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70. メイド達の無双

※ 今回、ちょっと長いです。

※ 2017/12/16 イラスト挿入

 三日目の今日も、マルク亭には開店前から沢山の客が来てくれていたそうだ。

 オレがマルク亭に着いた時には、既に店の中は満員、今日から外にもいくつか丸テーブルとイスを用意していたのだがそれも埋まっていて、さらには順番待ちの行列もできていた。


 ありがたいことだと思うよ。

 そして、これだけの客を逃したくはないとも思う。


 オレは裏口から店に入りながら、バスカルの店で得た情報をウエイトレス三人に念話で伝えた。


『……というわけだ。思っていたより少し早かったが、他の店もオレ達と似たようなことをしようと動き出したみたいだ。だから、例の作戦を今夜実行するぞ』

『はーい。分かりました。ちょっとドキドキしますね』

『かしこまりました』


 ラヴィとユオンはすぐに承諾の返答をしてきたが、ファムは……

 あれ? 何も言ってこない?


『ファム?』


 オレは皿洗いを手伝うために厨房に入り、マルクに片手を上げてあいさつしながら、念話でファムの名を呼んでみた。


『ねえ、トーヤ。二日しか練習してないのよ? ホントに大丈夫だと思う?』

『大丈夫だよ。昨日だってうまくできてた。自分を信じろって』

『そう言われても……あんなの、初めてだし……』

『なら……』


 自分が信じられないなら、代わりにオレを信じろ!


 そう言ってやりたかったのだが、残念ながら言えなかった。

 一度は言ってみたいセリフの一つではあったのだが、いざとなるととても恥ずかしくて言えないな、そんなこと。


 おかしいなぁ。ファムと一緒にリンゴの酒を飲んだあの夜には、似たようなことを自然に言えたと思ったんだけど。素面しらふじゃ無理ってことか? それとも一対一じゃなく、他の二人も聞いているからか?


 アニメやラノベの主人公って、やっぱすごいね。

 そんなセリフを臆面もなく簡単に言えちゃうんだからさ。


 ちょっとだけ羨ましいかも……


 そんなことを思って念話が途絶えてしまったことを、ファムがいぶかしく思ったのか、オレの名を呼んできた。


『……トーヤ?』

『あ、ゴメン。大丈夫だよ。だって、ラヴィよりうまくできてたろう?』

『それは、そうだけど……』

『ちょ、ちょっと? 二人とも? 聞こえてますよ? それはひどいですよ。アタシだって、いっぱいいっぱい頑張ったんですからね』

『ははは。分かってるよ、ラヴィ。ラヴィだって大丈夫だよ。そして、ファムも大丈夫だ』

『ふふふ。そうね。頑張ってみるわ』

『もう!』


 オレは皿を洗いながら、小窓から客席のほうを見た。ファムとラヴィがちらっとオレのほうを見て微笑みながら頷いてくれたのが見えた。


 右の方に視線を向けると、ユオンが水差しを持って客に水を足していた。


『あ、そうそう。ユオン』

『はい。何でございましょう?』

『分かっているとは思うが、作戦実行中は、仮面・・外せよ?』


 オレの念話に反応して、ユオンがこちらのほうに視線を向けた。そして……


 艶やかな微笑みと共にウインクをしてみせた。


 途端、ユオンとオレの間にいる男の客達から歓声が上がった。


「うぉおおお。ユオンちゃんがオレにウインクしてくれたー」

「違う! 俺にだ俺に!」

「何寝ぼけてんだ。俺に決まってるだろうが!」

「お前ら頭悪すぎ! 目も悪すぎ! 俺様にだよ!」


 一歩間違えれば取っ組み合いの喧嘩にでもなってしまいそうだ。


 ふっ。残念だったなお前ら。あれはオレにだよ!


 っていうか。ユオン、なんてやつだ。ウインク一つでこの騒ぎか。

 やっぱ、仮面を外させるのは危険かもしれん。


 今日も客は引っ切り無しだ。次から次へとやって来る。外はもう、かなり長い行列になっているようだ。


 三人の獣耳娘メイド隊は、途中で交代しながら少し休憩を入れられるが、料理人はマルク一人だけだから、休憩するわけにもいかず、ずっと立ちっぱなしで調理しっぱなしだ。


 そんな調子が夜まで続いた。

 いや、夜になってもまだ続いている、と言った方が正確だな。


『トーヤ様。主達が到着されたようですので、裏口から別室へご案内いたします』


 お! 来たか。


『了解だ、ユオン。よろしく頼む』


 オレはいつまでたっても終わりの見えない皿洗いを続けながら、念話でそう答えた。ちょうどユオン達が別室へ入っていくところをちらっと見たが、アダンの肩にはリオが止まっていた。そしてクロとシロの後ろ姿も見えた。


 昼間、ユオンを通じて、今夜決行するから、時間が取れるようなら来てくれと伝えていたんだが、三人ともちゃんと来てくれたんだな。


 あと、もう一人だ。


 オレがそう思っていた時、ラヴィが念話でそのもう一人の来訪を伝えてきた。


『トーヤさん。バスカルさんが来ましたよ』


 ナイスタイミングだ。


『ラヴィ、どこか空いている席は有るか?』

『バスカルさんは、ここで、窓のところで良いそうですよ』


 オレはちょっと身を乗り出して、小窓から、客席の向こう側の窓を見ると、バスカルが窓枠に両腕を組んで乗せ、店の中を見ている姿が見えた。オレと視線が合うと、軽く右手を上げたので、オレも頷いて応じた。


『ま、いいか。分かった。彼に何か飲み物を持って行ってくれるか?』

『はーい。わかりました』


 よし。これで観客は揃ったな。


 始めるとしますか。


◇ ◇ ◇


 獣耳娘メイド隊の三人によって、店の中の灯りが次々と消されていく。


 当然だが、それによって客達がざわつき始める。

 幾人かが戸惑いの声を上げるが、メイド三人は言葉を発さずに、ただ笑顔でそれに応えていた。


 客の傍にあった灯りが全て消され、残りは今三人が立っている店の奥の壁際だけになった。そのため、自然と客たちの視線が彼女たちに集中する。


 一体何が始まるんだと、そんな声があちらこちらから聞こえてくる。

 だが、今それに応える者はいない。


 ファムが、ラヴィが、そしてユオンが、壁を背にして客の方を向いて並んで立ち、オレのほうをちらっと見た。


 準備はOKだ。オレは右手の親指を立てて、三人に合図を送った。


 ――さあ、ショータイムの始まりだ!


「「「ワンツースリー」」」


 三人が声を揃え、タイミングを取って、かかとを鳴らし始める。

 そして、三人のハモった声が店内に響き始めた。


「「「トゥー ルールールー ……」」」


 先程までの喧噪が急速に収まっていき、すぐに聞こえてくるのは彼女たちの声だけになる。


「「ドゥ ドゥ ドゥ タタン タンタン ……」」


 ファムとラヴィのボイスパーカッションがハモる中、二人の間に立っていたユオンが一歩前に進み出る。


 ユオンが勢い良く腕を大きく広げ、そして同時に彼女の声が歌となって客たちに向かって放たれる。


「青い空を 駆け巡る 二人の想いは 今

 空を超えて 時を超えて 輝く 光と風と共に

 どこまでも 高く 遠くへ」


 さらにファムが一歩進み出て、ユオンに並ぶ。


 目を閉じたファムから放たれる声もまた、ユオンに劣らぬ声量で店の中を響き始める。


「わたしの 指先を つかむ あなたの手に

 わたしの 心が 震えている」


 続けてラヴィの歌声も流れ出す。


「互いの 心の中の プロミスを 信じて いいのかな

 今 小さな 小さな 勇気を この胸に ……」


 さらにラヴィも一歩足を踏み出し、二人に並んだ。


 今ここには、ドラムやギターなどの楽器なんか一切無い。

 さらにマイクも無ければ、スポットライトだって無い。


 彼女たちのリズムを持った声だけが、歌だけが店の中を、そして開かれている窓を通して外へと響き渡る。


 オレは、彼女たちの歌声を聞きながら、店の中を見渡した。


 わずかな灯りに浮かび上がる彼女たちの姿に、客たちが釘付けになっている。

 誰も、何も言わず、ただただ彼女たちを見つめていた。


「「「この想い 遥か彼方 駆け巡れー」」」


 三人の声によって奏でられる綺麗なハーモニーが、音の奔流となって店の中を、客たちの間を駆け巡る。


 そうだ。


 これが、オレが考え付いた最終手段だ。


 美少女獣耳娘メイド隊によるアニソンアカペラライブだ!


「わたしたちが 出逢えた その奇跡が

 モノクロームの 世界を 色付けていく

 大切な その願いを 抱きしめて ……」


 ファムとラヴィが歌いながら、ユオンの周りをゆっくりと一周する。


 この世界に既にある音楽をオレは分かってはいないが、リオに聞いた限りではアニソンのようなタイプの歌は無いそうだ。


 それはそうだろう。逆にあると言われたらびっくりするよ。


 ならば、これが、この世界初のアニソンライブだ。


 そして、きっとこれは、そう簡単には真似はできないハズだ。


 美少女を揃えることはできるかもしれない。

 メイド服を揃えることもできるかもしれない。


 でも、きっと、こういう歌を作って歌わせることは、そう簡単にはできないだろう。


「震える わたしの声を 遮るように そっと指が 絡み合う

 あなたの唇に 視線が 離せなくなる

 勇気を ちょうだい

 あなたの近くに いたいよ いつまでも ……」


 だから、きっと、これに関してはオレの独壇場だ!


 ふっ。アニソンなら任せろ!


 オープニングやエンディングだけじゃないぞ。


 某銀河の妖精が歌っていた曲だって、

 某学校の危機に立ち上がった九人の女神たちの曲だって、

 某イヌ耳歌姫のコンサート曲だって、

 某学校一の変人で不思議大好き美少女が文化祭で歌った曲だって、

 某死後の世界での陽動担当ガールズバンドの曲だって、

 その歌詞はちゃんと頭の中に入っているんだ。


 それ以外にも、オレのスマホの中には厳選した五十曲余りのアニソンが入っているんだ。


 これに関しては、この世界でオレに敵うヤツはいないハズだ。


 そうだ。ならぶ者無し、まさに無双だ!


「あの日 あなたが 言ってくれた 

 優しい 言葉が 絆へと 変わる

 そして 煌めく 強い 想いとなっていくの

 確かに 心重ねる その瞬間ときが きっと今だね

 そう信じて いいよね ……」


 三人が曲のリズムに合わせてゆっくりと中央に集まる。


 三人で背中を合わせ、上を向きながら、両手で自分を抱きしめ、そして最後のパートをハモらせた。


「「「愛してる~」」」


 歌の終わりと共に、三人が最後のキメのポーズで動きを止める。


 こうして、歌が終わり、静寂が店の中を包み込む。


 さあ、どうだ、客の反応は?


 向こうの世界なら、日本ならいざしらず、こちらの世界でもこの音楽はイケるのか? それとも……


 いやいや、そんなことない。大丈夫だ。大丈夫……なハズだ。


 まだ沈黙が続いている。


 おいおい……


 まだ誰も何も言わない。


 おいおいおい……


 少し、ほんの少しだけ心配になってきた。


 ここ二日、夜だけではあるが、あれだけ練習してきた。

 三人とも初めてのことだったろうに、オレの指示に最後までついてきてくれた。


 今だって、練習の成果は十分に発揮できた。

 いや、むしろ練習していた時よりずっとうまくできていた。


 なのに、まだ静寂が続いている。


 オレは別室のほうに視線を向けたが、ここからではアダン達の様子は分からない。バスカルのほうを見ると、彼は窓枠を両手で掴み、口を開けて獣耳娘メイド隊をただ見ているだけだった。全く動かない。


 まさか……ダメなのか?

 こちらの世界では、この音楽はウケないというのか?


 そんなバカな!


 美少女三人組による生歌だぞ?

 あんな可憐なメイド服を着た獣耳娘による生ライブなんだぞ?


 ウケないわけないよな? な?


 オレは暗い客席を、目を凝らしてさらに見渡した。


 誰も動いていない。皆、石化でもしてしまったかのように動かず、しゃべらず、ただ三人のほうを見ている。


「あ、あの……みなさん?」


 沈黙に耐えられなかったのか、ユオンが一歩進み出て、客に声を掛けた。


 その途端、客たちが我に返ったかのように一斉に動き出した。そして……


「「「お……おお……」」」


 ――おっ!


「「「おぉぉぉおおお……」」」


 ――おおっ!


「「「うおぉぉぉおおおおおおおおおお!」」」


 ――おおおっ!


 客たちの雄たけびが上がった。


 その声は王都中に響き渡ったという……というのはもちろん冗談だが。

 そう言ってもおかしくないんじゃないかと思う程の雄叫びだったよ。


 さらに客たちは次々と興奮と感動の声を上げていっている。


「なんだこれ、すげーぞ、すげーぞ」

「こんなの見たことねぇよ。な? なあ?」

「何今の、何今の。うおぉぉぉおおお!」


 よしよしよし!

 好評だ、大好評だ。

 大成功だ。


 オレは思わず右手を胸の前で強く握りしめた。


 客たちの興奮はまだまだ収まらない。各自が次々に大声で思い思いの言葉でその興奮を口にしている。それだけではなく、今歌った獣耳娘メイド隊の面々に対しても賞賛の声を掛け始めていた。


「ユオンちゃーん、滅茶苦茶可愛いよー」

「ラヴィちゃーん、オレと結婚してー」

「ファムちゃーん、すごかったよー、感動したよー」


 ……なんか一部、聞き捨てならないセリフがあるな?

 まあいいだろう。感動のあまり思わず口にしてしまった戯言としておこうか。


 三人は、次々と贈られる賛辞に手を振って応えながら、店の灯りを再び灯して回っている。


 ファムとラヴィはひどく照れくさそうだ。それに比べて、ユオンは割と平然としている。だって、手を振るだけでなく、ウインクに、さらには投げキッスまでしているんだから。


「これが、あなたの奥の手ってわけね」


 オレの後ろからそう声を掛けてきたのはバスカルだ。

 窓枠に頬杖をついてオレに視線を向けている。


「ああ。楽しんでもらえたかい?」

「楽しむというより、まず驚いたわ。こんなパフォーマンスなんて、見たことないわよ。あの可憐なメイド達の膨大な量の絵にしてもそう。あなた、一体何者なのかしら?」


 バスカルは口元に笑みを浮かべながら、興味津々といった視線と言葉をオレに向けてくれたが、オレはそれを肩をすくめて返した。


「ただの旅する新人ハンターだよ」

「……ふーん。ま、そういうことにしておくわ」


 そう言ってバスカルは、麦酒を飲み干した。


 バスカルに麦酒のお代わりを持ってこようかと思った時、喧噪の中からオレを呼ぶ声が聞こえた。


「トーヤ!」


 振り向くと、ユオンがオレの名を呼びながら、両手を上げて駆け寄って来る姿が見えた。


 ん? ハイタッチか? へぇ、こっちの世界にもあるんだ。


 そう思って、オレは両手を頭の高さまで上げて、ユオンを迎えようとした。

 だが……


 ――えっ!


 ユオンはオレと手を合わせることなく、オレに抱きつき、顔をオレの胸に埋め、そのまま両手でぎゅうとオレを抱きしめた。


 途端、オレの思考が止まる……


「「「……ああああああっ!」」」


 ほんの一瞬だけ静寂となり、続けて客たちの悲鳴にも似た大声が上がった。

 そんな中で一人口笛を吹いたやつがいるが、きっとバスカルだと思う。


「な、な、な、何やっているの! ユオーン!」


 まるで皆を代表するかのようにラヴィの非難の声が向けられたが、ユオンは特に慌てることも無く、平然とそれに応えた。


「いいでしょ、これくらい。頑張ったご褒美に、さ」


 オレの胸に埋めていた顔を上げ、ラヴィのほうを見ながらそう言うユオン。


 オレは……オレは……どうすればいいんだ?

 オレの、この行き場を無くした両手は、どうすればいいんだ?

 それに、これ、どういう状況?

 えっと、えっと……


「それに、こういうところを見せておけば除けにもなるしさ。それくらい、いいでしょ? ね?」


 ユオンは、オレにだけ届くくらいの小声でそう言って、オレを見上げながらウインクしてきた。


 オレは、釣られて思わず頷きそうになる。


 いや、ちょっと待て。

 今これ、頷いてしまっていい場面か?

 えっと、えっと……

 ダメだ。思考が止まっている。頭が働かない。


 未だユオンの両手がオレを抱きしめていて、

 ユオンの体がオレに密着していて、

 ユオンの顔がこんなに近くにあって、

 ユオンのイヌ耳がオレの目の前でとても可愛くピコピコしていて、

 ユオンのなんかちょっといい匂いがしていて……


 あれ?

 どうしてこうなったんだっけ?

 えっと、えっと……


「ちょっ!? ちょっと離れなよ、ユオン! それじゃ、むしろアンタがでしょうが!」

「ま、失礼ね」


 あんな小さなユオンの声だったが、さすがラヴィには聞こえていたようだ。


 だが、それでもユオンはオレから離れようとはしない。

 むしろ抱きつく腕に、さらに力が込められた様な……


「か、仮面はどうしたのよ! 仮面が完全に外れているじゃない!」

「トーヤが外せって言ったんだもん」


 あ、うん。それは確かに言ったかもしれない……


「それは! 歌っている間の話でしょ。歌うのは終わったんだから、付けなさいよ」

「何ムキになっているのよ。あなた達、別に夫婦でも、将来を誓い合っているわけでも無いんでしょ? なら問題無いじゃない」


 えっと……問題……無いんだっけ?


「問題大ありよ。トーヤさん、困ってるじゃない」

「あら。そんなことないわよ。ね、トーヤ?」


 そう言って、再びユオンはオレを見上げながらウインクしてきた。


 か、可愛い……


 って、いやいやいや、そうじゃなくって!


 ようやく回転をし始めたオレの思考が、危険信号を放っている。


 マズい。今のこの状況はマズい。とてつもなくマズい。


 ラヴィももちろんだが、その後ろに控えている客たちの、鋭く殺気にも近い視線がとんでもなく怖すぎる。


「へえ、あのユオンがねぇ。やるじゃない、トーヤ」


 あの、すみませんが、黙っててもらえませんか? バスカルさん・・


『何やってるのさ、トーヤ。そこは抱きしめ返してあげるとこでしょ?』


 リオおまえはもっと黙ってろ!


 なんとかこの状況を打破すべく口を開いたその時、オレが声を発するより早く、後ろから一言ぽつりと漏らした声が聞こえた。


「……よかったわね」


 ファムの抑揚のない声が、冷ややかな目が、その視線が、オレの思考を再び凍てつかせる……ような気がした。


 ううう……

 どうしてこうなった……


いつも読んでいただき、ありがとうございます。


えっと、この話は七千文字超えてしまってますね。

間違いなく今までで一番長い話になってしまったと思います。

いつもは三千~四千くらいになるようにしているのですが……

ごめんなさい。

この話だけは分割したくなかったので、このまま投稿させていただきました。


いつもの倍近い長さにもめげず、最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


内容はいかがでしたでしょうか?

こういう無双もアリですかね?

第二章は燃える無双、第三章は萌える無双、なんて(笑)


できましたら、ほんの一言でも構いません、御感想をお聞かせ頂けると嬉しいです。

投稿じゃなく読了ツイでも嬉しいです。

よろしくお願いいたします。m(__)m


次回、第三章最終話「71. ある晴れた日のこと」

お見逃しなく~


引き続きどうぞよろしくお願いします。


2017/12/16 追記

sbnbさんにファンアートを頂きました!

獣耳娘メイド隊だぁあああ!!!

挿絵(By みてみん)


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