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主人公は悪役令嬢と仲良くなりたい  作者: SST
第四章 「2人」の記憶
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混濁

???視点です。

エメラルドグリーンの海。白い砂浜。青い海。

今日も夢の中で私は溺れている。

例の女性がまた、波打ち際に立つ。

来てはダメ、私は変わらずそう思う。


今日は、海に飛び込んでこなかった。

何かを私に叫ぶと、陸に向かって走り始める。


「お姉さま、そんなに必死に走るとお体に障ります!」


これ以上、私の為に走って欲しくないと願うのだった。


◆ ◇ ◆ ◇


「今日から場所を移そう。近くに王家の別荘があるんだ。静かで良いところだよ。」

「まぁ、それは素敵ですね。」


エドワード[お姉]さまと2人なら楽しいだろうな。

まただ、最近は思考にもノイズが走る。


「ここは良くない情報が多すぎるからね。さぁ、行こうか?」


エドワード様が手を取り先導してくださる。

本当に素敵な人だ。

そう思いエドワード様の顔を見上げる。


だが、なぜか手をつなぐエドワード様の顔と視線が合わない。もう数cm上をつい見てしまう。

どうしてだろう、そこに大切な何かがあった気がする。


“--さまより背の--や-はおこと--だ!“


◆ ◇ ◆ ◇


なぜか人目を避けるように連れ出された私は、馬車に乗せられ海岸線を移動する。


「まぁ、猫ちゃんです!」

「本当だ。可愛いね。」


馬車の外の風景を見ていると、ツンとした顔の黒猫がこちらを見ている。

何だかとてもキュートで、心が暖かくなる顔をしている。


「猫ちゃんに何かあげたいんですが、馬車を止めてもらっても良いですか?」

「ごめんね、あげれる物もないし、早く着きたいんだ。」

「そうですか…。」


私はしゅんとする。

お魚をあげればあの猫ちゃんはきっと喜んでくれるし、とっても幸せになれる自信が私にはなぜかあったのだ。


“--さまとあの--はよ--て-るから。”


確かに。良く似ている。

あれ、今私は何と会話した?


◆ ◇ ◆ ◇


馬車は山の近くを通る。

私がふと目をやると、竹が生えている。


「あれは竹ですね。」

「あの木は竹と呼ぶのか。詳しいね、リシア。」

「いえ、先日も--」


竹で何をしたんだったか。

とっても楽しくて、美味しかったはずだ。

美味しかった?竹を食べたのか?


“--さま-流--めんス--ダーは--ったなあ”


そうだね。あれはすごかった。

あれ、私は、ノイズと会話している?





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