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頭髪検査バトル

「おーい、大河ー!!頭髪検査、第二体育館だってよ!!」

「おう!今行く!!」


そう言って俺―――大河は、呼ばれたほうへと走って行った。


ハッキリ言ってここは、なかなか非常識な学校である。

私立月影つきかげ学園

この月影学園は、私立と言う割に実は授業料などなどはそこまで高くない。話しに聞くに、どこぞの有名会社や大学、専門学校などと手を結び、(さすがに本人の意見も聞くが)優先的にその学校や会社に生徒を売る・・・もとい、進学、就職させるのでその辺のお金は工面してもらっているらしい・・・

だが、そのため偏差値はなかなか高く、へたをすればその辺の公立高校よりも高い。

まぁ、その代わりと言ってはなんだが、結構校則は緩かったりする。

携帯等はもちろんのこと、授業中さえ使わなければ登下校中のウォークマンの使用、携帯ゲーム機、マンガ、下手をすれば自分のパソコンなどオールOKだ。


しかも、歴代の卒業生やその保護者達が何を思っているのか、投資しまくってるおかげで5年前にどこかの大学跡地を購入。

馬鹿みたいに広い土地を使い校舎を建てるところまで良かったのだが、何を思ったか校長はその後体育館を2つ、講堂を一つ、10コースもあるプールに寮や校舎の隣接に保健室(室と言う規模ではなく、もはや病院)ついでに全校生徒は余裕で入りそうな食堂に教室から外をのぞけば何のためにそんなに広くしたのか頭を悩ませたくなるほどの大きすぎるグラウンド・・・そして何といっても極めつけはプラネタリウムなど娯楽施設がちゃっかりと備わっているところだ。


おかげで最初、親に金などの事情からここに入れといわれ、とりあえず特に行きたい学校もなかった俺はオープンスクールへ行ってみて、最初に思った。

どこの金持ち学校だ・・・


そして次に思ったのは、絶対にここの生徒になりたくない。

だが現実はそう甘くもなく、あれよあれよと言ううちにここの願書を提出され、上手く言いくるめられて推薦を受けに行き、めんどくさかったので面接も小論文も結構テキトーにすませた割にすんなりと合格届をもらった。

合格届を受取りに行った先生曰く

「根性や忍耐がありそうな好青年でしたので。確かに小論文はある意味アレでしたけど、中学の成績は申し分ない」

だそうだ。

どんな判断基準だ。これでは真面目に受けに行って落ちた他の生徒にものすごく申し訳ないような気がする。


だが、そんなことをつらつらと思う俺のことなどおかまいなしで、月日は経ち、推薦で通ったため他の学校を受けることもできないまま卒業式が行われ、ついに入学式・・・


何故か市の大きなホールを貸し切っての盛大な入学式、しかし途中で有名人が乱入しコンサートへと化す。

普通そういうのは入学式にやるのではなく卒業式にやるものだ。

そうしてなんとか30分オーバーの入学式が終わり、明日からようやく普通の授業開始、というとこで教師からぶち壊しの一言。


「えー・・・今年の一年生に頭にスプレーかけてきた生徒がいた為、明日の1〜2時間目を潰して臨時の頭髪チェックをします」


まったくもって意味が分からない。と、いうか何があってそのような状況に至ったのか知りたい。

俺の日常は一体いつになったら帰ってくるのか・・・

そう溜息をつくと、明日のことに頭を痛めながら大河は帰路についた。



そして現在にいたるわけである。


ちなみに、今となりで楽しそうに昨日の部活見学について話しているのは白木陽平しらぎようへい

昨日の自己紹介などが終わった後の休憩、気まずそうに座っている者、積極的に声をかけに行くものと様々な人がいる中、俺はそんなことに目もくれずゆっくりと読書をしていると、急に隣から声をかけられた。

最初は煩わしく思っていたが、一言二言交えるうちになんだか意気投合してしまった。


          パンっ

俺が、そんなことを思いながら歩いていると急に目の前で手を叩かれた。

それは結構いい音でなり、思考の奥に沈んでいた俺は突然のことに驚く。


「お。気づいた?」

「って、何しやがる!」

「や、さっきから何度呼んでも反応がねーからさ。どうした?」

「え。マジか?」

「俺お前がぼーっとしてるのに気づかなくて5分ぐらい独り言話してたんだぜ」

「あー…悪ぃ」


どうも考え事をすると周りが見えなくなる俺の悪い癖。治すようにと思っているがこの体に染みついた癖はなかなか抜けそうになかった。

とりあえずそのことを素直に謝ると白木もわかってくれたようで、いいってことよ!と元気よく俺の背中を叩いてそのまま二人で笑い合い体育館へと向かった。


*****


・・・・・・

一言で表すなら「修羅場」

詳しく説明しろとか言われれば・・・


すこし迷いつつもどうにか体育館へと到着し、普通の体育館ドアのクセにやけに重い扉を開けてなかに入ってみると、そこはすさまじい風景だった。


女子と男子が別々に並び、その列の先では4人がかりで頭髪チェックをしている先生達・・・

そこまでは普通?の頭髪検査なのだが、問題なのは


「横山君、ここ染めてるわよね?」

「はぁ!!?染めてねぇよ!!」

「嘘よ、こんな色自然に出るわけないじゃない」

「うっせーよババア!!出てんだからしょーがねぇじゃねぇか!!!」

「はいはい。ペナルティー1よ。3つたまったら慈善授業だから、覚えておいてね」

「あ?誰がいくかっつーの!!ったく、うっぜーな」

「横山君、ペナルティー2」

「あ!!てっめ、クソババア!!何つけてやがる!!!」

「目上の人間に対する言葉がなってないわね。ペナルティー3よ。更生班!!」


あるところで、どうやってここに入ったのかと聞きたくなるぐらい口の悪い男子にからまれていた女性教師は、今にも襲いかからんとする男子に臆することなくどこかに向かって叫ぶと、まるでSATのような格好をした人たちがさっとその男子の両脇を固めて身動きを封じる。

突然のことに驚き振りほどこうとするがそれはびくともせず、女性教師が男子の両脇を固めている人物たちに「言葉づかいを直した方がいいからC−2でお願い」と言うと、それらは敬礼をするとその男子を無理やり連れて行ってしまった。


他にも、先生にかみついてはなれそうにない女子の姿や、華奢な女性教師なのをいいことに言いくるめようとしたいかにも体育系のごつい男子が一瞬にして巴投げを喰らわされていたり、カメラで写真を撮り、科学的にどうこう説明している教師までいる。

正直、


「普通に頭髪検査しろよ・・・」


つーか、結局あのSATみたいなのはなんなんだ!という疑問は


「うっわー!!!すっげ!!何だアレ!?かっけーー!!」


隣でおおはしゃぎする白木によって封じ込められた。


その日結局並んで待っている間も教師VS生徒というなんとも奇妙な光景を背景に、大河と白木はおとなしく検査を受けて帰った。


そしてその日の帰り、今日は部活参加がないというので白木と一緒に帰っていると、何故か商店街の入り口で何やら演説をしている男子をみつけた。確か今日更生班とやらに連れて行かれた横山だ。

いったい何をやっているのかと不思議に思っていると


「あー、確かに演説とかって言葉づかい治りそうだよな。政治家って口八丁で上手いことやってるし」


いや、そういう問題でもない気がするが・・・

とりあえずその日はなにもみなかったこととし、大河は何事もなく帰路へと就いた。


相変わらずめちゃくちゃな設定ですいません。

そして重要キャラっぽく最初に紹介した紀乃がほとんど出てこないのは気のせいです。別に忘れていたわけでは…


とりあえず、ここまで読んで下さりありがとうございました。

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