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異世界マイホーム  作者: 祐祐
1章

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12/19

12話:地盤固め

 鶏肉の炒めもので簡単に昼食を済ます。朝・昼・晩と同じようなものを食べているが、別に飽きたりはしない。元々食べ物にそこまで興味がないのだ。そこそこ美味しくて栄養が取れていれば3食同じものでも構わない。向こうの世界にいた時からそうなのだから、こちらの世界に来てからも変わらない。他に食べる物も無いしな。

 

 午前中はトレーニングとゴブリンの解体中に現れたミノタウロスで大きく予定は狂ったが、家の頑丈さが分かったし、ランクアップもできた。不幸中の幸いかな。いや、結果としては不幸な事は何も残ってないな。俺の記憶の中以外には。


 さて、午後は何をしようか。昼食中に考えたが、差し当たっての課題は2つある。

 ①鶏肉以外の食料の確保

 ②ミノタウロスが再び襲ってきた時への備え

 

 前者については、どうにかしてモンスターをこの家に引き寄せる必要がある。そのために柵の向こう側へ行くかどうか。リスクではあるが、このままではジリ貧である。

 続いて後者については、これといった対策は無い。考えられる事としてはスキルポイントによる迎撃能力の強化とランクアップだろう。ランクアップ自体が迎撃能力の強化に繋がるかは不明だが、悪い効果は無いと思う。ランクアップの条件は不明であるが、レベルアップは恐らくモンスターを倒す事で起こるはずである。ゲームであれば、徐々にレベルアップに必要な経験値が増えていくはずであり、ゴブリン1匹ではレベルアップしないかもしれない。だが、1匹ずつでも確実に倒していけばレベルアップするはずだ。


 方針が決まればやるだけだ。ゴブリンの持っていたナイフとゴブリンの大腿骨を手にして柵の外へ。よく見ると柵の1箇所に扉が設置されて、そこから出るようになっていた。ランクアップによる効果なんだろうか。これ、今までみたいに逃げ込む時に危険かも・・・そう思いつつ、外に出て森へと向かう。

 

 

 

 森へ入ってから30分ほど。いつでも家に戻れるように家からの距離と方向を常に気にしながら、家から離れすぎないようにグルグル回っているが、モンスターを見つけられていない。

 初日はモンスターに出会わず、2日目はゴブリンと鳥。3日目はミノタウロス。冷静に考えると遭遇率はかなり低いのでは?ゴブリンは偶々で、その後に2体はゴブリンの血の匂いに誘われてきたとか?もしそうであれば一度家に戻り、ゴブリンの血の匂いが強いであろう穴に埋めた内臓を持ってくるべきだろうか、いや、あれを手で持って歩くとか気持ち悪い。

 そんな事を考えて更に30分ほど。もう何も出てこない。諦めて家に戻ってレベル上げと食料調達は明日にしよう。そう思っていた時に現れたのだ。


 うさぎ。

 可愛い。見た瞬間の印象はそれだけ。危険な感じはしない。ちょっと向こうの世界のうさぎより大きく、全長1mくらいありそうだけど。多少大きくなってもあの顔は可愛らしい。うさぎとか猫とかが向こうの世界の時から大好きだった。アーリーリタイア後は猫を飼えたらいいな、なんて思っていたくらいだ。

 その可愛らしさに心を奪われていると、うさぎは突然こちらに飛び込んできた。思わず抱きしめようと動き出した時、目に映ったのは大きく開いた口とその口から飛び出している巨大な前歯。開いた口の8割くらいその前歯が占めているほどの巨大さ。


 なんで油断していたのか。この世界でそんな甘い考えではすぐに殺られるぞ。自分で自分に説教したくなった。とっさに持っていたゴブリンの大腿骨を突き出す。これで飛び込んできたうさぎを抑えられる。そう思っての行動であり、それに対してうさぎはその大腿骨に噛み付いた。これで止まる。そう思った直後、うさぎは巨大な前歯で大腿骨を噛み砕いた。噛んだのではない、噛み砕いたのだ。

 え、あの大腿骨かなり硬いぞ。あれで自分の足を叩いてその痛みでミノタウロスから逃げたんだぞ。その大腿骨を一噛みで粉砕。このうさぎ、ヤバい。可愛いからって舐めていた。


 噛み砕いた後どうなったかを観察はせずに、一目散に家に向かって走り出した。後ろから聞こえる音から推測すると、うさぎとの距離は詰まってない。近づいていなければ問題ない。柵を越えて家の敷地まで戻れれば勝てるはずだ。そう信じて全力で走る。常に家の方向と距離は把握していた。今回は家まで400mほど。ゴブリンから逃げる時と比べればどうって事のない距離だ。その経験があったからだろうか、今回は家が見えるまで走ってもあまり疲れはなかった。いや、1分半ほど全力で走ったのだ、疲れてはいる。それでも精神的な疲れがなければここまで違うのか。そう思わざるを得なかった。

 ちょうど柵にできた扉が目の前だったのでそれを開ける。それを閉めずに家に向かって走り続ける。そろそろうさぎが柵のあたりにいるだろうか。そう思い、後ろを振り向くとちょうど、バチッ、という音が鳴り響いた。そして、俺を追いかけていたうさぎが走っていた速度そのままで地面をヘッドスライディングしていた。


 家まで走りつつ様子を見たが、うさぎは動き出す気配がない。ゴブリンやあの鳥の時と同じである。意を決してうさぎに近づく。まだ気絶したままのようだ。ミノタウロスはあの高圧電流でも気絶しなかったが、あれはミノタウロスだけなのか、他のモンスターはちゃんと気絶するのか。疑問は浮かんでくるが、今は気絶しているうさぎを確実に倒す事に集中する。

 いつも通り、首にナイフを突き刺す。何度か刺した後に首を胴体から切り離す。ここまでいけば一安心である。


 『レベルが5に上がりました。スキルポイントを3獲得しました。』


 こちらもいつも通りである。



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ランク:2

レベル:5

取得スキル:迎撃機能5、3点式ユニットバス、小型キッチン、電気温水器、冷蔵庫

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