悪役令嬢?前世で乙女ゲームなんかやってないし!
「えーーーと………これいわゆる悪役令嬢転生ってやつですのね」
私ことイザベラ5歳は朝起きて1時間ぐらいオロオロ混乱してから自身の現状を受け入れた
鏡にはサラサラの銀髪にアメジストの瞳の超絶美少女がどこか達観したような表情で写っている
どうやら乙女ゲームの悪役令嬢に転生するという前世で親の顔より見た展開が私にも起こってしまったようだ
ここは…なんだっけ?
名前は思い出せないけどマジカルラブなんとか…なんか頭の悪い名前のゲームの世界あるいはそれに酷似した世界のようだ
18世紀風味でヨーロッパ風、魔法があって五爵の身分制度があり王政でファンタジーな感じだ
ここは公爵家のお屋敷で私は溺愛されている一人娘、前世の記憶は26歳で交通事故エンドのOLで…
「シナリオとかなんにもわかんないんだけど!」
一人ツッコミなノリでふかふかの枕をぽすぽす殴る
そんな私を見て専属侍女のソフィーちゃんはニヨニヨしている
…なにせ私はこのゲームをやったことがない
何故一応マジカルラブなんとかを知ってるかと言えば同僚のマミが大好きだったからだ
イザベラは悪役令嬢、メイン攻略対象の婚約者としてゲームに登場するらしいのだが…その筋書きだと常識的にに考えて非難されるべきは浮気ヒーローと寝取りヒロインだろう…と、当時思ったものだ
それをマミに言うと
「だって凄い嫌がらせしてくるんだよ!断罪されて当たり前なの!」
…いやいや、クソビッチヒロインが何もしなきゃイザベラさんも何もしないだろうよ
自分が悪いのに被害者ぶるゴミって本当に気持ち悪いな!!
ま、案の定そんなゲームが好きなマミは心も見た目も醜いブスの二乗女だった
そしてお茶汲みとコピーぐらいしか出来ない無能だった
まあ私は容姿も仕事の能力もオール平凡でマミに比べたら100倍マシではあったものの、バリキャリ美女にはほど遠いモブだったけどね
私が死んだ頃はこの手の寝取り主人公の乙女ゲームがそこそこ人気だったらしいのだが…マミみたいな独身確定性格ドブス容姿もドブスな女のガス抜き需要だったんだろうなと思う
まあ…とりあえず断罪回避を考えないとね!




