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83.アイテムボックス4

誤字報告有り難うございます。

そろそろストックが尽きそうです。

「いや、今日はもう休憩にしよう。みんな疲れただろう?」


 全然平気です、師匠。このまま続行されてもなんの問題もありませんよ。ワクワク。


「全然問題ねぇ」


「右に同じ」


「……ネイちゃんも疲れてないよ?」


 全員の意見が一致したのでそのまま師匠の拘束です。え? なんでって、そりゃ飛ぶのが……げふんげふん。魔力暴走したら師匠が危ないからです。


「ちょ、ちょっと待て~。くっ。力ずくで拘束するな! カンナ、止めろ! お前の力で……足、足が動かん。ネイか! 素早い」


 テキパキと師匠の拘束が完了しました。うん。カンナさん、力持ちだからね。師匠程度じゃ暴れることも出来ないよ。


「爆発術式起動準備完了」


「ま、待て。爆発術式は私の体じゃ堪え切れない!」


「……防御魔法のおさらいをしておく」


「おっけー。一応私もしておく。魔術大全の3巻だっけ?」


「……違う。4巻」


 4巻か~。私じゃあ、ちょっと厳しいかな。まあ、なんとかなるよ。


「防御魔法の2重がけならきっと堪えられますよね? 師匠」


「くっ。お前達がちゃんと発動出来ればな!」


「え~と。爆発術式を起動して防御魔法はその後だから間に合うかな? ネイちゃんが先に唱えてくれるから、まあいっか」


「いい訳あるか~! タエ、逆にしろ逆。防御魔法が先だ」


「え~。危ないからダメですよ。緊急退避なんですから」


「魔力暴走の時はあたしがそのまま地下室に蹴り込む。ドア開けとけよ」


 おお! 空中を飛んでるときにネリチャゲかな~。ちょっとワクワクして来ました。こうして準備と再確認を終えて第2回レアスキル習得実験の開始です


「じゃあ、仕切りますね。師匠のアイテムボックス習得実験開始します。皆様躊躇することなく安全第一でお願いしますね」


「お前らの方がよっぽど危険なんだよ。余計な物を仕込んでしまった……か」


「ネイちゃん」


「……ポーション各種オッケ。防御魔法……ここに魔術大全広げておく」


「……ちゃんと覚えような。な! ネイ。今からでもいいから覚えとけ」


 カンナさんが屈伸運動をする中、実験開始です。


「では、師匠。お願いします」


 観念したのか素直に次元斬を唱える師匠。次元斬が空間を切り裂き、すかさず魔力の奔流が流れ込む。一連の流れの見事な事。流石は師匠。


 そのまま空間構築をしていると思われ。……次元の裂け目が閉じました。


「いや~、空間構築、難しいわ。全然間に合わん。良く出来たな、タエ」


「……もうガッカリだよ。カンナさん以下だよ。このみんなの情熱をどうしてくれるの!」


「そうだぞ、サリー。仕方ない。爆発術式行っとくか?」


「……ネイちゃんも賛成」


 みんながキラキラした目で師匠を見る中、タラリと冷や汗を流している師匠。


「まあ、待て待て。まだ実験は続くんだ。無駄にしてはいけない。取り敢えず拘束を解いてくれ」


 みんなは渋々師匠を拘束から解放するのでした。まあ、助言ちゃん達がいないんだから早々簡単に習得出来るとは思ってないよ。


 グダグダのままその日は解散しました。師匠は勉強へ、カンナさんは冒険者ギルドに行ってしまいました。


 うふふ。私? もちろん新たに覚えたアイテムボックスを試しに行くに決まってるじゃん。


「ネイちゃん、これでお揃いだね。うふふ。使ってみようかな~」


 ネイちゃんがスッと差し出したのは……。


「? 金だらい?」


「……これ練習する。そう教わった」


 なぜ金だらい? 嫌な予感がひしひしとするよ。前世の記憶が叫んでるよ。それはダメだと。


「え~と。もっと小さいのでいいんじゃないかな?」


「……心配ない。エルフの伝統習得法。一発で覚える」


 くっ。これ屈辱で覚えるんじゃないだろうね。絶対嫌なんだけど、ネイちゃんから確固とした意思を感じる。


「……収納は難しくない。問題は取り出し。さあ、収納して」


 やっぱり~! これお約束じゃんか~。くっそ~、やってやるよ。1回で成功させてやる。


「よ、よし。じゃあ、収納するよ。ふん!」


 あっさりと消えさる金だらい。問題はここからだ。集中集中。


「……手に意識を集中して。決して頭を思い浮かべないで」


 あ! やられた。金だらいを取り出そうとした瞬間ネイちゃんの悪魔の囁きが……。


 ガン!


「あう。 いった~」


 キャッキャと喜ぶネイちゃん。これ絶対自分もやられたんだな。


「……タエ。集中を欠いちゃダメ。金だらいだからいいけど危険なものだったらどうするの。さあ、もう一度収納から」


 やけによく喋る。でも目が真剣なんだよね。決してふざけてる訳じゃないんだよ。仕方ない収納するか。


「……今度はそのままで。急に取り出すときでもちゃんと出来るように練習。ネイちゃんが『頭』って言ったら出して」


 ! 難易度上げてきた! 掛け声が頭とか意地悪すぎでしょ。でも危険なものだったら本当に拙いんだよね。大岩とかだったら死んじゃうんだよ。


 この程度のお遊びで失敗してる様じゃ使えないってことだよね? あれ? ネイちゃんがやけに楽しそうなんだけど、気のせいだよね?


 この後昼餉の時にネイちゃんにやられてまんまと引っ掛かりましたよ。師匠もカンナさんも大爆笑だよ。

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