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46.お師匠様3

遅くなりました。すみません。

「今日は軟膏の検証はもう無理そうだな。よし飯にしよう」


 厨房に入って私は膝から崩れ落ちました。汚すぎる!


「お姉さん師匠~。酷すぎます。虫が湧きますよ」


「あははは。そ、そうだな。うん。片付けようか」


 そう言うとお姉さん師匠が部屋全体に洗浄の魔法をかけました。凄いです。この部屋全部に魔法を掛けちゃいました。汚れや食べ溢しなど一気に無くなって綺麗になりましたけど、物はそのままです。


 出しっ放しの調理器具や皿などをちゃんと箪笥に仕舞い直し溜ったごみも捨ててきました。小一時間ほどで人が住めるようになりましたよ。


 魔法が無かったらと思うと気が遠くなります。まあ、まだ厨房はましです調理機材しかなかったので仕舞う所も全てちゃんとありましたから。居間とか客室とか気が遠くなります。


 テーブルの上に出て来た夕食はパンとチーズとワインでした。……うそでしょ。


「さあ、食べなさい。簡単なものだが量だけは有るから」


 無言でキッチンに立ち、ネイちゃんと2人で調理開始です。流石は錬金術師と言う事でしょうか保冷庫の魔道具が備わっていましたので中を漁ります。


 お肉にお野菜も有りました。これって保冷だけじゃなくって時間延長とかの効果も有りそうですね。驚きです。


 お肉はネイちゃんに任せて、私はスープ、いえシチューにしましょうか。ゴロゴロお肉のビーフシチューなんてどうでしょう。トロトロ柔らかお肉の入ったシチューはきっと美味です。


 トマートペーストが無いので直接作っちゃいましょう。一応トマートは有るようなのでソースも大丈夫でしょう。


 おっ。ネイちゃんはステーキにするようですね。ついでにシチューに入れるお肉の表面も焼いて貰いましょう。その間にお野菜もカットして、香辛料も刻みましょう。ガリックは多めが好きです。


 ジャーとみじんに切った玉玉ねーぎ、パッセリなどを炒めてそこに茹でたトマートを濾して作ったペーストなどを投入、乾燥ハーブもどんどん投入して焼いて貰ったお肉もぶち込みます。


 いい感じになったら赤ワインを投入です。ドボドボと入れて味を整えたら後は煮込むだけです。


 ステーキも焼き上がってきたようですね。ん? スライスしてパンに挟むようです。なら、チーズも薄切りにして今、ネイちゃんが作ってくれたパンに乗せ着火の魔法で焙ったら出来上がりですね。


 サラダも作ってハーブ塩とオリブオイル、玉玉ねーぎのみじん切りなどと合わせて即席ドレッシングです。シチューはまだ煮込みたいところですが、仕方ありません。


 他が完成してしまったので煮込みが足りませんが食べましょう。お皿に盛ったら出来上がりです。


「はい。出来ましたよ。お姉さん師匠。食べましょう」


 テーブルに並べられたそこそこ豪華な料理を見て唖然としているお姉さん師匠ですけど猛然と食べ始めました。


「う、美味い! これじゃあどっちが面倒を見てるのか分からないな」


「えへへへ。お母さん直伝です。色々材料があったらもっと美味しい物作ってくれたんだろうなと思います。もう無理ですけど」


 ネイちゃんのステーキはわさぶ塩味ですね。うん。上手に焼けてます。ウェルダン位でしょうか。ミディアムだとおっかないので上出来です。


 シチューは煮込みが足らないのでスープっぽかったですが明日には美味しくなっているでしょう。ネイちゃんがトローリチーズの乗ったパンに齧り付いています。


 どこぞの山に居る少女の様です。お肉が挟んであるのでこちらの方が上ですね。


 がつがつと食べたところでみんな動けません。食後のハーブティーを出してしばし休憩です。


「はぁ~、美味かった。久しぶりに美味い飯食った。そう言えばジュリとマリーの所も繁盛していると言う噂が有ったがお前達何かしたな?」


「えへへ。ちょっとだけですよ?」


「この肉、わさぶ味だったものな。うん。わさぶ食べられるんだな~。こりゃ、あいつらが面倒みるはずさ」


 暫く料理で歓談した後、お姉さん師匠に連れられて奥に行きます。なんとお風呂です! ああ、やっとお目見えしました。汚いですが。


 そこは魔法一発です。散らかった桶やらを片せば、立派なお風呂になりました。どうやらお姉さん師匠のご自慢らしいです。


「いやー、久しぶりの風呂だよ。1人じゃなかなか面倒でな。これを作った時は毎日入るぞって誓ったものだが、気が付けば久しぶりだ」


 お湯も魔道具が有りました。直接お湯を生みだすのは魔力がいくらあっても足りませんので水は井戸から引いて有るそうです。


 今は湯船に3人で浸かっています。ちょっと狭いですが、ネイちゃんをお姉さん師匠が抱え、足の間に私が収まっています。


 濡れた体と髪の毛は乾燥の魔法一発で水気を飛ばします。これは加減を間違うと自分が干からびてしまうので注意が必要です。でもお姉さん師匠があっさりと熟すので問題ありませんでした。


「よし。今日はもう寝るぞ」


 どこで寝るのかと思いましたが、お姉さん師匠のベッドに3人で寝る様です。私とネイちゃんを両脇に抱えてお姉さん師匠に抱っこされて寝ました。


 枕はお姉さん師匠の胸部装甲です。少し揉んでみましたが、ふわふわでした。羨ましい。

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