ラウンド28・イッツア・リンカーン!〜ひとりごと・他一名〜
「ふわぁぁ・・・・・・・」
おはよーございます(?)、飛鳥です。
ただいま深夜。
起床時間には、程遠いんだけど・・・・起きちゃったからしょうがない。
「眠くもないし、ね・・・・ふぁぁ・・・」
そういいながら布団の中で伸びをする。
うちの部屋の男子たちはみんな爆睡中。
もちろん、圭太も。
今、この静かな時間を使って、圭太のことを想ってみようかな―――――?
―――――二年のころから圭太のコトが好きだったあたし。
でも、まだ告白もできない。アプローチもできない。
あたしには、まだ想うことしかできない。
でも―――――。
「ねぇ、圭太?」
あたしは語りかける。
「あと少しだけ、想っていても、いいよね?」
圭太に聞いて判ることじゃない。
圭太に聞いてどうのこうのでもない。
ただ。
なぜか、聞いてみたくなった。
この答えの返ってこない質問をしても、意味は無い。
そんなこと、わかっている。
わかっているのに、尋ねてしまう自分がいて。
「・・・・・馬鹿飛鳥。答えてくれるはず、無いのに・・・・・」
思わず、自分に言い聞かせてしまった。
そう。
答えなんか、返ってこないはずなのに――――
「―――――寝よ」
知らず知らずのうちに、眠気があたしを襲っていた。
今日は、いい夢見れるかな。
何だ、この気持ち・・・・・?
俺は、深夜の布団の中で考えていた。
最近、どうも変だ。
特に、今日一日。
日高が、眩しい。
日高が、可愛い。
「どうしたんだ、俺?」
胸に手を当てて考えてみる。が、胸は答えを教えてはくれない。
当たり前だろ、馬鹿圭太。胸は言葉をしゃべったりはしないのに。
でも、なぜか。
この気持ちの正体を、俺は知っている気がした。
なぜか。そう、なぜか。
この切ない感情を、俺は知っている気がした。
「なぁ・・・・日高」
俺は語りかける。
「俺のこの感情の正体、教えてくれないか?」
日高に聞いても判らないことはわかっていた。
こんな無意味なことを聞いても答えはきっと返ってこないこともわかっていた。
でもなぜか、尋ねてしまう俺がいて。
「なぁ、飛鳥」
なぜか、知らず知らずのうちに名前で呼んでしまう俺がいて。
「やっぱり・・・・・変だ」
そう結論付けて、俺は睡魔に襲われる。
今日は、いい夢見れそうだ。
今回はちょっとシリアスです。