32話:調味料
メイプルがやってきて数日。メイプルのおかげで食生活は大きく改善した。調味料は偉大だ。
ただ鶏肉を炒めただけでも、調味料をほんの少し入れるだけで大きく味が変わる。甘味、塩味、酸味、辛味、旨味。今までの俺の炒めただけの料理は料理と言ってはいけなかったと思ってしまう。
美味しい食事の後ののんびりグダグダな時間を堪能していると、部屋のドアがノックされた。
「ユーマさんいますか?」
入室を許可すると入ってきたのはメイプルだった。何の用かと思ったけど、ルビアではなく俺の所に来たのだ。何か重要なことなのだろう。
椅子に座らせて用件を尋ねると、
「ユーマさんの能力で、家庭菜園で育てている野菜の種類を増やせると教えていただきました。種類が増えればもっと美味しい食事を作れます。是非追加してください。たくさんお願いします!」
メイプルはメイプルだった。彼女が食以外で相談してくるわけがなかった。
まぁちょうどいいかもな。ポイントは少しだけど余ってるし、エモさんが教えてくれた家庭菜園を上げた場合に次に増えるのがにんにく・胡椒・甜菜と調味料関係だったし。メイプルに渡して、食卓がより豊かになるのは俺にもルビアにもメリットがあるからな。
ただ、ここでメイプルの要望に応えてしまっていいのだろうか。安易に応えると簡単にお願いを聞いてくれると思われてしまうのではないか。メイプルが調子に乗ってどんどん要望を出してくるのではないか。そんなことが危惧されるので少しは条件を付けるようにしよう。
「うーん、メイプルはここに来たばかりだからなー。追加してもいいが、その代わりしばらくは追加できないぞ。あと、追加した場合に増えるものは選べない。分かっているのは、にんにく・胡椒・甜菜の3つだ。1つにつき1ヶ月増やせないがどうする?」
最大で3ヶ月追加できないようにすれば多少は躊躇するのではないか。1ヶ月もあればレベルアップしてスキルポイントにも余裕ができるのではないか。そんなことを考慮して条件を出したが、
「3つ共追加でお願いします!3ヶ月後を楽しみにしてます!」
あっさりと3つ追加で決まった。微塵も躊躇しないのな。この熱量を読み違えていたかもしれない。しっかりポイント貯めておかないと。
ため息をついていると、メイプルに手を引かれて家庭菜園に連れて行かれた。
「早く追加をお願いします!」
少しも待ってくれないようだ。仕方ない。エモさん、家庭菜園にスキルポイントを3使って下さい。
『スキルポイントを用いて、家庭菜園 5→8 とします。よろしいですか。』
いいですよ、メイプルを止められないし。
『家庭菜園 5→8 となりました。にんにく、胡椒、甜菜を栽培可能となりました。』
スキルを上げると、目の前の家庭菜園がまた広がっていた。5m×5mだったのが、8m×8mになっていた。早速広がった所に追加された3つを設定した。
その様子をメイプルはワクワクしながら見ているが、1日経たないと収穫はできないぞ。いや、よく考えれば1日って早すぎだな。普通半年くらいはかかるもんな。
翌日、俺も家庭菜園の様子が気になり、メイプルと共に家庭菜園へ収穫に向かう。
1日経って、3つ共しっかりと収穫できる状態になっていた。メイプルに確認しながら収穫をしてメイプルに渡す。それを手に持ち走って家に戻るメイプル。にんにくはそのままですぐに料理に使えるが、胡椒と甜菜は処理が必要とのことだった。
胡椒は、実を水に浸して外皮を柔らかくし、皮を剥いてから乾燥させて、それを砕いたり粉末にして完成らしい。これだと白胡椒らしく、黒胡椒はまた別の方法とのこと。
甜菜は、皮を剥いて細切りにしたものを温水で煮出して、それをろ過して抽出した液体を煮詰めるらしい。
どちらも結構手間が掛かるんだな。それをウキウキしながら楽しそうにやっているメイプルは、本当に料理というか食に貪欲なんだなと関心しつつ、今後も美味しい料理を作ってくれることに感謝をしていた。
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ランク:4
レベル:19
取得スキル:
迎撃機能30、リフレクト、トラップ、アクセラレータ
家庭菜園8、教会
3点式ユニットバス、小型キッチン、電気温水器、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、羽毛布団、電気炊飯器、ベッド2、ダイニングテーブル&チェア
所有スキルポイント 2/57




