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第一話『魔王再誕』

せっかくなら、なろうっぽい話を描きたくなったので。文章が稚拙ですがお許しください。

―魔王城

燃え盛る炎の中を突っ切って、焦がれ続ける自身の肉体をも気にすることなく勇者ミラノは魔王に切りかかる。

「食らえっ...!!神聖なる斬撃(セイント・スラッシュ)!!」

一般人じゃ目に追えないような速度ではあるが、全ての魔物を従える魔王は、その攻撃をなんとか避ける。が、すかさずそこに強力な魔法攻撃を行う。

「見えてんだよっ!!お前の動きは!!炎魔法―滅却の劫火(ヘブニアッシュバーン)

勇者パーティの魔法使いハノイから放たれた強力な魔法は、勇者の剣でしか直接的なダメージを食らわないとされる魔王ですら、怯み、壁際まで飛ばされるほどであった。

「これで魔力は出し切った!!ミラノっ!!決めてくれ!!みんなの分までっ!!」

「ああ、決めるっ...!!」

彼らは、既に仲間を二人を失っている。戦士ジャワルダは魔王の技からハノイを庇うため、僧侶リンは魔王の必殺技を、僧侶の扱う神聖な力で相殺するため、パーティ全員を庇って。残された二人は、散っていった仲間のために最後の力を振り絞る。

「これでトドメだっ!!魔王っ!!神聖なる斬撃(セイント・スラッシュ)!!!!」

ハノイの魔法による炎で、ハノイ本人は上手く見えなかったが、勇者は迷わず魔王のいる所へ斬りかかった。ハノイの魔力は切れ、魔法によって生み出されていた炎が消える。

「く、くそっ...」

ハノイが希望の光を見た時、絶望が彼の瞳を突き刺した。

「な、なんでっ...ミラノっ!!!」

煙の晴れた先では、魔王の片腕が、ミラノの腹部を貫通している光景が映し出された。ミラノの口から悔しさと怒りと血が混じって吹き出た。ミラノの身体は震え、死んでも離さんと握っていた勇者の剣すらも、鈍い音を立てて地面に落としてしまう。

「人間如きが我に打ち勝とうなどっ...!!一万年はやいわぁっ!!このまま殺してやるっ!!勇者ミラノっ!!」

「ミラノっ...!!ミラノっ...!!」

ハノイは力を振り絞り、魔王に向かって走り出す。自身の魔法に使う杖をも投げ捨てて。

「魔王ぉぉっ!!!!」

ミラノの腹部を貫いていない方の腕は、ハノイの魔法を防御したことにより、上手く動いていない。ハノイは一途の望みをかけて魔王に向かう。もはや魔力のない魔法使いにはななもできないと思っている魔王は、ハノイを気にせず、ミラノの胴体の中で指を動かし、傷を広げる。

「さぁ、終わりにしよう勇者ミラノっ!!人類の希望と言われたお前でも!!我には敵わないっ!!人間どもへの最初の手土産にしてや...っ!?」

突如、魔王の腹部から大量の血が吹き出る。

「な、なんだっ...?」

ミラノが持つ勇者の剣は、選ばれた者にしか全力の力を使わせてはくれない。だが、力が弱まっているとはいえ、勇者の剣は勇者の剣。ミラノが落とした勇者の剣を拾い上げ、最後の望みとばかりに、ハノイは魔王の弱点へとそれを突き立てた。

「ゴホッ...!!お前ぇっ...!!」

「くらぇっ...!!神聖なる斬撃(セイント・スラッシュ)...!!!」

完全に見よう見まねで、そのまま魔王の弱点を斬る。


ハノイの一撃は、魔王に届いた。全力ではないが、勇者の剣によって切り裂かれた魔王肉体は、魔力を放出しながら崩壊していく。

「おのれっ!!おのれぇっ!!!何故我がお前たち人間なんかにっ!!」

ハノイは無言で魔王を睨む。

「だが忘れるなっ!!私は死なないっ!!必ずやこの世界に復活して今度こそお前ら人間共を根絶やしにしてやるっ!!その時まで首を洗って待っておけっ!!ははっ!!はぁっはぁっははっ!!!!」

魔王の力をうち消そうとするために、勇者の剣は魔王と共に魔力の粒となって消え去った。光と静寂が包む魔王城の中には、3つの死体と、一人の少年だけがあった。

「勝った...勝ったよみんな...。」

少年はうなだれ、涙と共に気絶するのだった。


―――十年後 王都マジョリアル


「...と、言うわけで魔法を上手く使うには空気中の魔力を感知することが大切なわけだ。わかったかな、みんな?」

『はーい!』

今日も子供たちは元気だな。みんな楽しそうに話を聞いてくれて嬉しい。

「せんせー!今日は魔王討伐記念日なんですよねー?」

生徒の一人が俺に話しかけてくる。

「あぁ、そうだよ。十年前、偉大な勇者ミラノが魔王を討伐して世界を平和にした日。みんなはまだ生まれてなかったかな?」

「オレはママから話聞いたぐらいしか知らないぜー!」

「ワタシもワタシも!」

「あはは、そうかそうか。でも、みんながこうやって幸せに授業受けられるのは、勇者ミラノのおかげなんだよ。だから、今日という日をみんなも忘れないでね。それじゃ、今日の授業は終わり!」

『はーい!』


コツコツ...


俺は屋上に向かいながら思い出す。

魔王討伐記念日。十年前、俺たち勇者パーティが世界の半分を支配下に置いていた魔王を打ち倒した日。

...まぁ、その勇者パーティでは俺しか生き残ってないんだけどな。

屋上のベンチに腰をかけて、俺は街を眺める。そこそこの高さのあるこの学校からなら、ある程度街が見渡せる。たった十年前まで魔王がいたとは思えないほど綺麗な街。この街も魔王軍による侵攻を受けてほぼ半壊していたが、多くの人達が協力してかなり復興された。そのお陰で、教育設備まで整っている。このまま世界が平和になれば、みんな浮かばれるかな。唯一残った俺にできること、もっと考えないとな。

「あら、ハノイ先生こんなところで奇遇ですね。」

「ああ、ヨルダン先生。こんにちは。」

「物思いに耽っているように見えましたが、なにか考え事ですか?」

同僚で二歳年上のヨルダン先生が話しかけてくる。

綺麗に整った長い黒髪からのぞく吸い込まれるような瞳。そんな目に見つめられて、俺は少しドキッとしてしまう。

「あはは、ちょっと昔を思い出してて。」

「昔、ですか?」

「はい。」

「もしかして、ハノイ先生も魔王軍に大切な人を亡くされた...とか?」

「えぇ、まぁ...そんなところです。だからみんなを守れるようにって魔法を鍛えてたんですけどね。」

「なるほど...ハノイ先生の魔法の強さの秘訣はそこなんですね...。やはり、ハノイ先生は凄いですね。生徒たちのお手本のようです。」

「そう言って貰えて嬉しいです。僕は教えるのが下手ですし...。ただ、無駄に魔法を鍛えてた訳じゃないって思いたくて。」

「そうですか...。実は私も似たような口なんですよ。でも、残念ながら私には魔法も武術の際の才能もなかった。」

少し残念そうに顔を下げるヨルダン先生は、普段の冷静でなんでもテキパキとこなす完璧人間とは印象が違った。

「...っと、こんな暗い話はするものではないですね。すいませんハノイ先生。」

「いやいや、気にしないでくださいよ。子供たちからすれば産まれる前の出来事ですけど、僕たちからすれば本当につい最近のことのように思い出しますからね。」

「...そうですね。」

気まずい。話題を変えないと...。

「...あ、そうだヨルダン先生。お昼ご飯一緒に食べませんか?今日は魔王討伐記念日で、これから先は授業ないですし...。」

「...ふふ...。そうですね...。行きましょうか。」

彼女の控えめな笑いは、俺の心をドキッとさせる。俺はこんな気持ちになってはいけないのに。

「そういえば私、城下町の方で美味しい料理屋さんを見つけたのだけど、そこに行かない?」

俺はなんで...なんで俺は...。

「...あの...先生?ハノイ先生?」

「...あっ...ごめんなさい、考え事しちゃってて。」

「ハノイ先生から私を誘ったんですから、ちゃんと話聞いてください。」

「あはは...申し訳ないです...。」

「...そんなに怒ってないですよ。それで、話戻しますけど、城下町の方に美味しい料理屋さんを見つけたので、そこに行きませんか?」

「あぁっ...!!いいですね。」

「それじゃあ、早速行きましょ?お昼時ですから、早く行かないと混みますよ?」

「そうですね。」

―料理屋に向かう途中、何度か帰っている生徒などに会ったりしながら、俺はヨルダン先生と一緒に歩いていた。

「あー!ハノイ先生とヨルダン先生一緒に居るー!もしかして、かっぷるってやつー?」

「先生をからかうもんじゃないぞー!」

「あははー!ハノイ先生怒ったー!こわーい!バイバーイ!」

「はいはい、気をつけろよー!」

子供の言うことに俺はいちいち心が揺れ動かされる。こんな幸せな時間、俺は過ごしていいのだろうか。

「...やっぱり子供は元気な方がいいですね。あの子は少しマセてますけど。」

そんなことを言うヨルダン先生の横顔に、俺はどうしても目が離せなかった。


「...っていう事があったんです。ごめんなさいね、せっかく話を切り替えるためにお昼ご飯の話にしてくれたのに...。」

「...いや、僕こそ、辛い話をさせてしまって申し訳ないです。」

ヨルダン先生と料理屋についてから、俺たちは二人でご飯を食べながらヨルダン先生の話を聞かせてもらっていた。魔王が打ち倒される数ヶ月前、十九歳だったヨルダン先生は、魔王軍の無差別魔法攻撃により、住んでいた村ごと焼き払われて母親と共に王都に逃げてきたらしい。しかし、母親は子供のヨルダン先生を生かすため、少ない食料も水も与えていたため、王都にちょうど着いた頃に、気が抜けたかのようにそのまま死んでしまったと。

「...だから、私は魔王が許せなかった。でも、その数ヶ月後に魔王が倒されたって知ってさ...。嬉しかった、嬉しかったけど。」

ヨルダン先生は一息置いてから続ける。

「...私、本当に最低なのはわかるんだけど...。勇者パーティも...その時少し恨んじゃってた。」

「っ...。」

「あと数ヶ月早く倒してくれてれば、私のお母さんは死ななかったのにって...思っちゃった...。」

「あはっ...あはは...。」

「本当に最低なのはわかってるんだけど...どうしても、どうしてもその時の私は勇者パーティのメンバーに文句を言いたかった。みんなは英雄だってはやし立ててたけど。その時の私はバカだったからさ。」

そうだ、俺は...。

「でも、後から知ったんだ。勇者パーティのメンバーはみんな私より年下で、()()()()()()()ってことを。」

「...そうだったんですね...。」


そう...勇者パーティで唯一生き残った俺、ハノイも他のみなと同じように、世間だと死んでいるという事になっている。答えはただ一つ。それは、俺が弱いからだ。

そう、俺が弱いから。俺が...俺が...俺は...。


―ドカンッ..!!!


「なにっ!?むぐっ...!?」

『なんだなんだ!』

『テロかっ!?』

突然、店の中で爆発が起こり、店の外壁は壊れ、周りにいた数人は店の壊れていない壁に吹き飛ばされた。俺は反射でヨルダン先生を抱き抱えてしまった。

「先生、大丈夫ですかっ?」

「あ、ありがとうハノイ先生...ただその...少し恥ずかしいわ...。」

俺は一瞬思考停止した後、すぐに手を離す。

「ああっ...!!ごめんなさいっ!!」

「いえ...別に...。」

「それよりも...。」

俺は爆発の中心を見る。そこには、中心に紫の宝石のようなマークの着いた黒いローブを深く被った人間がいた。そいつは狂ったように笑い出す。

「キヒッ...キヒヒッ...!!ついにっ!!ついにだっ!ついに魔王さまが復活するっ...!!」

『なんだお前!店で攻撃魔法を使うなんて!』

『こんな日にそんなこと言うな!不謹慎だ!』

周りの人間がそいつに向かって色々と文句を言う。しかし、そいつは気にもとめない様子で気味の悪い独り言を言い続ける。

「キヒヒッ!!!魔王様万歳っ!!魔王様万歳っ!!」

「お前!いい加減にしろ!」

店主がそいつに向かって歩き出し、肩を掴む。

「迷惑行為を働きやがって。王国軍にとっ捕まえて―」


ボンッ!!


突如、そいつの放った魔法が、店主の顔の半分を消し飛ばす。

「キヒヒッ!!魔王様が復活したとき少しでも減ってた方がいいよなぁっ...キヒヒッ!!」

『き、キャー!!!!』

『うわぁっ〜!!』

『魔法テロだぁっ〜!!』

そいつが魔法を打った瞬間から、みんなが逃げ惑い始める。俺はすぐさま杖を抜き取り、そいつに魔法を放った。

劫火(バーン)!!!」

逃げ惑う人々に当たらないように、かつ気味の悪い男を殺さない程度の威力で放つ。

「ぐへぇぁっ...!!!あちぃっ!!!何すんだクソ野郎ぅっ..!!!」

俺の魔法でローブごと燃えている気味悪男が指をこちらに向けて魔法を放とうとする。

「吹き飛べよっ!!!」

しかし、それよりも早く、オレは一気に間合いを詰めた。人混みにある少しだけの隙間を通り抜けて。そして、至近距離で魔法を放つ。

劫火(バーン)!!!」

今度はそいつの服を一瞬で燃やし尽くした。俺はそいつの首を軽く締め、さらに両腕を固定して、拘束した。

「離せよぉっ!!!さわるなぁっ...!!」

「黙れっ!!突然暴れて人を襲っておいて...」

「うるさいよぉ〜〜んっ!!全ては魔王様の為にぃっ...!!!キヒヒヒヒヒヒッッ!!!」

つくづく気味の悪い男だ。早く気絶させて店主に回復魔法を使わないといけない。


―この世界で魔法を使う時、魔力の起こりが存在する。それは強い魔法使いであればあるほど相手の魔力の起こりを早く感知したり、相手に自分の魔力の起こりを悟らせないために小さくなったり、魔力の起こりが発生してから、魔法本体を使うまでが早くなったりする。この起こりは、強力な魔法であればあるほど大きく感じる。


―なんだっ...この魔力量はっ...俺は咄嗟に防御魔法を展開する。

「もういいやっ...!!!お前ごと吹き飛ばしちゃぇっ...!!」


ドーンッッッ!!!!!

辺りに響くほどの、大きな爆発音が聞こえた。

気が向いたら更新します。

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