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浮気
すべてが色とりどりに染まる秋
私は黄色の君に出会ってしまった。
黄色の君は甘く柔らかな香りで私を誘惑する。
いけないは、私の心はあの方に捧げているのよ。
誰も来ない裏庭に赤い炎が揺れる。
そんな私の心をあざ笑うかのように秋の風が頬をなで黄色の君の香りを運んでくる。
ダメよ、ダメだと分かっているのにこの背徳感に酔いしれている自分がいる。
私は誘惑に負けて黄色の君にくちびるを這わす。
いや、この秘密の場所に来てしまった時点で私は誘惑に負けていた。
ちがう、誘惑に負けたんじゃ無い、私がそれを望んだんだ。
私は無くなってしまった暖かさを想いながら揺れる炎を見続けた。
数日後
「ルー?これ、栗ご飯かと想ったら違うんだね」
「そうですわ、これは新大陸の方が運んできた黄色い芋ですの。最近のマイブームです」
「ああ、裏庭で落ち葉を集めていたのはこの芋を焼く為だったのか」
「え・・・知って・・らしたの・ですか?」
「あんなに楽しそうに歌いながら落ち葉を集めてたき火をしていれば、誰でも気づくと思うよ」
恥ずかしくてうつむいた私の目に茶碗に盛られたサツマイモご飯が映る。
しかし、食欲の秋と落ち葉の魅惑に少しだけ焼き芋に浮気してしまったが、やはり白米が一番だね。
私はうつむいたままご飯を口に運んだ。




