109.錬金術師見習い14
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冒険者ギルドの売買カウンターに寄って素材を処分。糸も依頼があったので少々処分した。肉は宿屋に卸すことにしてあるのでアイテムボックスの中のままです。
師匠に連れられ冒険者ギルドを後にする。昼食なしで緊急呼び出しであった師匠がマリーさんの宿に向かうようです。
「マリー、タエとネイが肉を狩ってきている。どのくらい引き取れそうだ?」
「姉さんのとこにも分けるから全部引き受けるわよ? 猪1頭くらい余裕よ」
熊と猪の残りを全部引き受けてもらった。さすがに多いわね~とか1日じゃちょっと無理かしらとか言ってたけど普通1日の量じゃないから。
昼食の注文を終え、待っている間、私とネイちゃんはおとなしくしていたよ。もちろん目も合わせてないよ。
「で、何をした? カンナ」
「……。あたしは何もしてないよ。魔物の群れが街に行きそうだったから後ろから斃しただけさ」
「「……」」
「じゃあ、お前たちだな?」
「「……(タラ~リタラタラ)」」
「も、もう終わったことだし、き、気にしない方がいいですよ?」
「……よ?」
「一応言ってみなさい」
「え~、けど師匠怒るもん。ヤダ~」
ガシッとアイアンクローをくらってあえなく撃沈。すべて白状させられました。久々に食らったよアイアンクロー。
「ふ~。状況は分かった。ならば大海嘯じゃないんだな?」
「まあ、魔物も小粒なのが多数だったから違うだろうな。間引き程度にはなったと思うけど、奥に居る奴らは全然出てきてないからな」
「なら、ギルマスも獲物を見れば気付くだろうが、ここぞとばかりにランクを上げようとしてくるかもしれん」
「で、さっきの旅に出るとかの話になるのかね?」
「まあ、もともと考えてはいたんだ。ここらの素材はあらかたタエとネイには見せたし、その利用方法も学ばせた」
「残りは地域限定品か?」
「あとは水辺とか特殊な場所だな。砂漠とか火山、雪原にダンジョンだ」
「はい! はい! はい! はい! ダンジョン行きます!」
速攻で手をあげちゃったよ。ダンジョン。憬れる~。一度は行ってみたかった。それのフィールドだとけ経験値稼ぎが難しいんだよね。出てくるもんスターの強さがまちまちだし、広いからエンカウントもし難い。
それに比べてダンジョンなら階層ごとに凡その強さが決まるし、何しろドロップもおいしい。解体しないで手に入る魔石や素材、更にた・か・ら・ば・こ。
「お前たちのランクでは、ダンジョンには入れない。見習いを卒業してからとなる」
おーまいごっど! なんてこった。待て待て、そういえばランク上がるんじゃなかったっけ? 魔獣もといギルマスが言ってたよ。
「ランク上げてもらいましょう」
「だから嫌だと言ってるだろう。一応お前たちだけは上げてもらうようには交渉するが、期待するな」
おーまいごっど! なんてこった。年齢的に上がりようがないとあきらめていたけど、ここで特例的に上がる可能性があるというのは見過ごせない。レベルも上がらないし全然強くならない。
「はぁ~。レベルも上がんないし、ランクも上がんないなんて最悪だ~」
「ん? お前らレベル上がってないのか? 逃げてばっかじゃ上がんないぞ?」
「失礼な! ちゃんと戦ってますよ。小物ばっかですけど」
「……ぷんぷん」
「あ~、獣じゃ上がんねぇぞ。魔獣じゃなきゃだめさ」
「ちゃんと魔獣も斃してます~。ね! ネイちゃん」
「……一角ウサギとか一角ハウンドとか斃してるもん」
そうですよ。リトルボアとかゴブリンとかあとえ~といろいろ斃してます。失礼しちゃいますね。
「……お前たち、ちゃんと神殿行ってるか?」
「へ? 神殿はお金とられるので行きませんよ。神様に祈ってもお腹は膨れません」
「あちゃ~。知らねぇのかよ。おいおいサリーちゃんと教えておけよ。お前師匠だろうよ」
「こいつは迂闊だった。レベルアップは神の承認が必要だ。よって神殿で祈りを捧げないとしないんだ。すぐにでも行ってこい。普通は成人すると教えられんだが、お前たちは成人前か……」
そんなの知りませんよ! 誰も教えてくれなかったよ。レベル1でずっと頑張ってましたよ。よーし午後にはレベルアップだー。
と言うことでやってきました。カナエ魔道具店。ん? もちろん今まで苦労してたのは依頼を熟す為だからね。ヌルニュの糸でヌルニュの布を編んでもらわないと簡易錬金陣が作れないですもん。
簡易錬金陣が出来てから、結界の魔道具です。それで長かったこの依頼が完了するのです。カナエ魔道具店でヌルニュの布を作ってもらように依頼してなけなしの料金を支払いましたよ。
さて、明日には出来るとのことでしたから次は神殿です。早くレベルアップして強くなりたいものです。
今までの苦労が何だったのか本当にもう。これでステータスも軒並みアップすることでしょう。いや~苦労の連続でした。弱い筋力、脆い体、短い手足、ついてこない反射神経ダメダメ要素だらけです。
レベルアップでこれら全てとはおさらばです。あ、いやすべては無理だけど……。