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第12章  第4話 リスタート

いつもご愛読ありがとうございます。未熟な作者ですが、読者の皆様からの、叱咤激励がいただければ幸いです。


 屋敷を売り払った借金の残り5千万アールは、レインが立て替えてくれた。そして、犬耳お兄さんには、ギルドを通してこちらから連絡を取り、3人で謝罪に行く。


「ううう……ご、ごめんなさい」


 俺とレインに叱られ、涙目のフミ。


 俺にも責任があるのかもしれない。フミは、俺の事をずっと思ってくれている。フミの“ロディオ様をお守りする”という行動は、他の女の子に取られたくないからだというのは、さすがに鈍感な俺でもわかる。何とかしてフミを安心させたいんだが……。


 レインと別れて、借家についた後、俺はフミと話し合う事にした。


「なあ、フミ」

「はい」

「フミは、何も心配しなくていいからな」

「……」


 ちょこんと小首をかしげるフミ。可愛いい……。わざとしているのだろうか?


「あのさ、俺とレインは、誰にも言えないことをしようとしているんだ」

「はい」

「だから、フミにお願いだ。俺は、フミを世界で一番に大切にするから、フミは、俺や周りの女の子に一々、目くじらを立てず、おおらかにいてくれないか」


「世界で一番に大切……」


 フミはそう言うと、ゆっくりと立ち上がり、そのままふらふらとした足取りで、自分の部屋にこもってしまった。



「フミ、おーい、フミ。出ておいで」


 翌日、もう昼になるというのに、フミは部屋から出てこない。


 俺が部屋をノックすると、しばらく間をおいて、ようやくおずおずといった調子でドアを少し開けてくれた。


「ロディオ様。フミはお側に置いて頂ければそれでいいのです。私なんかよりふさわしい人となら、どなたと一緒になられても構いません」


 ……?


「フミは、フミはロディオ様にプロポーズしていただいて……幸せすぎて死んでしまうのでしょうか」


 俺の胸に頭を押し付けて小さく左右に振る。すぐにいつもの癖で俺の胸の中で遠慮気味にクンカクンカし出すが、俺は引き剥がしたりはせず、フミのなすがまま、嗅ぎたい放題にさせている。


 プロ? ポーズ?


「ロディオ様……フミは、奴隷の身分にもかかわらず、本当にお嫁さんになれるのでしょうか」


 幸せそうに、目を潤ませて俺に甘えてくるフミ。可愛い! 惚れてまうやろ!


 そうだった……! この世界には、“付き合う”とか、“彼氏”や“彼女”なんていう概念は存在せず、告白とは、結婚を前提とした婚約のための、プロポーズのみだった!


 よし。


 俺は、大きく深呼吸を一つして、今度こそ、かっこよくプロポーズを決めようとした。


「フミ。俺と結婚して欲しい」


「はい」


 フミはそのまま、俺の胸に飛び込んできて、思い切りクンカクンカしだした。





 俺とレインは、サイドのいう“正しい選択と行動”とは、世の中を進ませることと、アール公国を強大にすることで、世界を安定させることだと推論している。


 10年で100年分この世界を進ませる。世界情勢だけでなく、社会制度や、それに伴う人々の倫理感や道徳観までを含め、時計の針を進める。人々の間に人権意識が高まれば、自然発生的に平和主義の考え方が生まれ、大戦を避ける世論が沸き上がるかも知れない。


 それから、きたる大戦は、どことどことの争いか分からないが、一番可能性があるのは、帝国とアール公国との間だろう。俺たちが支援に動きやすいのはアール公国の方だから、こちらを強大にしておけば、大戦なんて起こり得ないのではないだろうか。


 レインには、魔法の訓練をしつつ、ギルドで仕事を受けながら、有能な魔法使いを発掘してもらう。


 仕事の合間には、フミも加え、レインと3人で魔法の訓練をする。俺の魔法は、この世界に来た時とは大違いで、すべての種類の初級魔法が使えるだけでなく、魔力量も前の世界での最大量と同じ気がする。レインとも話したのだが、記憶だけでなく、魔法の技術や魔力量も、今までの力が引き継がれている様だ。


「ロディオ様、おめでとうございます」


 ワイバーンの討伐の後、俺はまたしてもララノアに声をかけられ、メモを渡されてしまった。


「い、いやララノア。これはまずい」

「はい? 」

「と、とにかく今はダメだ。ダメだが、落ち着いたら、俺の方から連絡するから」

「はい、お待ちしています」


 俺は不思議そうな顔をするララノアに、慌てて手紙を返し、何とか正座イベントを回避することが出来た。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] 思うんだけど。 タイムリープ直前に誰かを掴んでいたら……この世界の存在だろうとタイムリープに巻き込んでしまうんでしょうかねぇ(ぇ [一言] そしてスペックそのままでタイムリープ……無敵…
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