11 検討
各ギルドの担当者と信頼のおける冒険者たちが、
あのダンジョンを徹底調査することになったそうです。
それによる難易度査定や得られる資源などの検証が済み次第、正式なダンジョンランクが確定。
そして大々的に新ダンジョン発見が公表され、一般の冒険者に解放される、という流れ。
つまり、命名権うんぬんは、それまでにどうするのか決めとけよってこと。
うーん、ホントどうしよ。
こんな大事になるなんて思わなかったし。
王都には相談できそうな知り合いってアシュトさんとマルミさんくらいしかいないけど、
例によって旅商人修行の長旅に出かけちゃって、おふたりともお留守だし。
やっぱ、パーティーみんなで相談して決めるしかないよな。
何たって、国が傾いちゃうんですよ。
しがないおっさんには荷が重すぎますって……
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『マーリエラダンジョン、何だかロマンチックだよねっ』
えーと、アンチさん、
何故にマーリエラさん?
『だって、愛する人の名前を未来永劫語り継ぐことが出来るって、ギルドのお姉さんも言ってたし』
あー、何やら誤解が曲解しているような……
いえ、マーリエラダンジョンは嫌だってわけじゃなくて、
ギルドのお姉さんも、あくまで命名の一例として挙げたわけで。
「私は……恥ずかしいです……」
ほらぁ、マーリエラさんが照れ照れの真っ赤っかに。
いや、めっちゃ可愛らしいですけど。
えーと、仕切り直しましょうか。
この件は揉めごとの種どころか、争いごとの大樹になる可能性すらある案件なので、
先のことまでしっかりと考慮して、みんなで真面目に考えましょうね。
でも、ホント可愛らしいですね、りんごほっぺマーリエラさん……
『結局、おじさまが一番不真面目……』
バレテーラ。




