037 この章で新しく出てきた人物、単語など
ヒデト
いくら武者修行中で強者と戦いたかったといっても、割に合わない依頼を受けたり採算無視してプレゼントしたり、少しお人好しすぎるかも。でも素行が悪いと「勇者は強いだけで母親としては落第だな」と言われ、彼女の顔に泥を塗るものね。そのお母さんから「敵より多くの味方を作る努力をなさい」とも教えられてるし。あと25話でロッタに注意されて「勇者の息子という存在に周囲が期待する理想像」を演じ始めた感がなくもない。男を育てるのは、いつだって女なのである。
受付嬢
上司のパワハラ(?)によって主人公の新規登録の役目を奪われるも、不屈の執念でゾンビのごとく甦った婚活女子。ヒロインレースに参戦か? そういやまだ容姿の描写がないけど、髪の短い女性がいないからショートボブあたりがいいかな。
セイン・ド・シルフォード
名門シルフォード辺境伯家の三男。剣もそこそこ遣うが魔法のほうに才があり、武者修行で冒険者をしている青年。少々キザなところはあるが、ノブリス・オブリージュの精神は持っており悪人ではない。初期案ではただのかませ犬の予定だった(その役どころは、ギルマスが主人公の短編集に登場したダニエルという騎士が担当)が、えらく出世したので私も驚いている。また、ジェイク同様初期案では戦士で、肉弾戦要員が多すぎたので魔法使いになった。
ゾイスタン
ここまで名前だけの登場だった、「銀緑の剣風」の異名をもつリンゲック有数の戦士。今回はそんなに描写がなかったが、今後活躍するかもしれない。
オリヴィエ
王都の下級騎士エルベールの子。剣才は乏しいが魔法には卓越したものを秘めた少年。助太刀はあったものの十二歳の若さで仇討ちを成し遂げたことで、同世代の中で一目置かれる存在になった。ネーミングの由来は特にない。ごくありふれた名前を選んだだけ。
従者
いちおう名前の設定はあったが、覚えるの大変だから名無しに。仇討ち騒動を文章化して劇団に売り込み、みごと上演にこぎつけた。史実ベースだけど誇張だらけのトンデモ本……園田三国志みたいなものか? こやつめハハハ。
ビラン
もと王都の騎士。剣術は一流だが人格に問題があり、刃傷沙汰から逐電、盗賊に落ちぶれて討たれる。名前の由来はアニメ「聖戦士ダンバイン」に登場するロボットのビランビー。名前未定の下書き段階ではエルベールをA、こいつをBと書いていたので、「序盤の強敵でBがつくのはビランビーだろ」と安直に命名。バイストンウェルの物語を覚えている者は幸せである……。それはさておき主人公が終始優勢だったのは、フィーネ戦は少し苦戦させすぎたかと思ったのと、なろう主人公として「俺TUEEE」と「イキり」が足りないのではと反省したため。まあ、ヒロインと単発の悪役ではキャラの格が違いますからね。
エルベール
オリヴィエの父。不仲の同僚ビランに殺害される。名前の由来は史実でシャルル・ダンジューの配下だったらしい騎士エルベール・ドルレアン。ちなみにこの人はコーエーのゲームだと戦闘がC、指揮はCかDだったはず。モデルがこれじゃ、そりゃビランに斬られるわ。
ロッタ
自分で予想屋やっといて、大穴当てて荒稼ぎ。他の冒険者に恨まれそうで読者は不安になるかもだが、ちゃんとオリヴィエも賭けの対象にしてたのでご安心。どうも「首領は凄腕だからトドメを譲る余裕があるか分かんないよ」とか「オリヴィエ君が返り討ちにあった後でヒデトたちが首領を討つかもしれないよ」と、言葉巧みに主人公たちに賭けさせていたようだ。
アルゴ
ドワーフなのに斧じゃなく棍棒を使っているのは、スタミナに優れ継戦能力が高いから。斧や剣は刃が潰れると切れ味が落ちるが、鈍器はそういうの気にしなくていいものね。ただし、斧や剣も使用頻度が低いだけで所有はしてる。
ジェイク
戦闘シーンの描写は初。主人公がよく言えば堅実で安定、悪く言えば華がなくて地味なファイトスタイルなので、対照的にトリッキーな戦いをするキャラがひとり欲しかったから撹乱戦法を使わせてみた。
弓使い
主人公の同期の冒険者。読者が覚えるの面倒なのでまだ名無し。いちおう設定では、弓だけなら主人公に近い実力の強キャラなんだけど。
討伐隊の騎士や兵士たち
ただのモブ。特に細かい設定は存在せず。主人公らが無力化した賊に縄を打つだけで手柄になったのだから、今回の任務は美味しかったといえる。仇討ちを遂げた少年を褒めるあたりいい人っぽい。
ハワード・ド・シルフォード辺境伯
エスパルダ王国北端の守りを担当する大貴族。セインの父。優れた人物らしい。少なくとも育児は成功しているようだ。
ランディス・ド・シルフォード
シルフォード家長男。次期当主。父親以上の才覚をもち、弟アーネストと共に「シルフォードの双翼」と呼ばれる傑物。セインの兄。
アーネスト・ド・シルフォード
次男。知勇兼ね備え、兄と共に称えられる逸材。セインの兄。
メイベル
リーズを「おっぱいメガネ」と呼んでライバル視する美少女魔法使い。本編未登場。詳細は別作品「元ギルドマスターの手記」3話参照。
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手裏剣
初使用。侍が手裏剣使っていいの? と思わなくもないが、鬼平だって小柄を手裏剣みたいに打つシーンがあるからセーフ。たぶん。
マルジャの護符
ゲーム的に言うと、消費MP10%減、回復速度10%アップ、全状態異常の付加確率&被ダメ20%低下、HP自動回復(小)くらいか。器用貧乏だけど相当いいアイテムですな。主人公らが赤字を承知でこんな逸品を贈るあたり、敵を追う少年に肩入れしたくなる判官贔屓は異世界でも変わらないようだ。
美術品としての価値は俺には分からん
主人公はこう言っていたが、お母さんは歌や音楽を好み、絵画や陶芸が趣味という具合に芸術を愛する人なので、実際にはその教えを受けてある程度の知識は持ってるはず。
乗り合い馬車
徒歩移動が基本な世界のはずだが、一日も早く王都に戻って仇討ち成功を報告したかったようだ。むろん主人公らも「馬車使う金があるなら相場より少ない報酬に回せ」などとケチなことは言わない、むしろ馬車代都合したまであるかも。冒険者は粋と男伊達が売りのアウトロー、野暮はダメなのだ。あと、徒歩だと見送りのシーンが長くなりすぎる。
園田三国志
漫画家、園田光慶によるコミック。劉備が芥川賞候補だったり曹操が米俵から飛び出したり(しかも呂布の目の前で。なんという豪胆さ!)とシュールなシーンが多く、一部でカルト的な人気と知名度をもつ。




