93.試練
誤字報告有り難うございます。
ちょっと早めです。
早朝から冒険者ギルドに集合しました。気合は十分です。ふふふ、既に秘技を編み出した私達に怖いものは有りません。
いくらでも相手になってやりんす。えへ。
「おはよう。タエちゃん、ネイちゃん。今回の昇格試験はもちろんリトルボアです。試験官は……この方達にお願いしました」
「よ! おチビ達がんばんな」
「……お前達、慎重にな」
「師匠! カンナさん!」
「そうでーす。Cランク冒険者のサリーとカンナに試験官をお願いしましたよ。ギリギリまで介入しないで見極めてくれるでしょう。じゃあ、張り切っていってらっしゃい」
ちらちらと後ろを振り返りながらも出発です。え~、非常にやり難いのですが……。
「ネイちゃん。今日はアイテムボックス隠さなくても大丈夫だよ」
「……うん。秘技は?」
「あれないとリトルボアに勝てないから解禁です」
てくてくと歩いて西門を抜けます。そのまま西に広がる草原を縦断して、森に入る予定ですが……今日の分のズキ草は採取しておくのが無難でしょうか。
くっ。試験を理由に採取をバックレようと思っていたのにとんだ誤算です。仕方なしに採取しています。もう、余計な荷物が増えちゃいました。
「ん? 感心じゃないか。今日は試験だから免除してやろうかと思っていたんだが」
「お~、サリーの弟子にしちゃあ真面目だな」
なっ! もっと早く言って下さい。やっちゃいましたよ。
「え~と。今日はなしですか?」
「もう採取したんだからそのままやりなさい」
「「……」」
ズキ草の採取を終えて、西の森に向かいます。前回同様、お高い採取品を採取しながら獲物を探します。相変わらず一角ハウンドがウザいです。
一角ハウンドは弓で簡単に仕留められるので即行で仕留めてしまいます。その後の解体の方が手間ですが試験官が見てるのでちゃんと処理します。
その後も野鳥や一角ウサギ、一角ハウンドを処理しながら進んで行きます。獲物が豊富なのでそろそろズキ草が邪魔になってきました。
仕方なさそうにカンナさんが持ってくれました。勿論ニッコリ笑ってお礼も忘れません。この分なら他の獲物も持ってくれそうです。ラッキー。
リトルボアを見つけられないままお昼になってしまったのは前回と同様です。でも今回は木に登りません。師匠とカンナさんも近づいてきて一緒にお昼にするからです。
前回はEランク冒険者だったので逆に危険に巻き込まれそうだと思っていたのは内緒です。雨季も間近で地面が濡れていますが、師匠が火炎系の魔法で地面を焼いた後、乾燥もかけてくれましたので快適です。
いつも通りお昼の準備です。そう言えば私達だけの時のお昼に師匠とカンナさんが居るのは初めてです。何時もは食材やら獲物をカンナさんと師匠が狩ってくるので素材が全然違うんだよね。
ふふふ。ならば今日は一角ウサギと野鳥を丸焼にしてしまいましょう。師匠もカンナさんも大食いなので余らないでしょう。ちょっと豪勢に皮つきです。
師匠とカンナさんには1羽ずつ私とネイちゃんは半分こです。ん~、これでもカンナさんは足らないかな? もう1羽追加しておきましょう。
スープにも2羽ほどお肉を入れて、野菜に野草、ハーブも入れて塩胡椒。隠し味にはガリックと魚醤です。もちろん師匠達が持ち込んだ白パンも出して貰います。
丸焼は少々時間がかかるので、スープとパンで先に食事を始めます。ネイちゃんも丸焼は初めてなのでもうオヨダが垂れそうです。
でもまだまだ我慢です。弱火でじっくり焼かないと中までちゃんと焼けませんからね。くぅ~、いい匂いがします。徐々に焼けていくお肉、表面は既に香ばしくなってきました。
肉汁がドンドン滴ってきます。まわりがカリッとしてきましたけど、まだです。表面は焼き過ぎになるくらいが食べごろですから。
「さあ、召し上がれ。丸焼は格別ですよ」
「フォォ~~~」
待ちに待ったお肉です。みんなガッツキますね。では私も鳥さんからいきましょうかね。
「おぉ~、うめぇ~。なんだよ、お前達。いつもこんなの食べてたのかよ。普段はこんなのしないじゃんか」
「ふふふ。いつもは獲物が大きいからですよ。切り分けないと焼けないじゃないですか」
「うんめぇぞ。今度から一角ウサギも狩ろうかな~」
どうやらカンナさんには好評のようです。師匠はやや食べ辛そうですね。変にお上品なのでマイナイフとフォークで切り分けながら食べてますよ。
かぶりつくのが美味しいのですけどね。まあ、人それぞれです。ん~、美味しいですね。おや、師匠も諦めたようです。かぶりつきました。
さて、お昼休憩もまったりして堪能しましたので、午後の狩りに出発です。そろそろ前回戦った辺りまで来たと思うのですが、リトルボアはどこぞに居ますかね。
ちょっと真剣に索敵をしてみましょう。ふん。私の索敵範囲にはいない様ですが、ネイちゃんはどうでしょう。
「ネイちゃん。いた?」
「……いない」
当然これはパフォーマンスだよ。私達の索敵能力じゃ見つけられないのは分かり切ってるからね。チラッと師匠を見ると溜息一つ。
「右前方500メルだ」




