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60.オーダーメイド

誤字脱字報告有り難うございます。

ブクマ・感想ありがとうございます。

「師匠。今日は鎧作りに行ってきます。昨日貰ったお金で作れそうでしたから」


「ん~? そうか。ちょっと待ちなさい。……これも使っていいから部分鎧にして貰いなさい」


 なに? 金属? おわ、軽いよ。本当に金属かな? なんだろうこれ?


「これ、なんですか? 金属っぽいけど軽いです」


「ああ、私が精錬した魔鉄鋼のインゴットだよ。元々はただの鉄だったものを精錬して魔鉄にした後、さらに強度を上げる処置をしたものだ。魔道具の材料版? かな?」


 何やら凄そうです。でも使っていいと言われたので気にせず使いましょう。ふふふ、色も綺麗です。燻銀?


「綺麗な光沢ですね。艶々してます」


「ふふ。鎧が出来上がったら色も付けてあげよう」


 おお。なに色でも良いのですか? 額当てと同じような色使ってネイちゃんとお揃いにしようかな。


「じゃあ、行ってきまーす」


 ネイちゃんと手を繋いで駆け出しました。新装備です。今付けている鎧モドキも好きですけど、ただの皮なんですよね。左胸の所に三角形みたいのが付いているだけなので心もとないです。


「はいよ。気を付けて行っておいで。お昼までに戻ってくるんだよ」


「「はーい」」


 必ず戻ってきましょう。お昼を食べ損ねる訳にはいきません。今日もジュリエッタさんの所でしょうか。


 行くのはこれまでもお世話になっている武器屋さんです。そこしか知らないと言うのも有りますけど、特に不満も無いので。


 冒険者ギルドの方なので距離はちょっとあります。走って行けばすぐです。商業区の市場をひやかしながら一応良い物がないか探します。胡椒がなかなか見つからないので、ちょっと焦り気味なんですよね。


 ん? あのふさふさの揺れているのは! 金茶色で先っぽだけ白いのは! ネイちゃんあれ、捕まえていい奴だよ。


 だーっと一目散に走り寄ってばふっと抱きつきます。きゃー、もふもふだー。あっはっは。また捕まえた―。


「んあ? チビちゃん達か。どうした?」


「カンナさん。おはようございます。これから鎧作りに行くところです。オーダーメイドします」


「はいさ。おはよう。そかそか、今着けてるのじゃあんまり効果ないもんな~」


「はい。カンナさんはどこに行くんですか?」


「ギルドだよ~。ウェンディー達が困る様な依頼が来たら片付けてんだよ。なにも無ければ寝てるか酒飲んでるだけのお仕事~」


「じゃあ、なにも無かったら午後、狩りに連れて行って下さい。北は怖いから西で」


「ん? ん~。ま、いっか。サリーは?」


「一応声掛けますね。お昼までに戻ってきなさいって言われてますから、一緒にお昼もどうですか?」


「ああ、それじゃあ~。サリーの所に行ってるよ~」


「はい。じゃあ、急いで鎧作ってきます。ネイちゃん行こう!」


 カンナさんの尻尾を抱きしめていたネイちゃんもコクコク頷いてまた駆け出しました。カンナさんにバイバイしながら走って行きましょう。カンナさんも小さく手を振ってくれました。


 双子刀をぶっ込んで来た武器屋さんです。カランと扉を開けると音がなります。


「おじちゃん。おはようございます」


「お、嬢ちゃん達か。どうした? 何か問題あったか?」


「ないです。昨日師匠達と狩りに行ったら稼げたので鎧作りに来ました。あとこれ師匠が使いなさいって言ってました」


 ごとっとカウンターに置いたのは魔鉄鋼のインゴット2つです。私とネイちゃんの分です。鈍色に輝いています。


「おお、魔鉄鋼か。お師匠さんは錬金術師かな? 予算はどのくらいあるんだい?」


「これで」


 昨日貰った小金貨をお財布代わりの小袋から出してカウンターに置きます。もちろんネイちゃんも私の真似をして出しましたよ。ふふふ。今は生活にお金がかからないので全部使っても大丈夫です。


 宿屋さんからも定期的に不労所得が入ってきますからお小遣いにも困ってません。その代わり毎日しごかれますけどね。錬金術厳しいです。


「ありゃ。結構な金額だね。大丈夫かい?」


「はい。昨日師匠達に貰った分け前ですから、今日も午後から行くんです。また分け前貰えると思います」


「なるほど。高位冒険者が師匠についてくれたんだね。ラッキーだったね。そうすると結構な額だしインゴットもあるから小手と脛当ても作っちゃおうか?」


「お金足りますか?」


「うん。革を今ある奴で良いならね。ブーツにも底板入れちゃおう。嬢ちゃん達のはちっこいからインゴットが余っちゃうからね」


「じゃあ、お願いします」


 体の寸法を測って貰いました。使う革を選んでいる間にインゴットを加工してしまうらしいです。奥さん? と革を選んでいます。蛇、鰐、熊色々な革が有りました。どれも魔獣ですよ。


「ネイちゃんどれにしようか。奥さん、お薦めはどれですか?」


「そうだねぇ。お嬢ちゃん達は直ぐに大きくなっちゃうから、そこまで値の張る革じゃ勿体ないだろうから、……そうだね~、嬢ちゃんたちじゃそんなに材料も使わないだろうからこれとこれ、これなんかも使っちゃえ。他の冒険者の使った余りの寄せ集めだけど、良いものだよ? どう?」


 おお、何か聞いた事無い魔獣の革を寄せ集めてきましたよ。小手も右と左じゃ違う革を使うのか~。右が耐熱、左が耐寒なんだ。鎧部分は強度が高い魔獣と本当にバラバラですよ。でも面白いかも。


「えへへ。ネイちゃんどうする? 面白いかも。全部バラバラでお揃いは私達だけだよ」


「……お揃いで良い」


 これだけバラバラだと世界で私達だけのオリジナルになっちゃうね。こんなバカな作り方する人居ないもんね。どうせ直ぐ着れなくなっちゃうからいいよね? ちょっとくらい遊び心入っても。


「うん! じゃあ奥さんにお任せする。おもしろそう」

他の事で全然書けていません。どうしよう。書き溜めてた分がガンガン減ってるよ~。


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