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ガイブス魔法学院生活



「ルナ、次の授業は、中庭だよ!早くいかないと遅れちゃう」


「あーリリー待って、あと少しでできそうなの」

急いで中庭に行くと、ガイブス先生を中心に生徒の輪ができていた。

私とリリーは、こっそりその輪の後ろに加わった。


「ルナ。遅刻だよ」


「すみません。ガイブス先生」

私は小さく頭を下げた。

ガイブス先生は19歳にして、魔塔の管理者であり、ガイブス魔法学院の特別講師

くせのある黒髪に濃い紫の瞳、かなりの美丈夫で、次期公爵となるお方だ。


「今日は魔力のコントロールを訓練しよう、まずは具現化。虫でも鳥でも何度もいいから小さな飛ぶものを連想して作ってみて」


ガイブス先生が両手を前にだし、右手が上左手が下にボールを包み回すみたいに手を動かした。


「魔力の多さで大きさは異なり、できる物も様々だが上達すれば大きさもコントロールできる」

ガイブス先生が話す間に、手の間に炎の塊が生まれみるみるオウムくらいの大きさの、火の鳥が出来上がった。

火の鳥はひらりと舞い上がり、なぜだか私の肩にとまる。


「さあやってみて、手の中に具体的に作りたいものをイメージして」


私は同じように手を動かし、鳥をイメージした。

だんだんと手が暖かくなり、ピンク色のバスケットボールくらいの塊ができ、ボンとはじけたと思ったら

鶏サイズのピンク色のシマエナガが生まれた。

シマエナガは私の手を離れ、ガイブス先生の頭にとまった。


「きゃあ先生すみません。こら戻ってきて」

シマエナガはすまし顔で、先生の頭にとどまったまま。


「大きなシマエナガだね。作り出したものは魔力の相性に引き寄せられる、私の火の鳥がルナに引き寄せられた様に」

ガイブス先生の紫の瞳に見つめられ、耳まで赤くなった。

「先生と魔力の相性がいいんですね。   嬉しいです」


先生の火の鳥が私の頬を突いた。

「ルナ見てみて、私の蝶々奇麗でしょ」

エメラルドグリーンのキラキラした蝶が私の前を飛んでいく。


「やだ。ロイの肩にとまった」

「魔力の相性に引き寄せられるみたいよ」

ロイとリリーは幼馴染だ、いつも好きなことを言い合っている。

本人たちは仲が良くないと言っているが、遠慮なく話せる相手がいて羨ましい限りだ。


「おい。俺のカマキリ返せ」


「もう。私が取ったんじゃないわよ!大体なんで飛ぶものでカマキリなのよ!」

青いカマキリがリリーの頭に乗っている。

「本当に仲がいいわね」


「「 仲良くない!!」」

返事までばっちり一緒だ。私たちは3人で笑いあった。

少しすると魔力量に応じて、具現化したものはぱちんと音を立てて消えた。

ただ私の肩にいる火の鳥は、インコほどに小さくはなったが私の肩に居る。

私のシマエナガも先生が魔力で大きさをコントロールして手乗りサイズになり、先生の肩に乗りついて行ってしまった。

「きっと。私の魔力じゃもうすぐ消えちゃうわよね。でも先生と相性がいいなんて嬉しい」

また火の鳥に頬を突かれた。

少しすると火の鳥は私にしか見えなくなったけれど、いつも一緒にいてくれる。ガイブス先生に守られているようで心がポカポカした。



仲間とともに、知識、技術を磨く学院生活は充実し、季節はどんどん流れていった。


◇ ◇ ◇


私たちは17歳の最終学年となっていた。


「ルナ卒業したらどうするの?首席だもの魔塔に入ることもできるんじゃない?」

私は小さく笑って俯いた。


「私も魔道具を作る仕事に携わりたいし、まだまだガイブス先生に教えて貰いたい事がたくさんあるわ」


「あー。あの婚約者?別に直ぐに結婚しなくてもいいんでしょ?」


「そう悪く言わないで、とてもやさしくしてくれるのよ、でもなんだか彼の笑顔を見ると胸の奥がぎゅっと痛むの」


「そんな人と結婚なんてできるの?」


「きっと私が人見知りだから、近くで過ごしていなかったせいでなれないだけよ。大丈夫」

私は不安を振り払うように勢いよく立ち上がった。

肩の火の鳥が優しく私の頬を突いた。


小さな心配はあるものの私たちは卒業を迎えた。

卒業式は、ガイブス魔法学院とダイアン様の通う貴族学院で合同開催される。



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