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87.結果発表~

 試験官達に宥めすかされながら手を引かれて漸くの帰還です。冒険者ギルドの扉を潜ってウェンディーさんの前に連れていかれました。


「ど、どうしたの! 何があった! ワイルドファングでも出たの!」


「え? あ、いや。出てないです。おい」


「お、おう。ま、まあ、最初は凄かったんだよ。うん。な!」


「ああ、凄かった。俺達も勉強になったくらいさ」


「そうだぜ。採取も狩猟もバンバンこなしてすっげぇ稼ぎまくりだったんだよ」


「そうそう。お昼には、スープに焼き鳥なんかもご馳走になってお茶まで飲んだし、美味しかったよな?」


「で、リトルボアを見つけてからが……。採った素材もみんなリトルボアに踏みつぶされちゃて……」


「いやいや、ちょっと作戦が拙かっただけで次はいけるって。な?」


「あ~、何と無くわかったわ。そう言えば最初にサリー達が連れていった時もこんな感じだったわね」


「ぐすぐす。リトルボアが曲がるんだもん。ぐすぐす。あいつらは真っ直ぐ進むべき!」


「……べき。くすん」


「そうなんだ。またボテ繰り回されちゃったんだ」


「し、仕方ねぇじゃんか。あのままだと死んじゃうかもと思ったから介入しちまったけど、リトルボアに殺されるって聞いた事ないな? ドン、ゴロゴロってすっげぇ転がってたから」


「……まあ、試験官の介入の件は仕方ないとします。いいよね?」


「あい……」


「え~と。結果なんだけど……もっと頑張りましょう……かな?」


「「あい……」」


 冒険者ギルド厳しいです。今までの功績値がパアです。最初からやり直しです。Fランクのままです。弓の弦も切れちゃったし、矢も折れちゃいました。完全な赤字です。


 帰りに武器屋さんによって修理依頼を出しました。1つ5000リンで引き受けてくれました。痛い、痛過ぎます。


 工房に戻ったら師匠が目を丸くしていましたが、リトルボアとだけ言ったら何も聞かれませんでした。直ぐにお風呂に入れてくれて暖かくしてくれました。


 ドロドログチョグチョの装備とお洋服は魔法1発で綺麗になっていました。ふんす。お風呂から出たらもう平気です。細かい事を気にしていたらこの世界では生きていけません。


 決してお風呂で遊んだからじゃありません。忘れちゃったわけでもありません。なんだかお風呂が楽しかったのは認めますが。


 お風呂から出た私達を見て師匠とカンナさんがホッとして居たようですが、お腹が空きました。今日はちょっと豪勢にベコンの厚切りステーキを焼いちゃいましょう。


 スープにはフワトロ溶き卵を入れてちょっとだけトロミもつけて香ばしく焼いたお肉は後入れです。


 はぁ~今日は疲れました。あ、15夜草だけはお高いのでアイテムボックスにコッソリ入れて置いたんでした。


 師匠~、これ採って来たよ。あげますね~。師匠はもう少し頑張ると言ってました。ベッドに潜り込んでおやすみなさい。


「ふぅ~。どうなる事かと思ったが、いつも通り直ぐ忘れてくれてよかった」


「いや~、いつにも増してボロボロだったな~」


「リトルボアが試験標的だそうだ……」


「あちゃ~。またなんでリトルボアよ。こいつらちょー苦手じゃんか」


「苦手克服がランクアップ条件らしい。私達の時はゴブリンだったか?」


「ああ、苦手なの無かったからな」


「ふぅ~。どうしたもんかな?」


「どうしたって、どうにもならんだろう? 相性が悪いだけだしよ。今のこいつらならワイルドファングだって仕留めるぞ」


「ああ、1匹ならな。どうしてこんなに動きが鈍いかな~」


「……仕方ねぇって。このくらいの内はこんなもんだって。魔法とかスキルとかは天才的なんだから運動音痴は勘弁してやれよ」


「そうだな。全部上手くやれる訳じゃない……か」


「その内、気の合う前衛職でも見つければ一気にランクアップするって」


 こうして私達の知らない夜が更けていきました。


 翌日工房の隅でネイちゃんと私はお話合いです。忘れてなんかいません。3度目ですよ! やつらに屈辱を受けたのは!


「ネイちゃん。私、気付いちゃった」


「……タエ」


「小太刀まだ早い! 見習うべきはカンナさんじゃないんだよ」


「……だれ?」


「よく考えて。私達って後衛だよ。師匠がズババババーンって斬ると思う?」


「……ない」


「ならば師匠は弱いかな?」


「……魔法でドン」


「そう! 魔法なんだよ。で、私達って魔法使えるよね?」


「おお! ……タエ天才」


「ここでもう気付いたと思うけど、見習うべきは師匠だったんだよ。魔法でドン、相手はバン。これだよ」


「……魔法でドン、相手はバン」


「どう? いけるんじゃないかな?」


「……広範囲魔法」


「あ、いや。それは魔術大全5巻以降だから無理しちゃいけない。今のままでも連射出来ればいいんだよ」


「……連射。出来る?」


「あ、え~と。出来ないけど、出来るように頑張る?」


「……修行」


「そう! 修行だよ。小太刀じゃなくて魔法の修行。私達はやれば出来る子だよ」


 イメージは某有名な戦闘民族マンガに出て来たやつだよ。手に入れろ! ドラゴ○ボール! 直ぐにでも甲羅を背負わないと!

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