第二話
第二話
翌日
「あ?あの子に聞くのか?」
ノアは驚く
それもそのはず昨日格納庫ではしゃぐカイルを叱った同じ1年生の少女ーーエリス・フェルナーだった
「やめとけ、昨日のせいでおまえ、ヤバいやつって思われてるさ」
とノアは言うが
「あ、ちょ…!」
とノアが止めるのも聞かずカイルは歩いて行くのだった
「エリス・フェルナーさん?」
と声をかけるカイル
彼女は振り返り、カイルの顔を見る
「……昨日の子ね。何か用?」
とエリスは言うと
「実は、騎装機の内部構造について知りたくて…君が詳しいって聞いたから教えてもらえないかなって」
カイルは丁寧に尋ねる
「なるほどね、けど、それなら3年生でもいいじゃない?」
「それが、見当たらなくて…」
とカイルは言うと
「……なるほどね」
「質問の内容自体は悪くないわ。
でも、相手を間違えてる」
「私はまだ、あなたを信用してないから」
エリスはそう冷たく言い、近くで聞いていたノアもため息をつく
「……信用してほしいなら、行動で示しなさい」
エリスはそう言いかけて、ふとカイルの手元を見る。
「……それ、何?」
「騎装機の関節部なんだけど、
アーセナルのもだけど炉からの力がもっと加われば力が出るんじゃないかなって」
エリスは一瞬だけ、目を細める。
「……発想は悪くないわ」
そう言ってすぐに視線を戻す。
「でも、だからこそ今は教えない。それを“形にできるか”を見てから」
そう言われ、カイルは頷く
「分かった」
それから翌日
「あ、エリスさん!」
校舎内を歩いていると後ろから声をかけられる、しかし誰かと思う前にその声で正体がわかる
「……またあなた?今度は何?」
するとカイルはあるものを差し出す
「……?これは……武器?けど杖なの……?これ」
それは魔法を使うために使用する魔道具とは少し形が異なっていた
「あぁ、魔導射出具と仮に呼んでるんだが術式がすでに刻印された球が装填されてて、魔力を流して引き金を引くだけでアイスショットもファイアショットも撃てるものなんだ」
と淡々と語るカイル
「……面白い武器ね……けど、まさか私にこれを作れっていうの?」
エリスは首を傾げる
「ダメかな?」
とカイルは尋ねるが
「……そうね、面白いけど私があなたにこれを作ってあげる理由はないわね」
とエリスは答える
渋々廊下を歩くカイル、その後ろにいたノアは言う
「お前少し遠慮しろよ、流石にあちらさんもそろそろキレるぞ?」
そうノアは言うが
「……仕方ない、家の鍛冶師に相談するか…」
と全くノアの話を聞いていないカイルなのだった
カイル達の去ったあとエリスへ話しかけにくる彼女と同じ整備士志望の候補生がいた
「カイル君、毎日来るわね?」
一人が言うと
「困ったものね……けど、間違ってはないわ、現場でふざけるのはうちの工房にはいなかったし、父もそういう人は嫌っていたもの」
と淡々と語るエリス
すると別の候補生が口を開く
「けどカイル君、頭も身体能力も凄いってよ?家も王家認可の騎装機所有許可の出てる貴族らしいし、そんな家の人に目をつけてもらえているなんて羨ましいわ」
と言うと
「……そこよ、私そういう理由で近づいてくる人とは関わりたくないの、良かったら紹介する?」
とエリスは少し声色を強めて言う
そんな彼女を見て候補生達は少し困惑するのだった




