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66.とある錬金術師の一日(前編)

 ここ2日ばかり冒険者の仕事に邁進していましたが、錬金術もしっかりやらないと弟子でいられなくなってしまいます。


 今日は頑張って錬金術をしましょう。師匠の胸部装甲から頭を持ち上げ起きたところです。私達はまだ師匠と一緒に寝ています。客室は今、カンナさんが寝ています。


 昨日のお肉パーティーは盛り上がったので飲み過ぎでそのまま泊っていきました。ジュリエッタさんとマリーさんは夜の酒場の仕事が有るので早めに戻って行きました。


 ふかふかの師匠の胸部装甲に別れを告げ、身支度を整えたら厨房で朝食の準備です。ネイちゃんもちゃんと起きて来ますよ。どうも私が居なくなると不安なようです。


 いつも通り、メニューはパン、肉、スープです。パンは昨日残ったクロワッサン、お肉もモドキです。サイコロステーキにしておきました。カンナさんの分はかなり大きいサイコロです。


 朝食が出来る頃には師匠も起きて来るので、魔法で身支度を整えます。相変わらず片乳が零れてきそうです。


 ネイちゃんにカンナさんを起こしに行って貰いました。楽しげな声が聞こえて来てバタンバッタン音がしています。


 ネイちゃんを小脇に抱えたカンナさんが起きてきました。ネイちゃんもカンナさんの尻尾を小脇に抱えています。うん、なにが有ったか分かりました。ネイちゃんは興奮したのかほんのり顔を赤くしています。


 サッサと食事です。食事の後片付けは、師匠にお任せしてズキ草や師匠に言われた簡単な薬草とハーブを採取に行きます。もう慣れたもので小一時間ほどで2人で持ち切れる限界くらいの薬草とハーブを採取してきます。


 まだまだ朝は始まったばかりですね。ズキ草は洗浄、乾燥をサッサとしてしまいます。そのほかの薬草はそのまま使うこともあるので洗浄だけして師匠に確認です。


 師匠はこの間、錬金術大全を意欲的にこなしています。尊師の称号に追いつくためですから大変です。ちなみにカンナさんは居間で寛いでいましたのでお茶を淹れてあげました。


 残りの薬草の確認後、師匠に言われた処置をしてズキ草も粉末にしていきます。最近気付きましたが、魔力を多く込めると作業が捗ります。魔道具マジすげぇとか思いました。


 汚れも粒度もきちんと処理しているので特級粉末です。意外と洗浄魔法が無いと特級は作れないです。どうしても手洗いじゃあ汚れを落としきれないんです。


 まだ午前中ですが、パンの消費が激しかったので昼食の仕込みをしておきます。今日はカンナさんもいるので多めに作りましょう。


 あっといけない。師匠に出来た粉末の確認をして貰って無いや。助言ちゃんが居るので私は分かりますが、普通は出来たものを師匠に判定して貰います。


 最近はネイちゃんと私は別々に作っています。ネイちゃんも弟子ですからちゃんと作れるように修行しているんですよ。でもまあ、粒度さえ揃えて細かくすれば特級になりますけどね。


 時たまやらかします。面倒臭かったのでしょう。そうそう、粉砕機も改修されてきめ細かく出来るようになりましたよ。もう薬研は使ってません。


 この時は先生に評価を受ける生徒のようです。直立不動で粉末を見極める師匠を待ちます。って言っても一瞬なんですよ。鑑定持ちですから。


 これが合格すると師匠の薬学の授業です。薬草はもちろん鉱物、魔物素材、花、木、果ては土や水まで色々あります。薬師に合格するには知識が無いとなれません。その採取方法や道具、保存の仕方に処置の仕方と多岐に渡ります。


「師匠~、そろそろパンを焼かないとお昼に間に合いません」


「そうか。では今日はここまでにしよう」


 薬学大全4巻まで来ましたよ。全部覚えてるかはさておき。この頃には消費した魔力も大分戻ってきているのでパン焼きでまた消費しても大丈夫です。


 そのまま昼食の用意をしてしまいます。カンナさんは一応冒険者ギルドに顔を出しに行っています。なにも無ければ昼食に戻ってくると言っていました。


「ただいま~。今日は大丈夫そうだったよ~。肉を大分供給したからね~」


 帰ってきましたので昼食にしましょう。なんかこのまま居着いちゃいそうです。今日はスープじゃ無くてシチューです。クリームシチューにしてみました。


 カンナさんには大受けでしたね。やっぱ帰れないわ~とか何とか。大丈夫なんでしょうか?


 午後になって今度は人工魔石を製作していきます。魔道具の依頼などが入れば必要になってきますからね。魔石は自分たちで獲って来たものと別途クズ魔石を購入したものを使います。


 大きさや特色によって作り分けて在庫に補充しておきます。出来た人工魔石も師匠に見せるのはもちろんです。その後は魔術の勉強です。


 この間、魔力感知が出来なかったので、魔術大全1巻に逆戻りです。ひたすら魔力を飛ばす練習です。魔術に関してはネイちゃんに一日の長が有ります。魔法優遇種族ですからね。


 金の助言ちゃんが色々やってくれるのですが、感覚的なものなので今一つ分かりにくいです。……ここでハタと気付きました。私ってどうやってタグ付けしてるんだろう?


 魔力使ってる気がします。金の助言ちゃんも頷いてる。黒の助言ちゃんも出てきましたよ。ふんふん。視覚、聴覚なども使っているので一概に魔法だけではないようですが、見えない所や地面とかは魔力を伸ばして探っているようです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 『ネイちゃんを小脇に抱えたカンナさんが起きてきました。ネイちゃんもカンナさんの尻尾を小脇に抱えています。』 ネイちゃんが「かわいいオブザイヤー」決定だわ! それを淡々と説明してるタエもいい…
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