13. 行けたら行くと明日から頑張るは信用できない
最近、10何回目かに銀魂を見返してるけど、何度観ても面白すぎる。やっぱ魔法より剣の方がかっこいい気がしてきた!……てな訳で少し銀○っぽいタイトルを意識しました!
「あっ、やっと来た。遅かったじゃない……ってあんただけ?」
真っ先に気づき迎えてくれるのは、今朝と同じく門に寄りかかったルネッサ。
「あっいえ、もうすぐ母も来るはずです……それよりエイクさんはどうされたんですか?」
ルネッサの隣に姿勢よく待っているミリエラに、少し離れた位置で腕を組んでいるタテノ……と他のメンバーは見えるがエイクだけが見当たらない。
「ふふ、リーダーなら村長に、ダンジョンで起きてる異常の報告と、一度ギルドに戻ることを伝えに行っています。そんなには時間掛からないでしょうし、もうすぐ戻ってくるはずです。二人で待っていましょう。」
そうこちらに寄ってきて、またも頭を撫でながら教えてくれるミリエラさん。
「ちょっ、二人でってどういう意味よ。私も居るんですけど!それに、さっきも言ったでしょう。こいつはもう私にメロメロなのよ!……ね!そうよねドア!」
……と寄りかかるのを止め、ずんずんと迫り寄ってきたルネッサ。
いや、ねって同意を求められても……メロメロになってないし……でも、ここで否定してもなぁ〜………
「ルネッサちゃん、ドア君反応に困ってるでしょ。ドア君は、ルネッサちゃんより私の方が好きですよね〜?」
……だから、同意を求められても困るんですけど…………え〜、どうしようこの究極の二択。
ミリエラさんって答えたら絶対ルネッサさんが不機嫌になるし、ルネッサさんって答えたら……何か怖そう。……いや、待て。今の俺は8歳の子供だ。ここは、第三の選択肢……どっちも大好きというヘタレ優柔不断主人公ムーブでも許されるはず…………よしっ!
……と決心した所に――
「あらあら、ドアったらモテモテなのね!」
「ははっ、そうですね。ドアは勇敢ですし、腕も立ちますから。」
……と母とエイクが並び歩いてくる。
……これは好機!
「あれ?母さんとエイクさん二人とも一緒なんですね!」
……あっ!誤魔化したと頬を膨らませるミリエラさん。その様子を見てエイクさんが苦笑いしながら……
「セアさんにも報告しようしとしたら、そこでドアのお母さんと会ってね……驚いたよ!セアさんってドアのお父さんだったんだね!」
「ほうです……って、いふぁいのでほっへふぃっふぁらないでくだふぁい」
何故か後ろからほっぺを引っ張ってくるルネッサに抗議するも、ふんっと顔を背けてしまう。
……これは後で褒めてあげないとまずいかもな……。
「あっ、自己紹介しなきゃね!……私はそこのドアの母、ミレアです。今日は急な依頼なのにドアとエリシアをクエストに同行させてくれてありがとう!メンバ二までの護衛、よろしくお願いします!……ほら!ドアも皆さんにお願いして!」
「……そうだね。……改めて、黄金の誓いの皆さん、都市までの護衛よろしくお願いします!……あっ、皆さんが居れば何も怖くないです!特にルネッサさんをめちゃくちゃ頼りにしてます!」
チラッとルネッサさんの方を見てみれば満更でもなさそうな表情。
ふ〜、取り敢えずは大丈夫かな?
「うん!ドアもミレアさんもよろしくお願いします!……じゃあ、早速行こうか!」
▲△▲△▲
「わぁ〜〜!!すっげー!」
――――歩き初めて数十分。
目の前に聳え立つは、見上げるほどの城壁――広く大きな城門の前には甲冑をまとった門番が二人。
アニメや漫画で見て、憧れてきた光景を実際に目の当たりにした俺のテンションが最高潮に達するのは仕方がない。
「ドアったらテンション上がりすぎよ!……私達まで田舎者って思われちゃうじゃない!」
……と文字では不機嫌そうだが、なんだか嬉しそうなルネッサ。
「そんなに喜んでもらえると僕まで嬉しいよ。でも、このまま此処に居る訳にもいかないし、入っちゃおうか!」
俺が城壁を見てワクワクしているのを察して、立ち止まってくれていた黄金の誓い――エイクを先頭にして歩きを再開する。
途中、門番に止められるも、カードの様な物を見せるとスムーズに入ることができた。
そして、入ってみれば――左右には様々なお店が並び、奥には立派なお城が見える。
行き交う人々、飛び交う言葉――
あの城行ってみたいなぁ〜!貴族とか居るのかな?冒険者ギルドって何処だろう?あそこで売ってるの何の肉だろう?……やばい!めっちゃワクワクしてきた!
「ほら、ドア行くわよ!……仕方ないからこの私が案内してあげるわ! ついてきなさい!」
……ほら、とルネッサが少し恥ずかしそうに手を差し出してくるが――
「ルネッサちゃん……私もドア君、案内してあげたいけど、早くギルドに報告しに行かないと……」
「……え?……確かにそうかもしれないけど少しぐらい……」
期待の籠った眼差しをエイクに向けるルネッサ。
「……いや、ミリエラの言う通り、報告は早い方がいい。少し寂しい気もするけど、ドア達とはここでお別れだね。」
……あっ、そっか。もう護衛も終わって完全にクエスト終了したから、これ以上一緒に居る理由が無い。……別に寂しいとかは全く無いけど……さっき、手を差し出してきたのが、可愛いけど、すごく切ない……。
「エイクさん……タテノさん……ミリエラさん……そしてルネッサさん、今日は本当にありがとうございました! エイクさんはとても優しいです!それでいて、皆さんをまとめるリーダーシップや、素早い判断も凄かったです! タテノさんはあまり話しませんが、誰よりもパーティーメンバーを見て、最適な位置取りでヘイトを集めていてすごく安心感がありました! ミリエラさんは、何より索敵が凄かったです!ミリエラさんの探知で、全く奇襲を受けることなく、むしろこちらから奇襲を仕掛けることができて、より万全に戦う事ができました!ルネッサさんは……ルネッサさんは魔法が凄かったです!自分もルネッサさんと同じ水属性を使うので、よりルネッサさんの魔力制御や魔力操作等の魔力の扱いの凄さを感じ取れました!それに軌道操作魔法……かっこよかったです! ……皆さん、今日は楽しい時間をありがとうございました!」
黄金の誓い一人一人に感謝の念を伝えていく。
……勿論その言葉に誇張はあるが、嘘は無い。
「ドア……ありがとう。僕もドアと……今は居ないけどエリシアとの冒険は楽しかったよ!」
会った時と変わらないエイクの爽やかな笑顔――
「僕の動きを理解できるなんて、盾使いの才能があるんじゃないか?……まぁお前に盾は必要無いか。」
眼鏡をクイッと上げながら言うタテノ――
「ドア君……ありがとうございます。私も楽しかったですよ。……でも、冒険は楽しいかもしれませんが、危険でもあります。ドア君は、すぐにテンション上がっちゃいますから、気を付けてくださいね。」
優しげな微笑みを浮かべるミリエラ――
「ドア!……きっと私と会えなくなって寂しいだろうけど……基本、私たちは此処に居るわ。……だから何時でも会いに来なさい! 水属性魔法でも軌道操作魔法でも、なんでも教えてあげるわ!」
最後まで自信に満ちたルネッサ――
「……はい!ありがとうございます!行けたら行きます!」
…………少しの余韻、そして――
「……じゃあ、皆行こうか。」
きっと最後に聞くエイクの指示――初めはエイクの背中が見え、そして――タテノ、ルネッサ、ミリエラ……と一人一人と最後の視線を交わし――エイクの背を追い、未だ見ぬ道へ消えていく―――――
――こうして、長いようで短かった、Cランク冒険者パーティー〈黄金の誓い〉との出会いと冒険編は終幕を迎えた。
「ドア、ついて行かなくて良かったの? 魔導書を数冊買うぐらいだし、私一人で大丈夫よ?」
……と少し切なげな様子の母からの心配の声。
「……いいんだよ。ルネッサさんも言ってたけど、別に会おうと思えば何時でも会えるからね。」
――本当だ。俺が村からここまで会いに来ようと思えば3分もかからない。会いに来ようと思えば……だけど。
「……そう。……ならいいんだけど。……じゃあ私達も行きましょうか! メンバ二を案内してあげられる時間は無いけど……魔導書とかドアすごく好きそうだし、きっと楽しいわよ!」
これにて、〈黄金の誓い〉とはお別れです!
ゴブリンと聞いて、この子達に酷いことを期待していた方が居たら申し訳ないですが、ドアが無事に届けました!ドアが居れば基本的に安全です!
ちなみに、ドアたちの歩くスピードはこちらの人間よりも速いです!
それはそうと、最初は「ドアに色々な事を教えてくれる冒険者が欲しいなぁ〜」と適当に作ったパーティーでしたが……なんだか愛着が湧いてきました。
……皆さん的にはどうなんですかね?
基本、ドアはソロプレイをするつもりですけど、どうなんだろう?




