38.強化1
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調味料達は順調に稼ぎをあげている今日この頃、狩猟と採取は採算割れを起して来ました。収穫量がドンドコ減ってしまったのです。
当然と言えば当然なのですが、同じ場所なので。そうです。私達は西の森手前の草原部分でしか採取・狩猟を行っていません。
森の外縁部にちょこっと入って狩猟はしましたが、ほんの短時間で抜ける様にしていましたからほとんど何もしていないのと同じです。
となると考えるのは場所変えですよね。北は直ぐに森なので危な過ぎで却下。東でちょろちょろ稼ぐ手もありますが、きっと西の草原部と同じかそれ以下になる可能性があります。見習いや駆け出し諸君の絶好の場所なので競争率が高いのです。
あとは西の森に入るですね。ふぅ~。恐いですよね~。猪、強いです。魔力による身体強化、気闘法による強化これがあればとも思いますが、元々の能力を強化する訳ですからそこが……子供ですから。
それと警戒系の能力が低い事も不安要素です。不意の遭遇による接近戦。私達弓ですから中、遠距離攻撃なんですよ。2人とも。
「ねぇ。ネイちゃん、ここの所稼ぎが減って来たから貯蓄を食い潰し始めたんだよ。どうしようか?」
「……お肉……減る?」
「う、うん。お野菜体に良いから食べようね」
「……うん」
「それでね。西の森に入れば稼ぎが復活どころか倍増も夢じゃないんだけど、今のままじゃおっかないじゃない?」
コクコクと頷いてくれるネイちゃん。お目目が肉マークになっている気がするよ。
「それでね、お金があるうちにギルドの新人教育を受けようかと思うんだけど、頑張れるかな? 武器の扱いとか教えてくれるんだよ。何か接近戦用の武器とかも教えて貰っておこうかなって」
ネイちゃんったら小首を傾げて考えてるのかしら。かわいいからいいんだけどちゃんと理解してくれているのか怪しい。
「……?」
結局よく分からなかったみたい。な~にってな感じで頭の上にクエスチョンマークでも浮かんでいそうだよ。
「えーと。ギルドで勉強してから行こうってこと」
ギルドって聞いてちょっとビクンとしたけど、うん。ギルマスを思い浮かべるよね。恐いもんね顔が。
「……うん。タエがするならする」
きゃ~。かわいい~。もう、もう。ギュってしちゃうぞ。かわいらしく私と一緒ならなんて、なんて健気なのかしら。
◇ ◇ ◇
と言う事で久しぶりにギルドにやってきました。私達が受けてる仕事は常時依頼と言って何時でも受け付けていますよと言うもの。
なのでわざわざ受付処理をしなくても獲物を持ってくれば買い取ってくれます。なのでギルドに来なくてもいいんだよね。
一応角とか毛皮とか羽なんかは売りに来ていますけど、コソッと来て売買カウンターでコソッと売り払って速攻で帰るなんて事をしてました。一回100リンくらいにしかならないんだけどね。
ギルドの入り口で中の様子を窺います。狙うはいつもの受付のお姉さんです。まだ名前を聞くことも出来ていませんが、全身で抱きついた仲です。良い様にしてくれるはず。
居ました、居ました。やや奥の方の受付にお座りになって同僚の方でしょうか、お話になっています。素早く侵入してダッシュでカウンターまで向かいます。
横手からニューっと黒い影が来ないか緊張します。ネイちゃんの手を引きながら何事も無く辿り着きました。ホッとしてしまいますね。
「あ、あの」
声を掛けましたが、いつものようにキョロキョロした後カウンターから身を乗り出して私達を見つけてくれました。うん。大分慣れて来たご様子。
「あら? しばらくぶりね。最近見かけないからちょっと心配していたのよ。元気そうで何よりだわ」
「はい。常時依頼でしたのであまり来る機会がありませんでした」
「そうね。それで今日はどうしたの?」
カウンターに身を乗り出しながらの会話が辛くなってきたのか、ひょいっと飛び越えて私達をカウンターの上に載せます。
またカウンターを飛び越えて中に入ると私達を持ち上げてカウンター内の椅子に座らせてくれました。
「えっと。西の草原で仕事をしていたのですけど、獲物が減ってきました。森に入ろうかと考えましたけど恐いのでギルドの講習を受けてからにしようと思いまして来ました」
「……来ました」
「まあ、そう。いい心がけだと思うけど、そこそこお金もかかるわよ? 大丈夫かな?」
「はい。西の草原は結構獲物が残っていましたので、稼がせて貰いましたから。余裕があるうちに講習を受けておきたいと思いました」
「は~い。それならいいわ。ギルドの初心者講習はかなりいいわよ。中堅くらいまで十分通用するから損は無い筈よ。一人10000リンです」
!!! 思っていたよりかなり高いです。もちろん持ち合わせは有りますけど、オーダーメイドの鎧が遠のきました。
「け、結構なお値段ですね。見習いや駆け出しで受ける人っているんですか?」
「うふふ。全員受けるわよ。だって昇格の義務だもの。これ受けないと昇格出来ないのよ」
驚きの新事実でした。これはギルドの方針でいくら自己責任の冒険者でも新人の死亡率の高さの改善のためらしいです。
それでも講習を受けないで、無謀な挑戦をして死んで行く新人が後を絶たないとか。きっと10000リンが高過ぎるのではと聞いたところ、このくらいのお金を稼げないようなら昇格なんて夢のまた夢らしいです。
世の中って厳しいですね。
以下の様な物も書いています。
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