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8. 出会いと始まり

 




 クエスト達成の為に朝早く訪れた辺鄙な田舎。

そこで、今回の依頼主である村長と元冒険者からクエストの詳細を訊いて戻ってきたリーダーから、追加依頼を持ちかけられた事を聞かされた。




「護衛依頼、それにクエストの同行ですって?……まさか受けてないでしょうね!?」



 村の門に寄りかかりながら不機嫌そうに問いただすのは紫の髪をツインテールにした少女。



「ごめん……受けちゃった。でもちゃんと追加料金も払ってくれるって!」



「は〜、あのね、護衛は私達も戻る場所だから良いとして、クエストに同行、しかもガキ2人なんて邪魔にしかならないわ!」



 当たり前だ。素人の子供を連れてクエストに行くなんて、救出依頼ならともかく、自ら連れていくなんて有り得ない。もし怪我でもさせて、クエスト達成に難癖をつけられたらたまったもんじゃない。



「まぁまぁ、ルネッサちゃん落ち着いて。リーダーが頼まれたら断れないのは今に始まった事じゃないでしょ? …………でも、ルネッサちゃんの言う通り、いくら相手がゴブリンでも確実に守れる保証はありませんよ?」



「あぁ、その辺は安心していいよ!二人共僕より強いから!」



「なっ!エイクより強いって本当か!?」



 と今まで黙っていた、緑髪に眼鏡をかけた少年が驚きの声をあげる。



「あぁ、本当だよ。さっき僕も同じ懸念を抱いていたからね。同行させても問題ないのか確かめる為に手合わせしてきたんだ。まぁ、勿論お互い本気の手合わせって訳じゃないけど……うん! 心配ないと思うよ!」



 冒険者パーティー〈黄金の誓い〉のリーダー、エイク、普段は彼の楽観的でお人好しな性格から、面倒事に巻き込まれた事は多々ある。だが、冒険者の時の彼は――――



「ふぅーん、まぁ足でまといにならないんなら、いいんじゃない?」



「ルネッサ、ありがとう。……じゃあ二人をここに連れてくるね。」







 ▲△▲△▲









「僕はさっきも挨拶したけど、改めて……僕達はCランク冒険者パーティ〈黄金の誓い〉そして、僕はリーダーのエイク、今日はよろしく!」



 村の門の前に佇む4人の冒険者。その内の金髪に翠色の眼をした爽やかな少年に挨拶され、差し出された手を握り返しながら答える。



「よろしくお願いします!ドアと言います!」



 やばい。こんなに近くで冒険者を見たのは初めてだ。これが冒険者か〜……いいなー!俺も絶対冒険者になろう!



「本日はよろしくお願いします。私の名前はエリシアです。」



 今日はなんと俺と姉さんもクエストに同行させてもらえるらしい!父とエイクさんが話している所に、無理だと思いながらも、同行したいと言ってみたら何故か了承を得られた。まぁ、父からは姉さんと一緒に、という条件を付けられたけど……




「ほら、皆も挨拶して」



 エイクさんがそう促すと他のメンバーも挨拶をしてくれる。

左から順に、如何にも知的でパーティーの頭脳みたいな見た目なのにタンクなのが、タテノさんで、紫ツインテのツンデレっぽい女性が、ルネッサさんで、淡い金髪のおっとりとした可愛い系の女性が、ミリエラさん……だった気がする。


因みに女性二人共魔道士だろう。ミリエラさんはロッドを両手で持っているし、ルネッサさんは木の如何にもな魔法の杖を持っている。



「ふぅーん、クエストに同行したいだなんて言うから、どんなクソガキかと思えば、案外いい顔してるじゃない」



「えっ?……あ、ありがとうございます…」



 びっくりした。顔がいい、イケメンだとかは前世でも言われてたけど、こっちの世界でも言われるとは……。



「ふふ、確かに結構かわいい顔、してますね!」



ミリエラさんが俺の頭を撫でながら褒めてくれる。

まるでハーレム系主人公になった気分だ。……でも、ハーレム系主人公とは真逆に女性との交際経験の無い俺は勿論……



「あっ、ありがとうございます……。」



「ふふふ、照れてます。益々かわいいですね!」



「なっ!……私が褒めた時は全然照れてなかったくせに、どうしてミリエラの時は照れるのよ!」



 そんな事で怒られても……でもこれで、クエスト同行はやっぱ無し、となったら最悪だ。急いで言い訳……弁明しないと!



「えっと…………ルネッサさんがとっても美人なので、嬉しすぎてびっくりしただけです!それに黒と紫のローブも―――」




「そう……私が美人、ね。ふっ、ふぅーんガキのくせに分かってるじゃない!……あんた名前は?……この私が何でも教えてあげるわ!」




「一応さっきも言ったんですけど……ドアです。」



 良かった!どうやら機嫌は治ったみたいだ。それにしても……やっぱりツンデレ?しかもめっちゃちょろい気も……まぁ嘘はついてないからいいよね。でも次は隣の姉さんがムスッとしているのは、きっと気のせいだろう。



「うんうん!仲良くなったみたいで良かった!……じゃあ改めて今回のクエストの詳細を確認してくよ。」



 エイクさんの顔が真剣なものへと変わり、皆へと説明を始める。



「夜の見回りを担当している元冒険、セアさんによって、ここ最近多数のゴブリンが出現している事が確認された。」


エイクが切り出すと、一瞬考える素振りを見せて、ミリエラが切り返す。



「……なるほど、クエストには村周囲のゴブリン討伐とだけ書かれていましたが……察するにその原因の究明及び排除も今回の依頼……といった所でしょうか。」



「うん、そうだね。だけど原因の究明は後回しでいい。あくまでも最優先されるのはゴブリンの討伐だ。対処が遅れれば遅れるほど厄介な事になる。」



「そうね、奴ら1匹1匹は弱いくせに、繁殖力が強くてすぐに増えるのよね。……それに奴らは女の敵よ、1匹足りとも生かしておけないわ!」



「だとしても、ゴブリンを1匹残らず討伐するなんて無理じゃないか?」



「何よ、タテノ弱腰じゃない。あんたそれでも男?」



「そういうことじゃない!僕は現実的な話をだなぁ!」



「まぁまぁ二人共……さっき僕は、原因の究明は後回しでいいと言ったけど、実は原因は殆ど分かっているんだ。まぁ、セアさんに教えてもらったんだけどね。……だから、その原因に辿り着くまでの道中、見つけ次第1匹残らず倒していく。……これでいいかな?」



ルネッサとタテノ、二人の間に険悪な空気が流れたと思ったが、リーダーの考えに承服し、話し合いは終了した。



うわーすげー!これがリアルな冒険者の会議なのか〜!まるで物語を読んでいるみたいに夢中になって聞いちゃったよ!――――――これからだ!

これから俺の異世界の冒険が始まるんだ!!

もうお気づきだと思いますが……父:セア 母:ミレア 姉:エリシア 主人公:ドア 妹:ロア……と名前の最後に「ア」がつきます。

それには一応理由があります。今後忘れちゃいそうな設定なので残しておきます。


この世界の平民に「苗字」はありません。

なので、少しでも「家族の繋がり」を求めて、名前に規則性を持たせるのが、平民の間での流行です。

父と母は完全に偶然ですが、それを子供にもつけた感じですね。

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