42話:集団
大亀の襲撃から1週間後。城壁の外に放置していたモンスターを食べにモンスターがやってくるようになっていた。
それまでに可能な限り処理して素材や食材はゲット済みである。
まだ使える部分があるだろうが、全部ゲットしても使い切れない可能性が高いから無理しない。
家の中にいても暇だが、スキルポイントを浪費するわけにもいかないから娯楽施設はまだ設置できていない。
本当に欲しいものが多すぎる。どこからかスキルポイントが湧いてこないかな。
そんなことを考えながら城壁の上からモンスターの様子を眺めていた。
これはこれでいい。焚火を見たり、動物園で食事風景を見ている時のような感じがする。何も考えずにぼーっと見ていても飽きない。不思議だよな。
そんなことを数日続けていると、ホームの北側の森から複数の人影が城壁に向かっているのが見えた。
またルビアの追っ手だったらマズイなと思いつつ、城壁の上を走りその人影に近づく。
顔が認識できる距離まで近づくと、その人影の中にカンドラとクロムがいることが分かった。
城壁の上から2人に声を掛けると、2人は驚いた顔をして固まっていた。
これは何だと聞かれたので街の城壁だと答え、少し先に門があるからそこに行くように伝えた。カンドラとクロムの他にも数人がいたが、他にもいるようでその人達と合流してから向かうと言われた。
それであればこちらもルビアとメイプルを呼んでこようと思い、一旦家に帰ってから2人を連れて北門に向かった。
北門に到着すると、東側から先程よりも人数が増えた集団がやってくるところだった。
一旦カンドラとクロムだけを城壁の中に入れて、この集団は何なのかを尋ねる。
2人によると、ここから一番近いアンジオ王国最南端の街にいたが、1週間前にモンスターの大群が街を襲い、かなりの建物が損壊してしまったそうだ。その前から街の人に移住しないかと聞いて回っていたが、その影響で家や仕事を無くした人の一部が移住を希望したそうだ。
通常であれば国が街の復興を進める所だが、クーデターの影響で国の支援がすぐには見込めないという話が広がったそうで、それが大きな影響を与えたらしい。
その結果がこの集団で合計74人ということだ。一部でこの多さか。
なお、先程声をかけた時の反応については、モンスターの大群の影響がここにも出ていたらどうしようという不安はあったが、来てみれば謎の城壁があって唖然としていた所に俺が声をかけた、ということらしい。
まぁこの城壁には誰でも驚くだろうよ。
移住希望者の中に追っ手がいないかという不安はあったが、エモさんに聞いたら迎撃機能で俺達3人に悪意があるものを攻撃対象とする、という設定ができると分かったのでそれで対応した。結果としては全員シロだったので一安心である。
全員が門からホーム内に入り、多くの人が座り込んだ。森の中では常にモンスターに襲われるかもしれないという緊張感があったため、城壁の中に入って安心したようだ。
ここからどうしようか。中に入れたはいいがこの人数である。
家を用意したいがスキルポイントが全然足りない。
「あの、少しよろしいでしょうか。」
移住希望者の中から2人の女性がこちらにやってきた。何かあったのかと思っていると、
「やはりルビア様!アイビーでございます。ご無事で何よりです。」
「アイビー!?どうしてここにいるの!?」
彼女達はルビアと顔見知りのようだ。
詳しく聞くと、アイビーはルビアの家庭教師だったそうだ。クーデターの後、姿が消えたルビアを探して、ルビアのメイドや執事と共に国中に散らばったそうだ。
もう1人の女性もルビアの関係者でコリウスと言い、王宮の医務室に勤務していた医者だったそうだ。
2人を紹介してもらいつつ自己紹介をする。
2人にはルビアを助けていただきありがとうございました、と丁寧に感謝をされた。
こちらとしても色々と助かっていることを伝えて、ルビアに今日は2人と一緒に過ごしたらどうかと提案した。
「それはありがたい提案だけど、それよりこの移住希望者をどうするか、家をどうやって用意するか決めるのが先よ。落ち着いてから2人とはちゃんと話すわ。時間はたっぷりあるのだから。」
ルビアは俺よりも現状をしっかり認識していて、やっぱり頼りになる。
さて。どうしようかね。
----------------------------------------------------
ランク:5
レベル:27
取得スキル:
迎撃機能50、リフレクト、トラップ、アクセラレータ
家庭菜園8、教会、城壁
3点式ユニットバス、小型キッチン、電気温水器、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、羽毛布団、電気炊飯器、ベッド2、ダイニングテーブル&チェア
所有スキルポイント 3/81




