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14.旅立ち2

誤字報告・ブクマ・評価有り難うございます。

 村を発って最初の野営地、マークお兄さんは芝刈りに私は川に洗濯に行かないで馬に水をあげてからそこらへんの小枝で火を熾した。周囲に落ちている枝をかき集めて一応焚火らしくしておく。


 焚火に鍋を掛けて水を沸かし、さて次はどうしようかしら。マークお兄さんはもうちょっとかかりそうだから一角ウサギでも仕留めて晩のおかずにしようかな。


 弓を担いで黒の助言ちゃんに従って獲物にまっしぐらに進んで行く。いたいた。弓を構えてひょ~と放つ。2人だから一匹でいいかな? その場で捌いて持ち帰る。


 ふむ。まだマークお兄さんは掛りそうね。お肉の下準備をして、もも肉は焙り焼きにしましょ。あばらは骨から外してスープに入れればいいか。


 火にかけたお鍋に野草を少々とお芋と根菜を少々ウサギのカルビ肉を乱切りで入れて各種ハーブを投入。あとは灰汁を取りながら煮込んでお塩で味を整えれば完成ね。


 もも肉の焙り肉は、お塩で下味を付けてから遠火でじっくり焼いておこう。中まで火が通ったら近火にして表面をカリッと仕上げて特製ハーブ塩で味付けすれば、美味しく出来ました~♪


 さて問題はこの酸っぱい黒パンだけど、直火で焙って先ず柔らかくしてこれまた特製ハーブガリックバータラドーを塗ってもう一度焼けばオッケーね。


 よし。ご飯の準備は出来た。おっそいわね。どこでほっつき歩いてるのかしら。たかだか薪を集めるだけで。


 ガサガサと藪が鳴ってやっと帰って来た。


「おまたせって、あれ? もう準備出来てる?」


「おかえりなさい。その辺の枝で火を熾しただけだから、足しておいて。それとお馬さんを馬車から外して上げたいんだけどやり方が分からなかったからそのままなの。外してあげて」


「う、うん」


 マークお兄さんが馬を繋ぎ直して、薪を足し終えたところでご飯の時間。スープをマグカップに注いでお兄さんに渡す。焙り肉にはもう一度ハーブ塩を振り掛けて、ガリックバータラドーパンと一緒に渡したよ。


「さっ、食べましょ。お肉はさっき狩って来たのよ。どうせ質問するんでしょ?」


「え? あ、そうだね。いや、凄く手際が良いね」


 そうかしら? マークお兄さんの手際が悪いだけじゃないのかな? そんなことじゃあ限界集落じゃ生きていけないわよ?


「うまっ! えっ? どうしたのこれ? えっ? あ?」


 何かマークお兄さんが物凄く混乱してる。美味しく出来た自信はあるけど、結局このハーブ塩のお陰なのよね。お母さん直伝のハーブ使いを元にブレンドし直したんだから美味しい筈よ。


 パンは焼くと柔らかくなって酸味も飛ぶから美味しくなるものね。問題はバータがお高いからラドーで嵩増ししてるのをガリックで誤魔化してるんだけど意外といけるわね。


「お兄さん、もも肉も美味しいよ? お母さん直伝の焙りハーブだもん」


「うん。凄く美味しいよ。いや野営地でこんなに美味しくご飯が頂けるとは思っていなかったよ」


「スープはお代りありますよ?」


「あ、頂きます」


 結局お兄さんと2人で全て食べ尽くしました。結構ボリュームあったはずなんだけど食べちゃたわね。


「はぁ~、食った食った。野営でお腹いっぱい食べるなんて初めてかもしれないよ。何時もは黒パンをもそもそ食べて干し肉かじる位なのに。ご馳走さまでした」


「ふふふ。お粗末さまでした。明日もメニューは一緒ですよ?」


「全然問題ないよ。このメニューのまま10日間でも行けそうだよ」


「そうそう、聞いて無かったんだけどいつごろ街には着くの?」


「順調にいけば、明後日には着くと思うよ。僕はこの辺一帯をグルっと回る様に巡回してるんだ。って言うと凄い距離のように感じるけど、実際は二つの街を行ったり来たりしてるんだよ」


「ふーん。でも村にはそんなに頻繁には来ないわよね?」


「うん。街に着いたら街で商売するのが長いんだ。村にそんなに頻繁に行っても売り買いするものなんてないだろ? ここ最近のタエの所が異常だったんだよ。そのお陰で儲かったけどね」


 食事の後片付けをして薬缶に沸かしたお湯にハーブを入れてお茶を作る。


「ミトンティー飲む?」


「ああ、頂くよ。ハーブをお茶にしたのかい? 考えたね」


 まあ、地球の知識ではよくあったからね。まるで自分が考えたかのように言われると困ってしまうよ。


「お兄さん、寝る時はどうしてるの? 寝てる時に襲われたらどうするの?」


「ああ、僕は熟睡しないから、なにかあったら直ぐに起きるんだ」


「まあ! じゃあ、今日は2人居るから交代しながらね。先に寝てもいい? 早起きは得意なんだけど夜更かしはまだ出来ないの。まだ11歳だからかな?」


「どうぞ。どちらにしてもそんなに熟睡しないからね。じゃあ、朝四つ頃に交代しようか」


「うん。じゃあ、おやすみなさい。ふわぁ~」


 毛皮の毛布にくるまって焚火のそばで丸くなる。家で使ってた毛皮の毛布の半分しかないけどそれでも大きいな~。


 もうみんなでくるまって寝ることもないのかなぁ~とか思っている内にいつの間にやら寝入っていたみたい。

以下の様な物も書いています。お目汚しにどうぞ。

 異世界農業物語~異世界で農業始めましたーhttps://ncode.syosetu.com/n0558dz/

 異世界転生苦労譚~異世界だって甘くない~https://ncode.syosetu.com/n3637fl/

 エルフ賢者の子育て日記―https://ncode.syosetu.com/n5068fk/

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