ドキドキ尿意バトル!!
桜の花が空に舞う季節、俺達はこの高校に入学してきた。
そう、新学期。僕達は新たな出会いを胸に今日も学校に向かうのだ!
高校に入学して二日目、新学期最初の授業、数学。そのとき奴は突然訪れた。
(ションベンしてえ)
そう、尿意である。
(どうすんだよこれ‥‥)
朝、寝坊してトイレに行くのを忘れた結果だ。
俺は後悔した。何故朝高校に来てすぐにトイレに行かなかったのかと。
「コノシキニマルイチヲダイニュウシテ‥‥」
先生の丁寧な説明も、今の俺の頭には全く届かなかった。
新学期早々にトイレに行ってるようじゃ、そういうキャラ付けになっちまうじゃねえか!
そう考えている間にも、俺の膀胱は悲鳴を上げ続けていた。
授業開始から20分経った。授業終了まであと30分。
絶望感に覆われ、ふと隣の席の女子を見ると、彼女の頬が少し紅潮している事に気がついた。机の下で彼女の脚は内股になっている。
尿意仲間を発見した。
そんなことを考えていると、彼女と目が合ってしまった。
尿意仲間の存在に彼女も気づいたのだろう。虚ろだった彼女の瞳に光が宿っていた。
しかし、これはチャンスだ。彼女がトイレに席に立とうとした瞬間、俺も便上すればいい。そうすれば、彼女よりは俺のトイレキャラは薄れるだろう。
俺は彼女を人柱に捧げることにした。
授業終了まであと20分。
俺の膀胱は既に限界を迎え、尿道の踏ん張りのみが頼りだった。
それは彼女も同じのようで、さっきから股を閉じては開き、閉じては開きを繰り返している。
彼女に俺の人柱作戦はバレてしまったようで、彼女は全くトイレに行こうとはしなかった。
こうなれば我慢勝負だ。とことん最後まで付きやってやる。
真っ赤に腫れているであろう俺の膀胱に鞭打ち、最後の勝負に挑むのであった。
授業終了まであと10分。
限界同士の戦いだった。その時、彼女の様子がおかしくなった。
ある程度ポーカーフェイスを保っていた顔が急に羞恥の色に変わり、彼女の顔が赤くなっていく。
彼女の口から漏れた熱い吐息を、俺は聞き逃さなかった。
「あ‥‥」
彼女のスカートにシミができ、床を彼女の黄金水が満たしていく。
彼女は目を腫らし泣いていた。
勝利を確信した俺は気を緩めた、そう、緩めてしまった。
彼女が五月雨なら、俺はゲリラ豪雨。そう思わせるほどの尿が俺の股から噴出した。
終わった。それは想像しうる上で最悪のケースだった。無駄に冷静な思考回路を寂しく感じた。
その後、俺達2人は保健室に連れられ、学校指定の体操服に着替えさせられた。
最初にやらかした、ということで男子からの俺のウケは良かった。女子からは冷たい視線で見られているが。
彼女も女子の友達ができていた。女子はあの事件が無かった事のように彼女に接していた。その方が彼女にとっても幸せなのかもしれない。
「宮沢賢治の故郷は岩手の‥‥」
現代国語の授業中である。こうやって普通に学校性格が送れているだけでも十分である。
ふと、下腹部に嫌な違和感を感じる。彼女を見ると、見つめ返して来て不敵に彼女は笑った。
さあ、第二ラウンドだ。