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主人公は悪役令嬢と仲良くなりたい  作者: SST
第一章 そして姉妹になる
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お花見イベントその2

お花見当日。めっちゃ寒い。

この寒さだと桜どころか梅も咲かなそうだ。それくらい寒い。

あのイベントの上着じゃ足りなかっただろうなぁ…それでもリシアが暖かく感じたのは恋の上気だろうか。


お花見に持参する手料理はすごく悩んだ。

お姉さまに好きなものは?と聞いても「私は何でも食べれるぞ」としか返ってこないからだ。

そこで無難にサンドイッチにしたのだ。(おにぎりでも良かったが欧米風の王城内でおにぎりというのもね)

お花見といえばサンドイッチというのもあるが、他にも理由がある。

エドワードルートが進むと、食堂でお姉さまと席が向かい合わせになるのだが、リシアが座ってすぐに食事を残してお姉さまが席を立つイベントがあるのだ。

そのイベントの背景CGをよく見ると、食堂の端の方に本当に小さくお姉さまと同じ黒くて長い髪の女性が座っているのがわかる。

その女性の前にあるのが茶色くて丸い切り分けられた食べ物で、恐らくトンカツあたりでは?と予想したことがある。

貴族がトンカツとかどうなんだ、とも当時は思ったものだけど、実際今回肉を買い求めたらすごく高かったからこの世界では貴族しか食べれないのかもしれない。

さすがに自分の嫌いなものを頼むことは無いだろうからという予想で、様々な種類の中でもカツサンドをたくさん作ったのだ。

ここまで考えてのサンドイッチチョイス!オタクの愛舐めんな!


「やぁリシア、今日は寒いな…」

「あらお姉さま!寒さからか少し顔色が悪いですね、今白湯を貰ってきますね」

「ありがとう、助かる…」

「良ければコレもどうぞ、私少々着込みすぎましたから」


寒くて凍えてるお姉さまもやっぱり表情が変わらない!素敵!

寒そうにしているお姉さまに上着を掛けた後、王城の方から白湯を貰い、急いでお姉さまの元へ戻るとそこにはエドワードも居た。


「リシア、来てくれたんだね」

「エドワード様、本日はお招きいただきありがとうございます。はい、お姉さま、白湯を貰ってきましたよ」

「ありがとう、ああ、暖まる…」

「寒いと辛いですものね」

「リシアも寒くないか?この上着返した方が良いのではないか…」

「いえ、先ほども申しましたが少々着込みすぎたと思ってましたので。お姉さまに着ていただければ私もうれしいです。」

「リシア…」


お姉さまが着た上着とか絶対洗えないし着れない。お家に帰ったら使用人にもっていかれないように自室で保存しないと。


「はいはい、ところでそのバスケットはリシアが作ってきてくれた奴?」

「そうです、サンドイッチを作ってきたんですけど…」

「良いね、外でも食べやすいし。早速いただいていい?」

「ええ是非」

「これすごく美味しいね!この卵サンド好きだなあ」


ぱくぱくサンドイッチを消化するエドワード。

どうせ他の人等はエドワードが食べてるからポーズだけ食べるふりはするが、そこまで乗り気じゃないから好きなだけ食べて欲しい。

エドワードのために作ってきたわけではないけどね!

お姉さまは少しマシになったとは言え、食事どころではなさそうだし。


「すまないリシア…食べると約束したのに…」

「良いんですよ、体調が悪いときに無理する必要はないんですから。」

「良かったら少し持ち帰らせてくれないだろうか。必ず食べるから。」

「もちろんです!カツサンドとかどうでしょう、たくさん作ったので…」

「良いな、実は私はトンカツが好きなんだ。」

「まぁ、それは良かったです!」


オタク大勝利。


「来年はもう少し遅めにやりましょうか。暖かいところで、ゆっくりお姉さまとカツサンドを食べながらお花見がしたいです。」

「…そうだな。来年は暖かい時にやれたらいいだろうな…」


そんなお姉さまの表情はいつもと変わらないはずなのに、なんだか寂しそうに見えた。





◆ ◇ ◆ ◇


「今気づいたんだけどお姉さまに上着を貸したのって、あのイベントと同じ展開では!?!?」

その晩リシアの部屋にはその上着をはすはすしながら悶えるオタクが居たそうな。

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