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第17話 オークのドロップ

 廊下に魔素の霧が満ちる。

 オーク40体分の魔素だ。

 それをポチと一緒に吸い取っていく。

 熱い血がドクッ、ドクッ、と全身に流れていく、レベルアップのようだ。

 ポチも一瞬光り、レベルアップした様に見えた。


 さらに、奥の倉庫へと行く。

 そこには手足のもげたオーク達が10体ほど。

 デブオークとの共食いで負傷したオーク達が、こちらに敵意の視線を送ってきた。

 それらに次々とトドメを刺して行く。

 中には根性を出して、こちらに向かって這って来るのもいたが。

 そういうのはポチが上から圧し掛かり、爪を立てていく。

 ポチが足を掛けた瞬間、ボキッ!と音がしたのだが、ポチは何十グロー(1グロー≒4kg)あるのだろう?

 オーク10体分の魔素を吸い、もう一度レベルアップ。



 ステータス

 Name  アルス・クレート

 Age   16

 Class   テクノシャーマン


 Lv  4        (+2)

 HP   320/320   (+80)[生命力]

 MP  1150/1150 (+100)[魔力量]


 Str   35     (+10)[筋力]

 Vit   36     (+10)[耐久力]

 Mag   72    (+20)[魔力制御力]

 Dex   36    (+10)[器用さ]

 Agi   36     (+10)[素早さ]


 属性  《機械》 

 使用魔術 情報魔術


 スキル 

 ■アクセス          MP消費 1

 魔力を電波のような波動に変えて放つ。

 魔力に意思を乗せ、機械を操ることが出来る用になる。


 ■テックブースト 《new!》 MP消費 20

 魔力を機械に流し、強化させる。

 強化する能力はそれぞれで異なり、機械によっては能力が拡張される。



「お! 新しい魔術を覚えたぞ」


 強化魔術のようだ。

 機械限定なので僕自身には使えないが、ポチやガンタレットには使えそうだ。

 今の所、接近戦はポチ頼りになってしまいそうなので、これは心強い。

 僕自身も力が上がりバールを軽く振れるようにはなったが、まだ魔物相手に力勝負で勝てるとは思えない。

 オークは腕の一振りで僕を弾き飛ばすからな。


「さて、ポチのステータスは、と……」



 ステータス

 Name  ポチ

 Age    0

 Class   サイバードッグ


 Lv    3        (+2)

 HP   750/750    (+200)[生命力]

 MP   60/60      (+10)[魔力量]


 Str    120      (+20)[筋力]

 Vit    180      (+30)[耐久力]

 Mag   24        (+4)[魔力制御力]

 Dex   60       (+10)[器用さ]

 Agi    90       (+10)[素早さ]


 属性  《機械》 

 使用魔術 機獣魔術


 スキル 

 ■バイオメタル

 再生力の有る魔法金属。

 魔力を使い、キズを治すことができる。



「おお! 流石ポチだ、強いなぁ」

 ポチを撫でながら、観察する。


 見事に前衛向きの能力だ。

 それに比べ僕のはやはり後衛向き、魔術師っていった能力なんだろうな。

 オーク相手にバールで殴りかかる魔術師…、我ながら無茶してるなぁ。


「魔素も吸ったし、換気を元に戻して…と、アクセス!」

 換気扇の回転を元に戻す。


 次にドロップアイテムを拾っていくのだが……骨ばかりだ。

 オークの太い骨が95本。

 思ったより少ないのはデブオークに食われた分だろうか。

 そのデブオークのドロップは、というと……


「なんだコレ……、うわ!」

 赤く濁った、掌に収まる大きさの三角錐の置物を拾ったのだが、ドクッ、ドクッ…と動いていた。


「コレ……心臓か? 気味悪いなぁ…、ん?」

 ポチがよだれを垂らしながら、手の中の物を見ている。


「ポチ、コレ欲しいのか?」


「わん!」

 しっぽを振りながら、元気良く答える。


「ちょっと気味悪いものだが……まぁ、いいか。ほれ」

 差し出すとポチは一心不乱に食いついた。

 ポチの表面に光りの文字列が一瞬浮かび上がる。


「美味しいかー? ん? あれ、ポチ…今、光らなかった?」

 ポチのステータスを確認する。



 ステータス

 Name  ポチ

 Age    0

 Class   サイバードッグ


 Lv    4        (+1)

 HP   850/850    (+100)[生命力]

 MP   65/65      (+5)[魔力量]


 Str    130      (+10)[筋力]

 Vit    195      (+15)[耐久力]

 Mag   26        (+2)[魔力制御力]

 Dex   65        (+5)[器用さ]

 Agi    95       (+5)[素早さ]


 属性  《機械》 

 使用魔術 機獣魔術


 スキル 

 ■バイオメタル

 再生力の有る魔法金属。

 魔力を使い、キズを治すことができる。



「え!? レベルアップしてる……、まさかレベルアップアイテム?」


 もしかして、そうなのだろうか?

 だとしたら、ちょっと嫌だなぁ……、少なくとも生でアレは食べたくない。

 もっと詳しく考察してみよう。

 レベルアップは魔素を吸うことで起きる。

 つまりアレには大量の魔素が詰まっていた?

 ハッ!として自分の後ろを振り返る。

 そこには大量のオークの骨の山が。

 これ全部、経験値アイテムなのか?


「でも、コレ……。僕は食べれないよなぁ。

 ポチ、コレ全部食べれるか?」


「わん!わん!」

 首を上下させながら、元気良く吠えた。


「そうか、そうか。ちょっと多いけど頑張って食べようなー。

 そういえばドロップアイテムが食べれるということは、コレはどうなんだろう?」

 ダンジョンボスの落とした黒い魔石を取り出す。

 それを見たポチがよだれを垂らしながら、こちらに寄ってくる。


「うっ! コレはダメだぞ。」

 この魔石は一目見た時に高く売れそうだと思ったのだ。

 現状、無一文に近い僕にとっては数少ない財産だ。


「くぅぅん……」

 ポチが前足で僕を優しく掻いてくる。


「ね、強請ったってダメだぞ」


「わふ!わふ!」

 ポチが寝転がり、腹を見せてくる。


「ダメ」


「くぅぅ……」

 諦めて骨の山に向かった。



 3往復して、骨の山をコントロールルームに運び、今日の探索を終えた。

 ついでにリザードマンのウロコもポチに差し出してみたが、これは気に入らなかったようで食べなかった。

 その後、食事を終え就寝したが、横になっている間もカリカリ…と骨を齧る音がしていた。



 次の日、起きたら骨の山は半分にまで減っている。

 流石にポチもお腹一杯のようで朝食を食べなかった。

 そんなポチのステータスは、と。



 ステータス

 Name  ポチ

 Age    0

 Class   サイバードッグ


 Lv    5        (+1)

 HP   950/950    (+100)[生命力]

 MP   70/70      (+5)[魔力量]


 Str    140      (+10)[筋力]

 Vit    210      (+15)[耐久力]

 Mag   28        (+2)[魔力制御力]

 Dex   70        (+5)[器用さ]

 Agi    100       (+5)[素早さ]


 属性  《機械》 

 使用魔術 機獣魔術


 スキル 

 ■バイオメタル

 再生力の有る魔法金属。

 魔力を使い、キズを治すことができる。



「お、やっぱりレベル上がったな。良くやった」

 ポチを撫でて、褒める。


「わん!」

 ポチも頑張ったとばりに胸を張り、応えた。



 さて、今日は地下3階の探索だ。

 地下4階の倉庫の隣にあった階段を登りながら考える。

 ちなみに上り階段と下り階段の間には廊下を行き来せねばならず、離れている。

 おそらくは通気の関係上で階段どうしを離してあるのだろう。


 地下3階は冷凍睡眠装置コールドスリープマシンで眠る前に居た場所だ。

 あの階は良く覚えている。

 一番大きな広間が寝泊りする場所になっており、仕切りを立てて着替え場所や、談話室にしていた。

 他にも調理室やシャワー室なんかもある。

 今、寝泊りしている地下5階には、コントロールルームにトイレは備え付けてあってもシャワーは無いからなぁ。

 水も貴重であまり使えないし、そこらへんに期待したいところだ。



 階段に伏せて、様子をうかがう。

 階段から見て、右手側には大広間に繋がるドア。

 左手側に予備電源のある事務室へと繋がる通路が通っている。


 通路を見る。

 非常灯の薄暗い明かりに小さな影が浮かぶ。

 耳の尖ったしわくちゃな顔をした子鬼が、ケタケタと笑いながら歩いている。

 小声で、アクセス…と唱えスマホの魔物図鑑にアクセスする。

 検索は一瞬で終わり、情報が頭に浮かぶ。


「あれは…ゴブリンか」

 脅威度は低い、一気に押し通るか……



 パワーアップしたポチ先生がな!



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