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61.オーダーメイド2

感想・誤字報告有り難うございます。

 革がバラバラだからお弟子さんやらで手分けしてどんどん切り出して行くよ。インゴットの加工は親方がかかりきりでやってる。部分ごとに切り出された革を奥さんやちょっと年季の入ったお弟子さんが縫い合わせて行く。


 早いよ。手分け出来るから早い早い。ほとんど工房総出で作っていくよ。余り物の革だし気兼ねなくどんどん作業して行くね。


 ははは。親方が怒鳴ってる。ナックルガードを付けるから革の細工しとけって。おっと、もう親方は磨き作業に入ったみたい。


 ふふ。お弟子さんが走って親方の手伝いに行くよ。まだ見習いかな? 磨き終わった部品を布で拭いてる。ピカピカだ~。


 うわ。ブーツ持ってかれちゃった。底板嵌めるんだ。ハンマーでガンガンやってるよ。カシメてるんだってさ。もうこれで取れないんだって。グニッと曲がってる。


 曲げた所をヤスリ掛けして綺麗に整えて危なくない様に出っ張りとか引っ掛かりが無い様にしてる。ふーん。綺麗になってくよ。


 ん? 彫金? ありゃ、模様まで入れてくれてる。そんな細かい所にちょいちょい模様を入れなくてもいいんだよ?


 鋲の頭にも彫刻入れてる! そんなに凝った柄じゃないけど、仕上げは親方が彫刻するんだ。全体に模様を入れ始めた。また磨いて、赤と青で色入れた! 額当てと同じ色だ。


 えへへ。いい仕事するじゃん親方~。小手は指の所に点々と魔鉄鋼が付いて、さらにその上をカバーで覆うようになってる。


 鎧も胸全体からお腹まである奴で背中とは紐で繋がってるんだね。そこで多少は調整可能と。全体に鋲打ちされてそこにカバーを付けてあるのは小手と同じかな。


 鋲は規則的には並んで無くて真っ直ぐな剣がぶつかってもどこかの鋲で受けられるんだ。考えられてる。まあ、カバーが有るからその前に防げると思うけど、カバーが取れても一定の防御力が有るんだ。


 脛当ては山になってて尖ってる。蹴ったら痛そう。そういう風に作ったんだろうけど、ブーツの底板からは突起も出てる。ちょっとやそっとじゃ滑らないよ。


「そら、完成だ。色々使ったから弟子には良い修行になった。小金貨2枚の仕事だ。ちょいと気合が入ったね。そこに立ってご覧。着けて上げるからよく覚えておくんだぞ」


 そう言って次々に新しい装備を付けてくれました。歩くたびにカチャカチャいうのは滑り止めのせい。土が剥き出しの所なら大丈夫。


 お、結構重い? ふむ。まあ、大丈夫か。インゴット丸々付いてるんだもんね。多少は重くなるかな。


「熱い素材を掴む時は右手。赤くなっていない鉄くらいなら持てるぞ。冷たい素材は左。氷くらいならずっと持ってても大丈夫」


「うん。右が熱いので左が冷たいのですね」


「そうだ。鎧は背中から着けて胸を着ければ脇で重なる様になってる。お腹は魔鉄鋼が無いから注意するんだぞ。脛当ては尖ってるから気を付けろよ」


「はーい」


「よし。完成。動いても良いぞ」


 シュシュと拳を突いたりジャンプしたりしてみたけど動きを阻害する事は無いね。胸のあたりがボテっとするけど仕方ないよ厚みが増したから。


「魔鉄鋼が灰色だからちょっと武骨になっちゃうけどしょうがない。そこは勘弁してくれ」


「戻ったら師匠が色付けてくれるって言ってましたから、大丈夫です」


「へぇー。金属に染色かー。錬金術師は違うな~。多少は微調整できるからきつくなったら何時でもおいで」


「はい。有り難うございました。バイバイ」


 ネイちゃんと武器屋さんを飛び出して師匠の所に戻りました。早く色を着けて貰うんだ。かっこよくなるよ。家に着いたらカンナさんもいました。装備を見せたら驚いていましたよ。シシシ。


「こりゃまた、変わったのを作って来たな~。普通は全身揃えるもんだけどな~。ん? そこそこいい素材使ってる? どうしたんだこの革? 結構かかったんじゃないか~」


「余り物を寄せ集めて作ってくれましたよ? 昨日の分け前全部渡して来ました」


「小金貨か。ちょっと足らなそうだが……寄せ集めか。考えたな」


「……右が熱いので左が冷たいの」


「そうかそうか。ネイ、ちゃんと覚えて来たのか。よし。色付けてやろう。そうだな、白、黒、銀、金くらいだな。どれにする?」


「「しろー」」


 満場一致で白に決まりました。師匠が何やら素材を出して来て、魔力を込めます。魔鉄鋼に触れるとそこから白い色が広がって行きます。塗装じゃない! 金属に色が浸み込んで行きます。


 流石に師匠の眉間に皺がよります。結構難しい? 鋲にも一個一個色を着けてくれました。ブーツの底板もです。白を基調に赤と青の紋様が綺麗になりました。革の部分はそのままだけどね。


「ふぅ~。こんなもんだろう。ちょっと疲れたな。中まで真っ白だから削れても白のままだ」


 おお、どうやったんだろう? 錬金術凄いな。いつか私達も出来る様になるんだろうか。先は長そうです。


「……魔術紋は練習がてら自分達で刻ませるか……。そうしよう。明日から魔術紋を刻むぞ。もうひと段階上の装備にするんだ」


 何やら師匠が修行を決めたようですけど、どんどんやる事が増えてる気がします。魔力感知に魔力制御、粉末作りに、ポーションでしょ。魔法と素材の勉強に魔術紋か~。


 ネイちゃんの眉間にしわが寄っちゃった。

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