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第20話 地下2階の攻略

第3話のトラペゾトロンの討伐年数変更しました。

 ピピッ…ピピッ……--


 スマホの目覚まし音でまどろみから覚める。

 アクセス…、非常灯から天井のライトに切り替わり、室内が光りで満たされる。

 真上のライトから瞼越しに起きろの催促を受け、大の字に体を伸ばしながら瞼を開けた。

 頬を舐められる。


「おはようポチ」


「わん!」

 ポチは朝から元気だ。


 ポチと共に朝食を済ませる。

 昨日まであった骨の山はもう無い。

 ポチの体の何処にこれだけ入るのだろう?

 不思議だ。


 経験値アイテムの骨を食べたことでポチのレベルが1つ上がったようだ。



 ステータス

 Name  ポチ

 Age    0

 Class   サイバードッグ


 Lv    8       (+1)

 HP   1250/1250   (+100)[生命力]

 MP   85/85       (+5)[魔力量]


 Str    170      (+10)[筋力]

 Vit    255      (+15)[耐久力]

 Mag   34        (+2)[魔力制御力]

 Dex   85        (+5)[器用さ]

 Agi    115       (+5)[素早さ]


 属性  《機械》 

 使用魔術 機獣魔術


 スキル 

 ■バイオメタル

 再生力の有る魔法金属。

 魔力を使い、キズを治すことができる。



 うむ、今日もポチは強い。

 リュックに食量や雑貨を詰めて、準備を終え出発する。

 今日は地下2階の探索だ。



 薄暗い階段を登っていく。

 地下2階はまだ予備電源を入れてないので非常灯の明かりしかない。

 階段に伏せながら、そっ…と地下2階の様子を覗く。

 左側に予備電源のある事務室のドア。

 右手側には奥の居住区へと繋がる通路が続いている。

 まず行くべきは事務室なのだが、そのドアの手前に緑色の物体が転がっていた…。

 よく見れば植物のようだ、つたが絡まり球状になっている。

 大きさは直径60cmほど、かなりでかい。

 廊下をよく見渡すがそれ以外に変なものは無い。

 魔物図鑑にアクセスするが……検索結果は出ない。

 バールを抜き、静かにそれに近づく。


 手前まで近寄ってみたが反応は無い。

 バールの持ち手位置を変え、体重を掛けて切っ先を突き刺す!

 大した抵抗も無く、ズブリ…と入っていく。

 半ばまで入り込んだところで、ピタリと止められ、蔦球の形が変わる!

 蔦が寄り集まり、腕や足のように伸びて、人間のような形になった。

 頭に位置する部分には目や鼻は無く、バリッ!と横一文字に引き裂かれた口が現れる。


 バールを引き抜こうとするが…動かない!

 避ける間もなく、腕に噛み付かれた!


「ぐっ!…痛ぅ!」

 無数の棘の様な牙が刺さる。

 蹴り剥がそうするが、手応えが薄い。


「わん!!」

 ポチが植物人間の首に噛み付き、引きちぎる!


「ポチ! 助かった」

 腕に噛み付いたままの頭は急速に萎れ、黄色く変色して枯れていく。


「わん!」

 ポチがこちらに返事を返し目を背けた瞬間、足元に崩れ落ちた植物人間の胴体がポチに絡みつく!


「ポチ!?」

 敵は胴体にバールが突き刺さったままだ、それを引っぱって引き剥がす。

 剥がしている間、ポチがキャン!…キャン!…と鳴いた。


「ぐるるぅ……!!」

 ポチの目が怒っている……、初めて見た。


 ポチが怒りの犬パンチの連打で植物人間をバラバラにしていく。

 胸の辺りを押し潰したところで枯れ始めた。

 コイツについて観察したいが。

 廊下の奥からズル……ズル……と音が近づいてくる。


「ポチ、おいで!」


「わん!」


 事務室へと入り、ロックを掛ける。

 すぐに予備電源を入れ、天井の明かりを点ける。


「ポチ、どうした? 何があった?」

 中腰になってポチを呼び寄せる。


「くぅぅ……」

 ポチのお腹辺りが変色して、表面が溶けた様になっていた。


「酸か…? 酷いな…」

 表面を水で洗い、ボロ切れで拭っていく。


 ステータスを見るとポチのHPが100程減ったようだ。

 ポチは伏せて、じっとしている。

 HPが回復し始めた。

 スキル《バイオメタル》の力か。

 MPが1減るごとにHPが5回復していく。


 僕も腕の治療をする、左腕にはミシンを走らせたように均等に小さな穴が開いており、血だらけだ。

 消毒をして、包帯を巻く。

 ポチが休んでいる間に、今度はこっちからやり返す!


「アクセス! テックブースト!」

 廊下のガンタレットを起動した。


 曲がり角のある廊下には3台のガンタレットが備え付けられている。

 その内、事務室前の1台を動かす。

 廊下の奥から続々と植物人間達、魔物図鑑で改めて検索してみたところ、グリーンマンがドアの前に寄って来る。

 ガンタレットから赤いレーザー光が伸びる。

 手前のグリーンマンの胸元に向かって、3連射(スリーバースト)

 薄暗い廊下に短い火花とダダダッ!と響く射撃音、グリーンマンの胸元が弾ける!


 殺った!と思ったが、グリーンマンは少し立ち止まった後、変わらぬ歩みでこちらへと近づいてくる。

 え?何で?という思いを噛み殺し、今度は頭を狙う。

 射撃音と共に頭が弾ける!

 そこでグリーンマンは急速に枯れ、魔素へと帰っていく。


 それから5体ほど相手にするが、急所が個体によってバラバラだった。

 1体は頭が弱点で、別のは胸、腰などピンポイントで急所を撃ち抜かないと倒せず、弾を無駄にする。

 たった6体倒すのに63発も使ってしまった。

 ポチも回復したようなので、一先ず廊下の魔素を吸い取っておく。

 また事務室に戻り、考える。


「銃が効きづらく、接近戦も……一撃で決めないと反撃を喰うな」


 さて、どうするか?

 とりあえず奥の大広間も見てみるか。

 奥の大広間には4台のガンタレットが設置してある。

 そこから覗くが、非常灯の明かりでは薄暗くて見えづらい。

 照明も点ける。

 大広間の中には50ぐらいの蔦の塊が転がっており、一番奥に巨大な草が生えていた。

 それらを観察していたところ、一斉に目を覚ましたのか、それぞれが人に近い形をとっていく。

 奥の巨大な草も目覚める、その姿は根元部分に何枚もの大きな葉が広がり、中心から植物で出来た大きな蛇が伸びていた。

 大蛇が鎌首を上げる、4mぐらいか、でかいな。

 大広間の中をグリーンマンがうろちょろする。

 大蛇は動けないようだ。

 大蛇の姿を魔物図鑑で検索する、オロチプラントか。

 危険度は中の上、動けないが口から溶解液を吐く、と。

 こいつに接近戦は止めた方がいいな。


「それにしても……何で急に目覚めたんだ? ……あ!」

 照明を消してみる。


 大広間の中が薄暗くなると徐々に魔物達の動きが鈍くなっていった。

 やはり、光で目覚めるのか。


 さて、こいつらの特性はわかったが、これからどうするか?

 何か役立つものが無いか、事務室の中を探す。

 搬入品のリストを見つけた。

 その中に良い物を見つけ、ニヤリとする。


 事務室以外の明かりを全て落とし、非常灯の灯る薄暗い廊下を進む。

 目当ては大広間の近くにある用具室なのだが、まだ廊下にはグリーンマンの蔦球が残っている。

 足音を立てないように近づき、ポチに向けてうなづく。


 ポチがタッと駆け出し、飛び上がる。

 そのままフライングボディプレスで蔦球を押し潰した!

 蔦がビクビクっと震えた後、魔素へと変わる。

 寝てるところを一撃で殺れれば簡単に倒せるのだが、奥の大広間には数が多すぎる。

 気づかれずに殺るには最初の2,3体でいっぱいだろうな。

 なので、もっと強い武器が必要になる。


 用具室の中に目当てのものはあった。

 燃料タンクだ。

 それをこっそりと大広間の中に、フタを開けて放り込んでおく。

 床に燃料がこぼれ、広がっていく。


「アクセス!」

 大広間の照明を点ける。

 魔物達がまた目覚め始めた。


 大広間に繋がるドアにロックを掛け、こちら側から叩く。

 音が広がり、グリーンマン達がドアへと寄って来た。

 ゴブリンと違いこいつらは、ドアのロックを開ける知性は無いようだ。

 ガンタレットで監視しながら、ドアを叩き続け、ドアの向こうに集める。

 そろそろいいかな?


「燃えろ!」

 床に広がった燃料に向かってフルオートで撃ち込む!


 火花がチカチカと光った後、ボゥンッ!と巨大な火の玉が打ち上がる!

 爆発の衝撃で火の着いた燃料は撒き散らされ、グリーンマン達を燃やしていく。

 グリーンマン達は逃げ惑うが、一度火が着いたが最後、消すことが出来ずにうずくまり消えていく。

 これで残るは奥のオロチプラントのみだ。


「アクセス! テックブースト!」

 4台のガンタレットをオロチプラントに向ける。


「撃ち砕け!」

 4台のガンタレットから火線が伸びる!


 轟音が鳴り響き、オロチプラントも懸命に溶解液を飛ばし反抗しようとするが、ドアに阻まれ届かない。

 15秒で弾切れ、約1200発の弾丸を受けて、オロチプラントはバラバラに砕かれた。



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