ラウンド8・転校生は・・・・・・・元カノ!?
こんにちは!飛鳥です!
今日のHRはとっても楽しみです!
なぜなら、今日は転校生が来るのです!
気さくな子だったらいいと思います!!
「圭太ぁ〜♪今日転校生来るんだよね〜♪」
「そういやーそーだっけ。レーズンパン嫌いだったらいいな」
なぜに。
「レーズンパン争奪戦の敵が減るから」
「あたしの心の呟きを聞くな圭太ぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「聞いちゃ悪いならすべての日高の言動を聞かないけど?」
それもなんかサビシイ。
「じゃー前言撤回しろ、日高よ」
「だからあたしの心の呟きを聞くなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
――――――――――――――――――キーンコーンカーンコーン――キーンコーンカーンコーン――――――
「あ、チャイム鳴った」
「鳴ったねー」
「鳴ったなー」
「いよいよですなー」
「ですなー」
なんか程よくのんびりしてるところに阿辰先生登場!!!
「おーいそこのバカ暴走コンビー。お取り込み中悪いがそろそろ席につけー。転校生紹介するぞー!!!」
「「バカですがなにか」」
「ハーイ転校生を紹介するぞー」
程よく無視されたあたしらは席に着いた。
ちなみに、あたしと圭太の席は列の一番後ろの隣。偶然じゃなくて先生が仕組んだこと。
なんでも、「お前らが後ろだと程よく支障をきたさないし、くっつくと程よく授業が進む」だそう。
先生、グッチョブ!!!
「転校生さーん」
「はい」
透き通ってて綺麗、それでいて可愛くてしっかりした声。絶対女の子だな。
うちのクラスで一番可愛い声の川島さんだって、顔負けの声だ。
こんな声の持ち主、どんな子だろう――――――?
「はいっていいぞー」
「はい」
その子が入ってきた。
あたしの第一印象。
「・・・・・・・薔薇みたい!」
その通り。ほんとに薔薇みたいに美しい女の子、いや、少女だ。
顔は可愛い卵型、目は大きくてくりっとしてて、まつげも長い。
髪の毛は薄茶色。背中にかかるか、かかんないかぐらいの長さだけど、とってもサラサラなのが、後ろからでも分かる。
キレイ!うちの美少女コンビも顔負け!!今日からは美少女トリオに改名だ!!
「・・・・・・・・あれ?」
「・・・・どした?」
「あいつどっかで会ったっけ・・・??」
圭太はちょっと疑問みたい。
次の瞬間、圭太の疑問は晴れた。
「朝川菜摘です。よろしくお願いします。」
「あさがわなつみ・・・・・?お前・・・・・・・菜摘か!!!!」
「久しぶりだね〜〜圭太。やっぱりここにいたか」
「おまえ・・・・・・なんでココに来た」
「うーんとね・・・・・・・圭太をまた、いじめる為に、かな」
圭太と朝川さんは、いつのまにか教室のど真ん中で睨み合っていた。
「圭太?朝川さんと、知り合い?」
あたしがそう聞くと圭太は、
「俺の元カノ」
はっきりと、信じらんないよーなことを言った。
「も・・・・・元カノ・・・・ですか・あ、あははははは・・・・なんですと?」
「だから、俺の一年のときの彼女だってば」
「なんですとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉーーーーーーー!!!!!!!」
この時、あたしは知らなかった。
この奇怪な転校生――――朝川菜摘が、あたしの恋を狂わせるとともに、
圭太までも苦しめていくことを―――――――。
強力ライバル登場ですね!
飛鳥はどうするのでしょうか?