日常
それはある日の午後。
私は王国史の授業を受けていたのだが…
(ね、眠い…)
おじいちゃん先生の授業が眠いというのはどの世界も共通なのだろうか。
先ほど昼食をしっかりと食べたこともあり、睡魔が--ああだめだ、意識が…
「すやぁ…」
「こら」
「へぼぉ!?」
意識が夢の中に飛んだ瞬間、私の頭にすさまじい衝撃が走る。
お陰で女の子にあるまじき声が出たよ…
こんな力で叩いてくる人など一人しかいない。
「お姉さま、頭が二つに割れてしまいます…」
「大袈裟だな。そんな強い力で叩いてなどないぞ?」
「大袈裟でも何でもありません!お姉さまはもっと自分の力を自覚してください!ただでさえゴリラなんですから…」
「誰がゴリラだって?」
「い、いえ、ソンナコトハイッテオリマセンワヨ…?」
「いくら私とリシアの仲でも言っていいことと悪いことはある。そうは思わないか…?」
「おおおおおお待ちください!本当に頭が二つに割れてしまいますから!!」
「エヴァンス子爵令嬢、ローエンリンデ公爵令嬢。廊下に立っていなさい。」
「怒られてしまいましたね…」
「あぁ…」
「やんちゃな貴族のご子息ならともかく、学園で廊下に立たされている令嬢など見たことがありません…」
「私もだ…」
「これ、新しくまた課題出されたりとか…」
「可能性は充分にあるな…」
「そのときは一緒にやりましょうね、お姉さま」
「さて、私はゴリラらしいからな…課題も解けるかどうか…」
「ご、ゴリラでもお姉さまは素敵ですから!課題も問題はありません!」
「否定は…しないんだな…?」
あっ。