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主人公は悪役令嬢と仲良くなりたい  作者: SST
第七章 次は私が
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元日 その2

誰かが部屋に入ってきた音で目覚める。

ここ数日、夜も眠らず様々な方法で癒しの力の実験を行っていたが、ついに力尽き眠っていたようだ。


「おはようございます。リシア様。…そろそろお支度の時間です。」

「えっ!?…あっ、初日の出…。」


アランさんに声をかけられ頭が覚醒する。

窓の外を見ると見事な朝日がでている。

初日の出、お姉さまと一緒に見たかったな。

大晦日の夜はお姉さまと共に時を数えながら過ごし、新年を祝い、こうやって初日の出を二人並んでみたかった。

来年こそ。そのためにお姉さまを救い出さねば。

だが、そこで癒しの力を操作する方法が結局見つかっていないことに思い当たる。


「そうだ。癒しの力の実験を…。」


私はよろめきながらアランさんに近寄る。


「…そろそろお支度されねば間に合いませんよ。」

「でも…。」

「今日、どのような結果になろうとも、リシア様を責めはいたしません。…ですから、最期にお会いになってあげてください。」


最期。その言葉に背筋が凍る。

今日がお姉さま最期の日になるかもしれない、その事実が私の心を凍えさせる。

この日のために癒しの力の操作を頑張ったが、私は間に合わなかった。

このままでは。


「ただ、申しておきます。もう、リシア様はこの家の立派な女主人でございます。むざむざ、己の命を投げ出すことはお止めください。お約束、できますか?」

「ええ、もちろんです。」


ごめんなさい。アランさん。

私は嘘をつきました。

もしお姉さまが死ぬようなことがあれば私は、お姉さまの後を追うつもりでいます。

もちろん、任されたローエンリンデに道筋をつけてからにはなりますが。

私の幸せはお姉さま無しではありえない。

それだけは確信を持って言える。

ごめんなさい。お姉さま。

あなたに助けられた命、無駄に散らすことになることをお許しください。

お姉さまは許してくださるだろうか。許してくれないだろうな。

それでも、私はあなたと共にいたい。

私の最期のわがまま、許してくれなくていい。 


「さて、では今から支度して参ります。…きっと、動きやすい格好がいいでしょうね。」

「はい。今ご用意させて参りますね。」


使用人たちの準備が出来るまでの間、私は今すべきことを脳内で整理しながら時を待った。




毎日書こうと頑張って向き合ってるのですが、ここずっと遅筆でスランプに陥ってます。

これを書いてる時点でもうストック分が1日しかなくて、更新滞ったら申し訳ないです。


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