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7.猟師

感想などお待ちしておりますよ。ろしくお願い致します。

「おう。ちょっと邪魔するよ」


 なんとやってきたのは猟師のおっちゃん。どうしたんだろう? 今日は大分遅いからそろそろみんな寝る頃なのに。


「ああ、お前さんとこの娘が随分狩猟の腕を上げたみたいだから、猟師見習いとして技術を学んでみないかと誘いに来たんだよ」


 なるほど。ここ最近獲物が余って来たから猟師のおっちゃんの処に卸してるもんね。おばぁの所もそうだけど村の重要職業として薬師と猟師は真っ先に上がる職種だよ。


 薬師は医者の代わりとして、猟師は貴重なタンパク源の供給者として重宝される。薬師はおつむの出来、猟師は危険職としてなかなか後継者が育たない。


 そんな所にメキメキと頭角を現したものがいれば誘いに来るってもんよ。ははは。私のことなんだけどね。


「ん~、だけんども薬師のおばぁのとこでも見習いみたいな事さして貰ってるだ。うちのも女の子だからな~」


 なっ! お父さん、断る気なの。ダメだよ。猟師は儲かるよ。私くらいの腕があれば獲物に困らないもん。


「お父さん。私やってみたい。おばぁの所はこの娘でも出来るかもしれないし。私も教えるから。でも猟師は弓の腕がいるから私の方が良いよ」


 私は妹を指さして薬師はこの娘にしようと言ったのですよ。そうすればうちの家系から重要職が2人も出るのよ。村での地位がかなり高くなるってもんでしょ。村長の次くらいには大事にされるよ。


 ふふ。……女猟師。カッコいいかも♪ 『ナ○シカ』みたいなイメージよ。ついこの間まで『ち○ろ』みたいな扱いだったのに。『ジ○リ』好きだったな~。


「んじゃ、決まりだな。明日、日の出前に迎えにくっからまずは森の浅い所を回ってみんべ」


 そう言って猟師のおっちゃんは帰って行った。明日は猟師デビュー。一角ウサギ以外の獲物も獲れるかもしれない。期待が膨らむな~。



     ◇     ◇     ◇



 翌日、猟師のおちゃんに連れられて森に入った。もちろんCランク表示をしながらね。あるよあるよCランク素材。野原とは比べようもないくらい。


「ねぇ、おっちゃん。採取もしていい? 結構いい薬草なんかもあるんだけど」


「うん? ああ、おばぁに頼まれて多少は採ったこともあるが基本採取はあんまりしねぇぞ」


「え~~。なんでさ。行商の人に高く売れるじゃない」


「ははは。そりゃ獲物を獲った方が高くなるし、獲物が獲れりゃ運ぶのに一苦労すっからよ」


 あ、そうか。お肉って重いもんね。他の物で荷物が一杯とかあり得ないんだ。そかそか。なら、黒の助言ちゃん、Aランク以上の表示にして。


 あらら。タグ表示が全然なくなっちゃったよ。おっと、余計なこと考えてたらおっちゃんが止まれ、座れの合図を出してる。


「見て見ろ。あそこの木に|白雉≪はくち≫がいるだろ。雉はうめぇぞ。俺と一緒に狙え。呼吸を合わせて一緒に射るぞ」


 もちろん否やはない。短弓を直ぐ様構えて銀の助言ちゃんも呼ぶ。うん、凄い。呼吸が分かるんだよ。呼吸ってのは息じゃなくて間みたいな感じ?


 まあ、頭の中で銀の助言ちゃんのジェスチャーもあるんだけどね。もちろん私の矢が外れる事はないよ。止まってるんだもん。銀の助言ちゃんに合わせてるからね。


 ところがおっちゃんの矢は外れたんだよね~。どうやら私の事が気になって集中できなかったみたい。


「にひひ。あの雉は私の獲物でいいよね?」


「む~~。仕方ねえ。お前の矢だけだからな当たったのは。それにしてもよく合わせられたな~」


「うん。私もびっくりだよ。なんかそんな感じがしたんだよね」


「末おっそろしい娘っ子だな~。まあ、でもよくやった」


 その後は獲物の見つけ方、危険な物、足跡の見分け方、追跡法方を教わりながらさらに獲物を探す。どうやらおちゃんが足跡を見付けたみたい。


 足跡は2本の蹄があって桜の花びらみたいになってるやつ。どうやらワイルドファングらしい。ワイルドファングは結構おっかない魔獣。猪の魔獣だそうな。


 その体重は80~100キロにもなる。体高は私の首くらい2本の牙と2本の角が肩の辺りにあるらしい。当然のようにおっちゃんは追跡を始めるんだけど、ちょっと私はビビってる。だってワイルドファングはここら辺では一番の獲物。


 風下から回り込むように追跡して行く。特に獲物を追ってる時とか狙ってる時は注意することだって。その時に別の猛獣に自分が狙われてるかもしれないことに気をつけるんだって。


 そだよね。前ばっか気にして後ろから熊とかに襲われたらたまらないよ。山猫みたいなのが木の上から狙ってることもあるんだって。


 そんな話されたら後とか木の上とか気になっちゃって仕方ないじゃない。おっかなびっくり暫く追跡してたら居たよ。300メートルくらい先で地面を穿り返してる。


 辺りに注意しながらどんどん接近して行くんだけど、これ本当に狩るの? 確実に私より大きいんだけど。こわい。どうしよう。凄く怖いよ。

以下の様なものも書いております。よろしかったら見て見て下さい。

異世界農業物語~異世界で農業始めましたーhttps://ncode.syosetu.com/n0558dz/

異世界転生苦労譚~異世界だって甘くない~https://ncode.syosetu.com/n3637fl/

エルフ賢者の子育て日記―https://ncode.syosetu.com/n5068fk/

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