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異世界マイホーム  作者: 祐祐
2章

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31/54

31話:メイプル

 女性は俺が処理をしている間もルビアと話していたようで、既に落ち着いていた。

 見た目は小柄な女性。大体150cmくらいかな。少しぽっちゃりしていて、髪は茶色のショート。ルビアと同じく欧州系の女性って感じだ。


 ルビアとの会話が止まった所で、ルビアに話していた内容を確認する。

 彼女の名前はメイプル。アンジオ王国の中でもこの森に近い街でシスターとして働いていたが、教会を追い出されたそうだ。その追い出された理由が、美味しいものが食べたくて、それが我慢できず、教会のお金を使って色々な食材を買っていたことがバレたから、というちょっと問題児だった。

 追い出されたのは分かるが、どうしてこの森にいるのかを聞くと、この森の深くでは珍しく美味しい食材が取れるらしく、行き場の無かったメイプルはそれを食べてみたいという欲望に負けて森に入ったそうだ。ただ、彼女はルビアとは違って戦闘経験は無く、ひたすら逃げ回っていたとのこと。追い出された理由も、先を考えずに森に来たところも、ちょっと危ない人だという印象を与える。


 「そこまでは分かった。ちなみに、どこか行く宛はあるのか?」

 「いいえ、宛があれば森には来ません。あえてあげるなら、美味しいものがある所、でしょうか。」

 「な、なるほど。このまま森にいたら確実に死ぬから、しばらくここで休んでいくか?」

 「ありがとうございます!助かります!」


 本当に食欲で行動を決めているんじゃないか。とはいえ、このまま森に放り出すわけにもいかないから、しばらくはここで休ませるか。その後についてはルビアと相談だな。


 立ち話もなんだから家に戻る。家に戻る途中でさっきまで家庭菜園で収穫した野菜と苺を回収していると、


 「なんですか、その野菜は!すごい美味しそうなんですが!」


 メイプルが突然叫びだした。呆気にとられていると、野菜と苺の新鮮さ、瑞々しさ、甘い香りが素晴らしいと饒舌で語りだした。メイプルの言動にルビアと共に引いたが、美味しいものが食べたくて教会のお金に手を出すほどの食への興味というか探究心というか執着心というかが強いのを改めて感じた。


 「是非ともその野菜で料理をさせてください!料理は得意です!スキルも持ってます!」


 もう止められない。家に戻って、キッチンや冷蔵庫の使い方を教えて、夕食はメイプルにお願いしてみた。それによってはここにそのままいてもらってもいいかな、と思ったがそこまでは伝えないでおいた。

 メイプルには他にも聞きたいことがあったのだが、野菜を手にしてからは全くこちらの声が聞こえていないようで会話にならなかったので、夕食が終わるまでは自室でのんびりすることにした。



 日が沈み夕食の時間が近づくと、よい匂いがしてきた。

 ダイニングに降りると、テーブルには既に料理が並んでいた。

 

 「お待たせしました。2人とも席に座ってください。メニューは、玄米ご飯、鶏の照り焼き、鶏と野菜のポトフ、野菜と苺のサラダ、の4品を作ってみました。」


 今までの食事とは比べ物にならない豪華さ!調味料が無いから炒めるだけしかできなかったのにどうしてだろうと思ったが、メイプルは荷物の中に各種調味料を入れてきたらしい。モンスターに襲われていても調味料を捨てることをしないあたり、もうメイプルらしいとしか言いようがない。それに玄米ご飯も。稲のままで保管していたが、そこから玄米だけに分ける所もメイプルが1人でやったのか。


 見ているだけでお腹空いてきそうだ。我慢ならず早速料理に手を伸ばす。甘じょっぱい照り焼きとご飯の相性は最高だ。ポトフはホッとするし、サラダは口の中がさっぱりする。毎日食べたい家庭料理、という感じでとても安心する味付けで、あっという間に残さず食べきった。

 

 「ごちそうさまでした。味も量も大変満足でした。」

 「お粗末さまでした。片付けてきますね。」


 片付けに席を立つメイプルを見送り、小さな声でルビアを部屋の隅に呼び出す。


 「メイプルをここに住ませようと思うんだがどうだろうか。」

 「私は賛成ですよ。料理という仕事も任せられますし、行く宛も無いということですし。」


 片付け終えたメイプルを再度席に着かせて、今後のことを伝える。


 「メイプル、しばらくではなく、そのままここに住まないか?代わりに料理は毎日やって欲しいが。」

 「よいのですか!?是非よろしくお願いします!」

 「良かった。改めてこれからよろしくな。2階にある部屋の1つを使ってくれ。ベッドも置いておくよ。場所は後でルビアに聞いてくれ。」


 ということで、エモさん、ベッドを1つお願いします。

 『ベッドを獲得しました。設置場所を指定してください。』

 空いている部屋は2つあるから、じゃあルビアの部屋の向かい側の部屋で。

 『ベッドを設置しました。』


 「部屋を確認する前にメイプルに聞きたいことがあったんだ。アンジオ王国で起きたというクーデターについて、知っていることを教えて欲しい。」


 ルビアが戻れる状況なのかどうかくらいは知っておきたくて、国の状況を聞いてみた。

 メイプルが街を出たのは1週間くらい前であり、その頃にはクーデターは終結したと聞いたこと。王都以外ではクーデターの影響は無かったこと。クーデターの理由や主犯が誰なのかは知らないこと。国王は近々処刑されると聞いたこと。ただどこかに逃げて捕まってはいないという噂もあること。

 メイプルが知っていたのはこのくらいだった。話を聞いてルビアの様子を確認したが、目を閉じて考え事をしているようだった。

 どう受け止めてどう行動するのか。それはルビアが決めることだから、何か相談された時に力になろう、という心構えだけしっかりして、各自部屋に戻って眠りについた。



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ランク:4

レベル:19

取得スキル:

 迎撃機能30、リフレクト、トラップ、アクセラレータ

 家庭菜園5、教会

 3点式ユニットバス、小型キッチン、電気温水器、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、羽毛布団、電気炊飯器、ベッド2、ダイニングテーブル&チェア

所有スキルポイント 5/57

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