28.生活魔法2
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「……呪文唱えると出来る?」
ネイちゃん先生が小首をかしげながら教えてくれました。おお、呪文一発で誰でも使えるのかそれは素晴らしい。
《火を付けよ! 着火!》
物凄く恥ずかしかったですが、呪文を唱えてみました。私の指にはそよ風が絡む一方です。ですよね。呪文唱えるだけなら誰にでも出来るもんね。
それなら世界中で魔道師がわんさかいる筈だもん。街の娘さんが実は大魔道師とか指先一つでドラゴンを斃すとかになっちゃいますもんね。
「先生、呪文だけではダメの様です。次はどうしたらよいのですか?」
「……知らない」
先生が即行で投げ出しました。これだから魔法優遇種族は! 感覚で使いやがって……。なるほど。
「先生は魔法を使う時はどのようにしているのですか?」
「……お胸のあたりの暖かいのを体中に巡らせるの」
少し前進しました。胸に何かあるようです。『暖かいの』これがキーワードでしょう。恐らく魔力とかそういうものだと思われます。真琴の記憶がそんな事を言ってます。
するとまずその魔力を感じないとダメなのでは? ここまで推論が立ちました。
「では先生その暖かいのを感じるにはどうやったらいいでしょうか?」
「……え~と。感じないの? どうするんだっけ? う~んと」
ネイちゃんが悩み始めちゃいましたが、何やら昔の記憶を掘り起こしているようです。暫くそっとしておきましょう。
するとネイちゃんが私の胸に手を当ててこんな感じで~とかぶつぶつ言ってます。ゴフッ! 突然胸に衝撃が走りました。何事が起きたのでしょう?
「……感じた?」
「……どうやらダメだった様ですのでもう一度お願いします」
消え入りそうな声で私はネイちゃんにお願いしてみました。衝撃しか感じませんでした。ちょっと体が保つか心配ですが、いきなりじゃなくちゃんと感じようと思います。
ゴフッ! いきなり来ました。まるで分かりません。才能がないのでしょうか? そんな事はない筈です。女神さまのサポートがあるはずですから。
「……先生。やる前に行くよとか声を掛けて頂ければ幸いです」
「……う、うん。タエ、大丈夫?」
「……うん。ワイルドファングにやられた時よりは大丈夫だと思うよ?」
と言う事は人生で2番目の衝撃と言う事です。そんなに数は耐えられそうにありません。仕方ありません奥の手を使いましょう。助言ちゃんずカモーン。
((……))
これから魔法を感じようと思うのですが助言があったらお願いね。さあ、ネイちゃん準備は整った何時でも来い。
「……じ、じゃあ、行くよ?」
来ましたドンと来ましたよ。グハッ! そうこれが魔力なんでしょうか。何やら塊がぶつかって来たように感じます。
(解。……魔力。……衝撃。……感知。……物理。……攻撃。……受)
(告。……受け身。……推奨)
な、なるほど。魔力が物理現象としてぶつかってきていたのですか。魔力のまま放出して貰いましょう。でないと物理現象しか感じません。
「せ、先生。ま、魔力のままぶつけることは可能でしょうか? どうも塊がぶつかってきています」
「あっ。……そかそか。次は上手くやる」
良かった。気が付いてくれたようです。次で決めてくれると助かります。そろそろ私の胸が限界です。
「……じゃあ、いくよ」
心なしかネイちゃんが明るくなりました。何かに気付いたのでしょう。
ふわっと暖かい風の様なものを感じましたこれですかね? 流石はネイちゃん。一発で上手くやってくれました。
(宣。……魔力風。……感知)
きた~~~~~。金の助言ちゃんがやっとお出ましになりましたよ。待ってましたよ。これで大分進歩した筈です。でも少し休ませて……。
◇ ◇ ◇
しばし休憩ののち再度ネイちゃん先生と向き合っています。少し気絶していたようです。ははは。ここ危険地帯ですよ?
金の助言ちゃん、魔力って何?
(宣。……世界。……満。……力)
うーん。結構あいまいだな。風みたいなのを感じたんだけど……私の中にもあるの?
(宣。……是)
どうやったら感じ取れるかな~? ネイちゃんから受けたのは外から風の様なものが吹いてきて体の中を通って行ったような感じだよね。
ネイちゃんの暖かい風をそのまま自分の中に溜めるようにすればいいかな? できるのか?
「ネイちゃん先生。もう一回魔力を当ててみて下さい。今度は私が上手くやります」
「……大丈夫? じゃあ、行くよ」
気絶していたせいか、体を心配されてしまいました。でも大丈夫です。物理衝撃でないのなら。痛く有りません。
おお、来た来た。これを捕まえる様に……って難しい。ああー通り抜けて行っちゃいます。待って~。
(宣。……スキル。……魔力。……感知。……レベル1。……取得)
やった! どうやら魔力感知スキルを取得できたようです。すると捕まえるためには魔力操作とかですよね?
よしよし順調ですよ。未知の物なのに私頑張ってるよね? うん。確かに胸の所に暖かいのある感じ?
ならこれを巡らせるんでしたっけ? ム~、ム~。ん? ちょっと動いた? もっともっとかき混ぜる様に動け~。
(宣。……スキル。……魔力。……操作。……レベル1。……取得)
よ~し。いいよ、いいよ。金の助言ちゃん。甘甘でいいからスキルちょうだい。なら後はスキル全開で呪文を唱えるだけですね。
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