりと踏み出してきた…



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