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断章・選択するということ
何故だ。
何故、私は選べない。
世に並みいる凡人どもはいつだって何かを自分で選び取り過ごしている。
だというのに、どうして私は選べない?
何かを選ぶ為に、知恵を巡らせ努力を厭わない。
そうして選び取る為に手を伸ばし続けている。
だのに、人々は私の選択を受け入れない。
いつだって、なにも考えていない人間たちが、思考することなく選び、努力することなくそれを手に入れているのに。
私はいつだって、他者の選択を受け入れさせられる側だ。
何故。どうして。訳がわからない。
まだ、努力が足りないのか。
他の人間には求めないのに、私にはまだ求めるのか。
良いだろう。
ならば、成し遂げてみせようじゃないか。
他人の選択を排し、私の意志で私の選択を掴み取る。
誰にも邪魔は、させない。




