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10.療養

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 ワイルドファング戦から療養として休んでるんだけど、おばぁの湿布を貰いに行くところ。この湿布が思ったより高いんだよね。くぅ~懐に優しくないよ。


「また来たのか。ガリペタ娘」


「最近は膨らんで来たよ!」


 思わず言い返しちゃったけど、鼻で笑われたよ。くそ~。


「湿布ならそこの棚にある。それにしても何で自分で作らない? お前さんには軟膏まで教えてあるだろう?」


 えっ? ってな具合ですよ。詳しく聞いてみると軟膏の前段階で湿布を作れるらしい。傷薬用の葉っぱを生のまま磨り潰して炎症を抑えるヨリ根も生のまま磨り潰して混ぜるんだって。冷やすならミトン、温めるなら辛菜を適量混ぜておけばいいらしい。


 何々簡単じゃない。そんなので20リンもふんだくってたのね。もう自分で作るからさよなら。


 療養中だけど湿布の材料を取るために妹と一緒に採取地まで来ました。黒の助言ちゃんにタグ付けして貰いお高いものを採取。妹にもどう言う所で採れるのかタグを読んで教えておく。たまに変な所にも生えてるから注意した。


 無事ヨリ根も手に入れたので妹をおいてさっさと帰ってきました。えっ? 酷いって。そんな事無いよ。だって療養中なんだもの。まだまだ妹は採取に時間がかかるから待ってらんないよ。


 ……手伝ってやれって? うむ、そう言う考え方もあるね。でも無理して材料集めに来てるんだもん療養中だよ? お高い物も妹にあげたし、そんなに悪いお姉ちゃんじゃないと思う。


 家に帰り着いて早速湿布を作るよ。まず葉っぱをご~りご~り、刻んだヨリ根もご~りご~り、ミトンも足してご~りご~り。細かく滑らかになるまでごりゅごりゅとやってペースト状になったら出来上がり。


 ……上質だと! 高品質じゃないなんて信じられない。ここ最近高品質以外作った事無いのに。


 まあ、いいや。自分で使うんだから。あとでおばぁにコツでも聞いておこう。出来たペーストを薬瓶に詰めて完成。お腹に着けていた湿布を取って古い薬剤を削ぎ落としてから新しい薬剤をぬりぬり。


 お腹に貼ってお終い。その場にコロンと寝転がって考え中。何がいけなかったんだろう? しっかりごりゅごりゅしたから細かさはいつも通りのはず。とするとやっぱり配合かな~。


 考えてたら気になりだしたよ。薬瓶を持っておばぁの所にヨロヨロと行く。お腹が痛いから背筋を伸ばしてしっかり歩けないんだよ。


「おばぁ~。これ見て。湿布作ってみたんだけどどうも気に入らなくてさ何が悪いの?」


「どれ……。良く出来てるじゃないか。初めて作ったんじゃろ?」


「初めてだけど、どうも納得いかない。ちゃんとやったのにもっと高品質にならないんだもん」


「……お主結構強欲じゃな。さてさて、ふむふむ。滑らかさは良いじゃろうな。香りは……ミトンが少ないかの。ヨリ根はちょっと多い気がするの」


 おいおい。指でこすって匂いを嗅いでちょっと舐めるとか食べられるの? いやいや、そうじゃなくて上質のと高品質の差ってそんなんで分かるの?


 私が驚いているとおばぁは久しぶりにカラカラと笑って昔、わしもお師匠さんが判定するのを見て驚いたもんじゃった。いつの間にやらお師匠さんと同じ事が出来る様になってたか。懐かしいのとか言ってるよ。


 おばぁの弟子時代っていつの話なんだろう。ずっとずっと昔おばぁも私みたいなガリペタ……げふんげふん。違った、小娘の時代があったんだろうな~と。


「わしの娘時代よりはずっと筋がええ。直ぐに色々できる様になる。精進精進」


 おばぁがス~ッと席を立って何やら手帳の様な物を取り出した。ん? 紙じゃないよね? パピルスとか言うやつ? 羊皮紙のうっすい奴かな?


「ほれ。昔わしが自分で作ったもんじゃ。良く使う薬の調合が記してある。勉強しとけ」


 おばぁに何やら秘伝書めいたものを貰って家に帰った。既にみんな家にいて食事の準備が出来るのを待っている。


「お前怪我してるんだから家でおとなしくしとけ」


 お父さんが帰宅して早々にお小言だよ。……しみじみと自分の父親を見る。茶色い髪茶色い目。母親も見て見る、かなりくすんだ赤毛に茶色い目。そして妹、茶色い髪に茶色い目父親そっくりだ。


 そして自分を振り返って思い出す。黒髪に深いブルーアイ極め細やかな白い肌。どこをどう取ってもどちらにも似てない。小さい頃は自分は貰われっ子か孤児だったんじゃないかと思っていた。


 でもどんなに似てなくてもお母さんから生まれたのは産婆のばあさんが保証してくれた。このあたしが取り上げたんだってね。


 じゃあ、父親が違うんじゃとかも考えたけど……お母さん器量よしでもないし、この村でそんなことしたら噂じゃ済まないんだよね。


 でも最近ようやく分かったんだよ。なぜって? ギフトの原因の髪の毛だったんだよ。頭に巻いた黒い毛、袈裟に巻いた銀の毛と金の毛。髪はそのまま黒く銀の女神さまの眼が深いブルーアイ、そして極め細やかな白い肌は金の女神さま由来らしい。


 この件を考えるとデフォルメされた助言ちゃん達が両手を合わせて拝んで頭を下げるもの。つまり私の容姿は女神さま由来ってこと。まあ、綺麗に生まれたんだから文句はないんだけどいくらなんでも親と違い過ぎよ!

以下の様な物も書いています。よろしくお願いします。

 異世界農業物語~異世界で農業始めましたーhttps://ncode.syosetu.com/n0558dz/

 異世界転生苦労譚~異世界だって甘くない~https://ncode.syosetu.com/n3637fl/

 エルフ賢者の子育て日記―https://ncode.syosetu.com/n5068fk/

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