表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
主人公は悪役令嬢と仲良くなりたい  作者: SST
第一章 そして姉妹になる
9/321

勉強イベントその1

学園に入学してしばらくの時が経った。

あれから、他の攻略キャラの評価を上げにかかったのだがいまいち上手くいっていない。


◆ ◇ ◆ ◇

とある攻略キャラの場合 その1


「ここの庭園の眺めは僕だけが知っていると思っていたが…まさか他に人がいるなんてね」

「お姉さま、こちらのカツサンドはからしを入れてみたんです。如何ですか?」

「リシアの作るカツサンドはそのままでも美味しいが、これは特別美味しいな」

「ふっ、面白れー女ども」


とある攻略キャラの場合 その2


「いっけない遅刻遅刻ー!」

「おっとリシア、曲がり角は気をつけないと危ないぞ」


お姉さまが咄嗟に私を引き寄せる。


「ありがとうございます!お姉さま!」

「何、気にすることはない。ところで、すごい勢いで壁にぶつかったみたいたが、大丈夫か?」

「ふっ、面白れー壁…!」


◆ ◇ ◆ ◇


と、いった感じで全く他キャラのイベントが上手く行かないのだ。何でだろうね?


そして他キャラの評価を上げることが出来ないまま、新しい重要イベントを迎える。

それは、勉強イベントだ。

突如一つ上の学年からスタートしたリシアは、当然基礎がないのだから授業についていけない。

そこで補習課題が出されるのだが、その量がすさまじいのだ。

ここで最も評価の高いキャラから勉強を教えて貰ってリシアは必死に課題を終わらせるのだが…各キャラごとの悪役が提出日直前にその課題を捨ててしまう。

エドワードルートの場合だと、ローエンリンデ公爵家の傘下であるハリス伯爵家の令嬢、つまりレベッカの取り巻きがそれに当たる。

レベッカは直接関与していないものの、エドワードにレベッカへの不信感を与えた上で、提出日に間に合うよう二人三脚で頑張り仲を深めるというイベントだ。


そう言えば、ハリス伯爵令嬢がお姉さまの周囲にいるところ、見たことないんだよね。

原作だとよくお姉さまの後ろにちらちら居た記憶があるんだけど。


そんな勉強イベントだが、ここでエドワードとのイベントを起こしてしまうと不味い。

まだまだ修正は可能な段階ではあるが、ルート入りにだいぶ近づいてしまうことになる。

他のキャラとイベントを起こすことが難しいなら、エドワードとも起こさないのが一番だろう。


「と言うわけで勉強を頑張ります!」

「何がと言うわけか解らないが…勉学に励むのは良いことだな」


一念発起、私は勉強を頑張ることにした。誰の手も借りずとも一人でやり遂げてみせる…!

と意気込んだは良いものの、この学園の授業の難易度、相当難しい。

学生時代、そこまで学力が低いわけではなかったが、歴史は全然違うからアテにならないし、国語も隠喩が訳解らない。もっとハッキリ言ってくれ、貴族。法を扱う立場なので法学もあるのだが、これも現代とは全く違うのだ。

帝王学に至っては、もう無理。そんなん学ぶような良いところの人間じゃなかったし。


「ん~…」

「リシア、手が止まっているようだが…」

「大丈夫ですお姉さま、私は一人でやり遂げてみますからね!」

「そ、そうか」


ええっと、領地の年貢は…


「それは王国法じゃなく税法だな、ここを読むと良い。」

「あ、ありがとうございます。お姉さま。」


現地の代官が不正を行った場合…


「その場合は刑法になる、法的手続きの欄だな」

「なるほど…」


頭使うと何だかお腹が…


「今人気らしいお店のクッキーを持ってきたんだ、食べないか?」

「すごく繊細で美味しいですね」

「それは良かった」

「…って違う!!お姉さま!私は一人で頑張りたいのです!」


お姉さまと居ると絶対エドワードがそのうち寄ってくるし。勉強を教わっていると、エドワードからも教わることになる予感がするからここは避けたい。


「リシア…だが…」

「お姉さまの手は借りません!」

「しかし…」

「しかし、なんですか!?」

「それは税法でなく商法だ」

「もう!お姉さま!!こうなったら、私、課題が終わるまでお姉さまとはお話しません!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ