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57.初級魔法

 ここは西の森、外縁部でも奥の方です。ここまで来た事はありません。ちょっとビクビクしていましたが、師匠とカンナさんが居るので安心です。


「よし。この辺で薬の材料を集めるぞ。キノコ系がお薦めだ」


 なるほど。水茸とか白キノコ、痺れ茸とかいいですよね。Cランク以上が分かる様に設定します。結構ありますね。なるほど。この辺はキノコの生息地なんですね。


「白キノコの群生地発見したよ。ネイちゃん半分位採って帰ろう」


 コクコク頷くネイちゃんと一緒に採取して行きます。なるたけ大きなものを採りますよ。小さいのはかわいそうですからね。これは薬になりませんが、食べると美味しい奴です。


「お前らな~、そんなの採ってないで稼げる奴取りなさい」


 おお、カンナさんに注意されちゃいました。仕方ありません。白キノコはこの辺で勘弁してあげましょう。ん? ネイちゃんが何か見つけたようですね。


「なになに? ネイちゃんなんかあった?」


「……これ。お高い?」


 どれどれ。おお、高級キノコ! マッタケです。3本もあります。これすごく美味しい奴ですよ。お値段も高い。Bランクです。


「きゃー。ネイちゃん凄いよ。これお高いキノコ。凄く美味しい奴」


 嬉々としてネイちゃんが採取しました。師匠達は安いキノコなんか目もくれずお高いものを物色してますね。


「サリー、来るぞ~。ワイルドファングの番だろう~」


「分かった。動きを止めるだけにしてくれないか? 弟子たちの魔法の訓練にする」


「マジか~。そう言うのやるんだ。めんどいな~」


 ぶつぶつ言いながらも獲物が向かって来る方に向き直ります。ワイルドファングが来たと思ったら大剣の腹でゴンと頭をぶっ叩きました。


 ワイルドファングが動きを止めフラフラしています。目を回したに違いありません。足元がしっかりしてくるとまたゴンとやります。なんかかわいそうになってきました。


「それ、カンナが止めているから魔法を使ってみなさい。ん~、ファイヤーアローで良いか」


 おお、この間習った奴ですね。魔術大全2巻に載っていました。どうする? ネイちゃん呪文覚えてる?


《火よ鏃となり、炎の矢羽を纏いて敵を撃て! ファイヤーアロー!》


 ね、ネイちゃん! 凄いよ。ちゃんと呪文覚えていたんだね。私、覚えて無かったよ。直ぐ使うと思わなかったから。


 ネイちゃんの炎矢がワイルドファングの横に突き立ちました。ジューって音をしながら根元まで地面を焼いて消滅しました。


 うわぁ~。そうなるのか。突き立った所を炎矢全てで焼くんだ。でも残念外れちゃったね。よしよし今度は私の番だね。


 魔法の発動には問題が無いのに当たりません。何度も挑戦していますが、狙った所の周囲1メルくらいに当たります。もちろん師匠を振り返りますが、顎をしゃくって続けろの指示です。


 結局最後はカンナさんが仕留めました。その辺の木に吊るして血抜きを行います。師匠が氷魔法(?)でお肉を冷やします。温かいままだと肉質が落ちるそうです。


 ワイルドファングを吊るしたまま採取再開です。放ったらかしで良いのか気になりますが師匠達は気にも止めません。お高い素材はサッサと師匠達が見つけて採取しちゃいます。


 これは……実力差が有り過ぎて何も出来ません。ちまちまとちょっとお高い素材を集める程度です。Cランクハンター恐るべし。


「師匠早いです。そんなにサッサと採られちゃったらなにも出来ないです」


「ん? ああ、そうか。すまん。すまん。私は鑑定持ちなんだよ。素材が見えてるんだ」


 なんと、ここにもレアスキル持ちが居ましたよ。ならカンナさんは? カンナさんを見るとバツが悪そうに頬をかいています。


「ん~、あ~。あたしは匂いで分かるんだよ。獣人だから」


 ……どうやっても無理な回答頂きました。いや、嗅覚強化スキルとかあるのか? どちらにしても実力不足と言う事ですね。


「長年やってるとどこに何が有るか何って覚えちゃうだろ? その辺を見れば鑑定で有るか無いか分かるし無ければ次を見れば良いだけだから簡単だろ?」


「それって、鑑定持ちだけですよね? 普通の人は見に行って探して無いやと諦めるんですよね?」


「ま、まあ、そうかな」


 これは助言ちゃん使っても敵わないんじゃないかと思います。だってタグを読んでいる間に採られちゃうんだもん。


 今回は仕方ありません。お安いので我慢しましょう。お安いのは師匠達は無視するからね。それでもCランクくらいの素材は残りますから。


 その後レッドブルも来ましたよ。今度はウィンドカッターの練習です。


《風よ集え、薄刃になりて敵を斬り裂け! ウィンドカッター!》


 ネイちゃん流石です。ちゃんと呪文を覚えてるんですね。まさかと思いますけど優遇種族だからじゃないですよね?


 私なかなか覚えられませんよ? ネイちゃんの魔法習得が早い気がします。洗浄は苦労していたのに、師匠が居ると居ないとではこんなにも違うんですね。


 でも当たらないんですけどね。おかしいな。全然当たらない。私だけならともかくネイちゃんですら当たりませんよ。何かあるんじゃないかな~と思います。


 直ぐに師匠が教えてくれたんですけどね。魔法制御がなって無いそうです。そりゃそうでした。だって魔法制御なんて練習してませんもの。魔術大全1巻にあるそうです。読み飛ばしました。はい。すいません。

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