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主人公は悪役令嬢と仲良くなりたい  作者: SST
第一章 そして姉妹になる
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お花見イベント

「お花見?」

「ああ、毎年学園では新しいクラスの親睦も兼ねてお花見をやっているんだ。それで今年はせっかくだからうちのクラスは王城の庭園でお花見をやろうと思って。リシアも来るよね?」


ついにこの時が来た。

学園に入って最初のイベント、お花見だ。

このゲーム、設定は欧米風にも関わらず、桜もそれを見る文化も存在する。

そういう雑設定が人気がでなかった原因だろうなと思う。

とは言え、これは大事なイベントだ。ここまでの攻略キャラの評価の中で好感度が一番高いキャラとのイベントがこの時点で発生する。

エドワードの場合、お花見当日にリシアが手料理を作って持ってくるのだが、当然貴族女性に手料理を作る文化など無く下品であると周囲から思われるのである。

そうとは気づかないリシアが、お姉さまに手料理を勧めるのだが「申し訳ないが食欲がないのだ…」と断られ消沈する。

しかし、エドワードが率先して手料理を食べることで、周囲も仕方なくそれにならうことになる。それでもお姉さまは手をつけないのだが。

とりあえず、手料理を作らなければエドワードのイベントには入らない、はず。


「王城の桜並木は良いぞ、あれは一度は見ておくべきだ」

「お姉さまがそこまで言う桜並木、すごく気になります!」


まぁ、イベントCGで桜並木のシーンもあるので知ってはいるのだが。


「ただ、あそこは風通しの良いところだし、まだ季節的にも少し寒いかもしれないな。」

「そう言えば去年のお花見も寒くて女性陣はちょっと震えていた気がするね。今年は城の方で白湯を用意させよう。」


実際、他のキャラのルートだとリシアが薄着で来て寒がって居るところに上着をかけてやるイベントなどもあったりするのである。


「平民のお花見だと、手料理を持ち寄って食べたりすると聞いたことがあるんだけど?」

「え、ええ、そうですエドワード様…」

「なに、リシアは料理が出来るのか?」

「は、はい…貴族令嬢としては下品かもしれませんが…」


事実現実世界の私は独り暮らしをしていたので、多少の料理は出来る。得意とは言わないが不得意でもない。


「そんなことはない。食事は人に欠かせぬもの。それを生み出す行為に貴賤などあるものか。」


お姉さまのキャラブレ来ました。

本当にそう思っているならエドワードルートでも恐らく気にせず食べているはずだし、原作とは少し関係性は変わってはいるが、それで態度を変える人ではない。

何故こうキャラがブレるのか不思議なんだよなあ。ライターがイベントによって違うのかな?


「リシアの手料理、気になるな。せっかくなら作ってきてくれたりしない?」

「えっと…」


この流れはまずい。どうしてこうなった。


「エドワード、無理強いをするものではない。」

「えぇ、でも普通僕たち料理しないでしょ。だから興味湧かない?」

「そ、それはそうかもしれないが…」


あ、お姉さまが少したじろいでる。表情は変わらないのだけど。素敵!

というか、興味あるんですねお姉さま。


「で、でしたら作ってきますけど…エドワード様、お姉さま、私の料理、食べてもらえますか?」

「「もちろん」」


お姉さまも食べてくれるなら、ギリギリセーフですよね?


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