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04 ルール


 まずは、アンチさんの先制攻撃。


 天井にぶら下がってるこうもりの群れを目掛けて、


 スライム系お得意の噴射攻撃。



 いや、噴射なんてもんじゃないね、アレ。


 威力も到達距離も正確さも、水鉄砲どころか、まるで銃。


 なすすべなく水弾で射抜かれていくこうもりが次々と落ちてくる様は、何だか申し訳ないほど。



『水弾には麻痺とか毒は付与してないから、落ちてきたこうもりに直接触っても平気だよ』


 流石はアンチさん。


 魔物素材確保のことまで考えての攻撃、これがベテランゴーレムコアの実力と気遣い、まさに歳の功。



『何か言った?』


 いえ、何も。



『全滅させることも出来たけど、去る者は追わずってことで』


 はい、おつかれさまでした。



 ところで、地面に落ちてる結構な数のこうもり、


 討伐確認部位って、どこでしたっけ?



「耳毛ケイブバットのみのようなので、しっぽを集めましょう」

「討伐しても魔物が消滅しないタイプのダンジョンのようですし、死骸を放置するのはマナー違反ですので、しっぽを集め終わったらまとめて『焼却』処分ですね」


 すみません、マーリエラさん。


 俺ってこういう討伐依頼はあまり詳しくないのですが、


 この手の洞窟型ダンジョンって、中で生き物を燃やしちゃっても平気なのですか。


 ほら、匂いとか熱とか空気の状態とか。



「死骸処理の際に使用する『焼却』魔法は、実際の炎の燃焼とは異なり対象以外に影響を及ぼさないものです」


 へえ、便利な魔法なんですね。



「魔物の"死骸"を『焼却』することのみに特化した魔法ですので攻撃には使えませんが、これを使えない冒険者パーティーはこのタイプのダンジョンでの活動を禁止されるほど、冒険者にとって重要な魔法です」

「どんなに強いパーティーでも、決まり事を守れないようでしたら冒険者資格剥奪などの厳罰に処されますよ」


 なるほど、みんなでルールを守って楽しく冒険、ですね。



「もっとも、そこまで厳格なのは、エルサニアと一部の同盟国くらいですね」

「そういうルールは冒険者を守るために定められたものなのですが、自由に振る舞えることこそが冒険者の特権、という考え方もあるでしょうし」


 ふむ、"自由"の解釈の違い、ですな。


 まあ、住み分けが出来ているならヨシ、ですかね。




 おっと、早くしっぽを集めなくちゃ。


 マーリエラ先生のお勉強はとても面白いのですが、今はダンジョン攻略の真っ最中。



 って、こうもり、どこ行った?


 いつの間にやら地面がめっちゃキレイな状態に。


 これぞまさに"来た時よりも美しく"




『ゴメン、先に食べちゃった』

『しっぽはそこにまとめてるよ』


 おっと、すみません、アンチさん。


 討伐も後処理も任せっきりになっちゃいましたね。



『あまり美味しくなかったけど、効率優先ってことで』

『早く先に進みたいし』


 はい、それでは行きましょうか。



 マジックバッグに"しっぽ"を入れまして、と。


 では、ダンジョン攻略再開!


 

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