プロローグ
「ついに・・・」
今自分は歓喜している。理由は単純で・・・
「やってきました神社!」
自分は根っからの神社好きであった。バイトもして節約もしてようやく訪れることができました。今日は一日中この神社を満喫するぞと意気込む中突然
「・・・えっ」
背中に激しい痛みとともに体から熱が奪われていくのを感じる。声が出なかった。後ろを向くと包丁を持った人が自分の背中を刺していた。
「ごめんなさい」
それと同時に刃を抜かれ激しい痛みとともに失血によるショックで思考が回らないでいる。
(あ・・・え・・・・)
うまく考えることもできずに絶命した。
「ちょっとおきていただけないでしょうか」
そう聞こえたのはあれからどれくらい経ったのだろう。何もない場所によくわからない何かが居た。
自分ではそれがあれだこれだと理解できない。ただいることしかわからなかった。
「意識が覚醒してきましたね。少々お話がございますのでよろしいでしょうか。」
(私に・・・でしょうか)
不意に返そうと思った言葉は口から出ることはなく脳内でしゃべっている感覚が残る。
今自分は・・・なんだ。
「あなたはいま一時的に意識を此処に持ってきているだけだけなので思うだけで構いませんよ」
そうなのか。とフシギな感覚ではある。
「このたびは申し訳ありませんでした。」
謝られてしまった。何かされただろうか。
「神社での殺傷事件。覚えていますでしょ」
あれか。しかし目の前の何かは関係あるのだろうか。
「仮にも神様というものを祭っているところの領域でですからね。管轄でおきてしまったことなので謝罪を一応と思いまして」
その言い分だと神様みたいですね。
「ええ。おっしゃるとおりです。この話はまた後にしていただいて早速本題に入らせていただきますね」
はい。わかりました。で本題とは?
「そこの祭られている神社の主がですねかわいそうなのでもう一度やり直させてあげてと注文が来ました」
そんなことできるんですか。
「肯定。私もかわいそうと思ったんですがさすがに地球にもう一度というのはちょっと難しいので別次元のセカイとなります」
具体的にはどのような?
「一般的に魔術というものが存在します。またかなり殺伐としていますがところによっては平和です」
こちらでいうファンタジーという感じですか?
「肯定。その認識で間違いはありません」
なんかすごいことになってきたぞ・・・
「ではそろそろ別の世界へお送りいたしますね」
なにかご迷惑をかけて申し訳ありませんでした。
「いえいえ。それとあなたにはちょっとした技能をプレゼントしましたのでお楽しみに」
何か・・・神が手を振っていると感じ取っていきながら自分の意識はまた深くなっていった。