30話:新たな来客
エモさんが現れてから1週間が経った。この1週間はとにかくのんびり過ごした。
最初の1週間が怒涛の日々だったため、俺は家庭菜園の収穫以外はゴロゴロしていた。元々リタイア後はのんびりしたかったのだから、やっとやりたいことができるようになったという所だ。これでインターネットがあれば完璧なんだけど、そこまで求めるのは良くない。
エモさんについては、説明された通り、教会に行けば会って話せるし、教会に行かなくても天の声として俺だけは話せる。元々天の声として一緒にいたからか、前の嫁と見た目や声は一緒だからか、とても自然にコミュニケーションが取れていてなんだか落ち着く。
ルビアは森に入ってモンスターを倒したり、家で休んだり、という生活をしていた。何度かゴブリンやキラーホーネットの群れに遭遇して対処しきれずにホームまで逃げ込んできたが、そこは迎撃機能でしっかり倒した。
倒してはいたがレベルが18まで上がったからだろうか、そこから上がってはいない。
そろそろ鶏肉の在庫が心許なくなってきた。ルビアにはファストバードを狩って欲しい、もしくは見つけてホームまで連れてきて欲しいとお願いしているが、中々見つからないようだ。そこそこレアなモンスターなのだろうか。
そんな日々を過ごしているある日の昼時。
変わらずルビアと2人で昼食を食べてから家庭菜園へ向かう。元々家の近くにあった家庭菜園は少し家から離して、南へ100mほどの場所に移設した。今後面積を増やしたいし、家の近くには教会以外の建物が増える可能性が高い。多少遠くても大した距離じゃないし、これくらいは身体を動かした方がいいと思ってそう判断した。
2人で収穫をしていると、
ピィーピィー
ピィーピィー
ピィーピィー
聞いた覚えのある鳴き声が聞こえてきた。多分ファストバードだ。以前襲われた時はこんな感じの鳴き声だったはずだ。
是非ホームに向かってきて欲しい、鶏肉を確保したい。そんな軽い気持ちで鳴き声のした方向をルビアと眺めながら柵に少しずつ近づいていると、地上付近の草むらからガサゴソと音が聞こえた。
ゴブリンとかファストバードに襲われて逃げているのか、ゴブリンでもファストバードでも柵の内側なら問題ない、と安心していると、草むらを飛び出してきたのはゴブリンではなく、全身泥だらけになった女性だった。
ルビアともエモさんとも違う。150cmほどの小柄だがぽっちゃりしており、息を切らしながら全力で走っているように見えた。
その後方からは先程の鳴き声の通り、ファストバードが追いかけていた。その数は5匹。このままでは追いつかれてしまいそうだ。
「そこの人!目の前の扉からこっちに来るんだ!」
逃げている女性を助けるため、声をかけながらルビアと共に扉へ向かう。向かいながら、向かっても俺にできることは無いことに気付くが今さら戻れない。
いち早く扉にたどり着いたルビアが開け、やってきた女性に手を伸ばす。
女性もルビアに手を伸ばし、捕まえたルビアはその手を引き寄せる。
ファストバードは女性まであと10mという所まで迫っていたが、なんとか間に合った。
バチィッ
バチィッ
バチィッ
バチィッ
バチィッ
女性がホーム領域に入った直後、目の前でファストバードが迎撃機能と衝突した。気絶していた場合はすぐに対処が必要なためナイフを片手に近づく。
『レベルが19に上がりました。スキルポイントを3獲得しました。』
処理をする前にレベルアップの声が聞こえてきたが、気絶している個体もいるかもしれないので、速やかにファストバードの首を切り離す。
結果、5匹いたファストバードは全て迎撃機能で倒せていた。
レベルは上がったし、食料も手に入ったし、結果は上々である。
解体は後にして、逃げてきた女性の確認に向かおう。
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ランク:4
レベル:19
取得スキル:
迎撃機能30、リフレクト、トラップ、アクセラレータ
家庭菜園5、教会
3点式ユニットバス、小型キッチン、電気温水器、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、羽毛布団、電気炊飯器、ベッド1、ダイニングテーブル&チェア
所有スキルポイント 6/57




