059 ここまで登場した魔法など
基礎的な設定
大気に含まれる魔力を体内に取り込み、それを消費して使用する。魔法に対する適性、つまり魔力の含有量(MP)、抽出量(大気中の魔力を取り込む力。魔力の回復速度)、魔法レベル(一度に放出できる魔力。魔法の威力)などは訓練より素質によるところが大きく、また同じ術者でもそれぞれの魔法の適性にばらつきがある(火炎系は強力だが氷系は使えないなど。一発の威力がでかい反面、牽制の小技的な魔法は苦手なリーズが典型)。発動には強い集中力が必要となるため、同じ術者でも体調不良や心の動揺があると発動が遅れたり威力が弱まることも。その威力も一般的なファンタジー小説に比べて弱く、瀕死から一瞬で元気になる回復魔法や、大陸を消し飛ばすような攻撃魔法は存在しない。おおよそのイメージは、「現代の科学や医学で実現できる範囲を大きく逸脱しない」感じ。
どこで使える?
基本的にどこでも使えるが、ダンジョンには魔法が使えない結界が張られた場所もある。また、精霊の力によって威力が増減(火の精霊の力が強い場所だと炎系は強化、氷系は弱体化など)する。法的な意味でいうと、市街地や森林では非常時や許可された場合を除いて攻撃魔法、とくに火炎系はご法度。
誰がどの魔法を使えるか
リーズのシールドなど各人の得意技はあるが、基本的に話の都合重視で書いているためテキトー。以前エッセイで書いたが、娯楽作品において重要なのは細かい辻褄よりその場のノリというのが私のポリシーだ。作中の理由をこじつけるなら、一度に装備できる魔法の数には限りがあり、以前使った魔法を使わないシーンではたまたま他の魔法を装備してる、とかだろうか。
詠唱について
文章のテンポや読みやすさを優先して、魔法の名前を言ったり言わなかったりとこちらもいい加減。魔法はイメージって言うから、詠唱はしてもしなくてもいいんだろう。
魔法と魔術
漠然とだが、本人だけで即座に発動させられるのを魔法、マンドラゴラやイモリの尻尾など触媒となるものが必要で、儀式に時間がかかるものを魔術と呼ぶ、なんて設定も考えてる。ただ本作は主人公が剣士なので、たぶん詳しい描写は出てこない。
━━━━━
マジックミサイル
光の弾を飛ばす。威力はプロの投手が投げた野球のボールくらいで、頭を直撃でもしない限り人間を一発で倒すのは無理。反面、発動が早く弾速にも優れるため牽制に最適。難易度は高くないらしく、格ゲーの飛び道具のノリで多くのキャラが使用。練度上昇時の方向性は同時発射数増加、曲がるなど人によるが、威力や弾速に天地の差はない。
ファイアーボール
火の玉を飛ばす単体攻撃魔法。多くのキャラが使う基礎的な攻撃魔法だが、それだけに術者のレベルがもろに出る。ファイヤーボールになってることもあるかもだが、単なる表記揺れで意味や効果は変わらない。
ファイアーウォール
炎の壁を作り出す。そのままの位置に留まらせて足止めしたり、移動させて複数の敵を攻撃したりする。これもオーソドックスな攻撃魔法で、やはり練度の差がものを言う。当たり前だが、狭い場所で使うと自分も巻き込まれるので注意が必要。これは他の攻撃魔法も同様で、魔法使いは強力な魔法さえ使えればいいという訳ではなく、最適な選択をする判断力が重要なのだ。
ファイアーブレイド
炎系魔法の変わり種。剣などの武器に炎をまとわせ、一時的に攻撃力を高める。作中で木剣が燃えなかったことからも分かるように、魔法の炎なので剣が痛んだりはしない。
フリーズ
氷系統の攻撃魔法。劇中描写を見る限り、大気中の水分を集めて凍らせるようだ。これに限らず冷気系の魔法は、攻撃だけでなく川を凍らせて渡ったり、周囲を燃やしたくない場所でも使えるのがありがたい。飲食物を冷やすなど日常でも役立つ。
ブリザード
氷系統の攻撃魔法が手持ちの資料だとこう書かれていた。イメージ的にはフリーズと違って超低温の吹雪によって体力を削る魔法に思える。
放水
水を放出する魔法。空気中の水分を集めるのだろう。消火や飲料水補給など戦闘以外でも活躍するが、極めれば現代でいうところのウォーターカッターのような攻撃ともなる。
ライトニングボルト・通常射撃バージョン
稲妻の魔法。電撃で敵を撃つ。ファイアーボールに比べ殺傷能力に劣るが、弾速は圧倒的に勝る。
ライトニングボルト・落雷バージョン
上記の変形。地面に魔法陣を出現させ、その中心に雷を落とす。通常版より強力だが、発動に時間がかかるうえ攻撃地点が丸見えのため使い勝手が悪く、護衛や足止め要員のいないソロで使う機会はほぼない。セインが素早く攻撃できたのは、攻撃範囲が二人(至近距離だったのでほぼ一人)だったことと、攻撃地点が術者と離れていなかった(遠くに魔法陣を出せば発動は遅く、威力は弱くなる)ため。
シールド
魔法で半透明の盾を作り出す。ゲームだと物理と魔法の片方しか防げないことが多いが、魔法の研究が進んでいるのか両方防げる。リーズの得意技だが、本来は魔法使いより僧侶が使うことが多い。
ブースト
身体能力を一時的に高める。上昇は「○○ポイント追加」ではなく「○○%増幅」なので、元の能力が低いと無意味。自分以外にかけることもできるが、その際は増幅率、持続時間ともに減衰してしまう。
アジリティ
機敏さを高めるブーストの亜種。他にも筋力だけ、耐久力だけを高める魔法もあるだろう。ブーストの普及率が高いのは、満遍なく上げるため汎用性が高いから。
ヒーリング
傷を治す魔法。自然治癒力を高める感じで、瀕死から一瞬で無傷になるわけではない。また、消耗したスタミナや失った血液までは回復しないので、ケガが怖いことに変わりはない。解毒や石化解除の魔法もある。
ライト
照明の魔法。暗闇を照らすだけでなく、閃光で目くらましする奇襲にも使える。この魔法を付与したランタンなども市販されている。
フライ
紛らわしいが、飛行というより浮遊の魔法。高度はせいぜい一メートル弱、しかも移動速度は本人が走るのと変わらない。さらに地面から離れることで踏ん張りが効かなくなるため、格闘戦にはむしろマイナス。作中でジェイクが用いたように、高いところから着地するときなどに有効。
スリープ
相手を眠らせる。基本的な魔法だが、強い精神力を持つ相手には効かないのであまり出番がない(メタ的には眠ってる相手をボコっても絵にならない)だろう。なおゾンビなどのアンデッドモンスターや、ゴーレムなど無生物で睡眠を必要としないモンスターには効かない。
パラライズ
相手を麻痺させる魔法。効きやすさはスリープと大差ないが、こちらは筋肉で動くものであればアンデッドにも有効。見張りをやり過ごすならスリープの方がいいだろうし、尋問するならパラライズの方がいいだろう。魔法は状況による使い分けが大事ということだ。
イリュージョン
幻を作り出す魔法。本人の幻だけでなく他のものも出せるが、視覚に頼らないコウモリなどには無意味。また相手の視力や知能によっては見抜かれる(日光に弱いモンスターの幻を昼間に出したら一発でバレる)し、術者のイメージがはっきりしていないと歪な幻になることも。
縮小
一時的に体を小さくする。衣類や所持品まで一緒に小さくなるのはさすが魔法といったところか。ただ当然ながら力や耐久力も体に合わせて小さくなるため、使い方を間違えると自滅する。なお、でかくなる魔法はメタ的な理由で登場しないと思う。主人公が巨大化してドラゴンと格闘したら、絵面がファンタジーじゃなく特撮になるものね。
カウンターマジック
相手の魔法を跳ね返す、防御と攻撃を兼ねる魔法。高度な技術を要求されるうえ、相手の魔法の威力が勝っていたら破られるため必然的に魔力消費が大きく、実戦レベルで使える者はほんの一握り。
拡声魔法
未登場だが沈黙の魔法があるなら、逆に音の伝達力を高める魔法があってもよいだろう。声マネの上手い人がいたら、イリュージョンを併用してドラゴンでも出せば敵を追い払えるかも。
収納魔法
お馴染みストレージ。今のところアイテムしか登場していないが、初期設定だと主人公は自分でもこの魔法が使えた。実際そうなるかは未定。
武器に魔力を込めての攻撃
主人公およびその母、勇者ジュリアが使う技。でも「攻撃は敵を倒せれば何でもいい。特定の技に固執してはいけない」というママンのポリシーのため名前はない。読んで字のごとく武器に魔力を込め、攻撃力を高める。見た目はファイアーブレイドと似ているが、魔力を武器の内側に込めるので全く違う魔法。粗悪な武器だと効果は落ちる。ファイアーブレイドは炎をまとった剣を直接当てないとダメなのに対し、こちらは魔力を放出して遠隔攻撃も可能。現時点の主人公は単に強力な攻撃&飛び道具の域を出ないが、お母さんは敵の体内にある心臓だけ両断するなど、物理的におかしな攻撃を繰りだす。
召喚
この魔法を使用するシーンは未登場だが、プロローグで魔王がモンスター軍団を召喚した魔法。使い魔の強さは術者の能力次第なので、勇者ひとりに軍団を壊滅させられた彼女は、まだ本来の力を発揮できていなかったものと思われる。
その他の魔法
話の都合で適宜登場するだろう。また勇者に倒された魔法使いが王を呪った魔法など、タブーとされるものもある。




