表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/58

2-6

3回目の更新です


「誤解を招く言い方はおやめください」


「ん?終わったか?」


「終わりました」


「俺達は必要無かったくらいですよ我が君。さすが魔物みたいな力の持ち主のアビゲイルです」


「私を魔物と同じと言うんですか!?フロリアン!」


「そんなこと言ってないよ、ほらアビゲイル。体に着いた血を綺麗にしないと」


 ムッとして言うアビゲイルの体には魔物の血が付いていて、それを指摘したフロリアンに睨みつけたが自分の体を見たあと渋々と拭きにラヴィニア達のそばを離れていった。

 フロリアンには返り血がついてなく綺麗なままである。


「虐めるなよ」


「虐めてませんよ」


 楽しそうに笑うフロリアンにサーシャは程々にな、と呆れたように笑った。

 頷いたフロリアンは護衛けが人などが居ないか、魔物が残っていないか等の確認の為離れていく。


「ラヴィニア、大丈夫か?」


「お父様、大丈夫です……お母様どうなさったのですか!?」


「大丈夫だ、安心して気を失っただけだ……アンジェリーナも無事だね」


「はい、旦那様」

 

「うん、よかった。後で父君の所に顔を出して来なさい、心配しているだろうからな」


「はい、ありがとうございます」


 深々と頭を下げると、リーンハルトは真っ青なカナリアを連れて馬車へと向かっていく。

 魔物を倒した事で張り詰めていた糸が切れたのかカナリアは意識を飛ばしリーンハルトに運ばれてそのまま2人で休憩をするとラヴィニアに言ってから馬車に入ったのだった。


「アンジェリーナ、父君の所に行くか?」


「……はい、母さんも心配ですし」


「行ってきて、アンジェリーナ」


「……はい」

 

 ふらふらと歩き出したアンジェリーナの後にラティスが続いたが、ラヴィニアはラティスを止めるほどの元気がなくそのまま見送ってしまった。


 アッティリア家に仕えている為こちらの馬車に乗っているが、アンジェリーナの家族、家、商業品は奇跡的に全て無事だった。

 残念ながら実父の診療所は溶岩にのまれてしまったのだが父、母、ついでにカインドも無事で良かったとアンジェリーナは胸を撫で下ろす。


 

「大丈夫?魔物を見たのは初めてか?」


 残ったのはサーシャだけ。

 気づいたら王も王妃も休憩の為自分の馬車へと入っていった。


「……驚きました。国を出たことがありませんので魔物を見るのも初めてです。でもそれよりもアビゲイルとフロリアンの強さに圧倒されてしまいました」


「あの二人は強いからね。1体1か、数人が相手の方が力を発揮するフロリアンと、対魔物には敵無しのアビゲイル。どっちも俺が勧誘したからな」


 満足そうに頷くサーシャの2人への評価は高い。

 

「なんです、フロリアンといい我が君まで、魔物には敵無しなど。危険な目にあったこともありますし命の危機もありましたよ。力不足は認めますが、私だって女性ですからね」


「わかってるアビゲイルは努力して強くなったのはわかってるよ」


「ならいいのです」


 いつの間にか戻ってきたアビゲイルが文句を言うがいつもの事なのか簡単に受け流すサーシャ。

 急に後ろから話しかけられビクリとラヴィニアは、体を震わせた。

 

「まぁ、ラヴィニア様。あれくらいなら私1人でも倒せますので御安心ください」


「ひ!1人で!?」


「問題ないです」


「危ないです!何かあってからでは遅いのですから周りに人がいる時は1人で頑張らなくていいのです!」


「……………………初めて言われましたね、感動します」


 おもわずジーン……と感動に打ちひしがれるアビゲイルをサーシャは上手くやっていけそうだな、と安心した。


 実際、アビゲイルが住んでいた領地の森にはここら辺で出現するより数倍は、強い魔物の群れを相手にしていたので、アビゲイルにとっては遊び相手くらいの感覚で倒してしまう。

 勿論、通常はこの数の群れでは全滅も可笑しくない。

 しかしこれくらいの敵だったらアビゲイルの親戚の子供でも倒すだろう。エピリック一族はそれくらい強い。




 こうしてアビゲイルや他の護衛兵に守られながら丸一日以上を掛けてエスメリアへと向かったラヴィニア達。

 1度も出たことがなかった外の世界に休憩の度に馬車から出たラヴィニアは目を輝かせていた。

 そう、ラヴィニアの興味を激しく刺激していたのだ。

 走り回りたい、見て回りたい。あれは何?何に使うものなの?

 自然にある物や、他国の兵が使う物品全般にキラキラとした目を向ける。

 そして、ラヴィニア達はエスメリアの首都ギリタニアに到着した。


 そこはラヴィニアが見た事ない雪が無い綺麗な街並みだった。


「…………凄いです」


「ラヴィニアは来た事がなかったからな」


「私は国から出る日が来るとは思ってもみませんでしたから」


「……そうだな」


 ファイライトの王妃は王が守るものと考えられ、基本的に城から出ることは無い。

 お茶会やパーティは敷地内で開かれるものに限るし、自分の意思で行動する事はあまり出来ないのだ。

 ただ、王の側にいて王の気持ちに寄り添い、政治を見つめる。見つめるだけで口は出さない。

 これがファイライトの王妃。

 次世代を生み愛を持って育てる事が1番の仕事。

 それは王太子妃も変わらないので、婚姻するまでの1年、いや、城に入るまでなの半年がラヴィニアの自由の時間だったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ