ラウンド10・闇と子羊・前編
こんにちは。飛鳥です。
今は、ちょっと圭太の昔の話を聞いています。
「俺は昔、成績ダメダメ、スポーツダメダメの、ダメダメ少年だった。
今の俺しか知らない人は、そんな俺信じられんだろーがな」
確かに。今の圭太とは正反対だもんね。
「――俺は変わりたい――俺はその時思ったんだ。そして菜摘に出会った――今考えたら最凶最悪の女に。今思うと、あの女に出会わなかったら、今の俺はなかったと思う。――いい意味でも悪い意味でもだが。」
どういうことだろう?朝川さんは、圭太を変えてくれた。それはいいことしか考えられない。なのに、圭太は悪い意味でもあるようなことも言った。その悪い意味ってあるんだろうか?
「俺は、席替えであの超人気者の女の隣になった。そこで、俺のことを人気者にしてくれるよう頼んでみたんだ。あいつは快く引き受けた。しかし、『条件があるの』と言われたんだ。その条件とは・・・・」
そこでいったん言葉を切ると、圭太は顔を歪めながら話してくれた。
「『あたしが満足できる代償ちょーだい』あいつはそういった」
代償?なんだろう?そもそも代償って意味何だっけ?
「その代償というのは、『俺の体』だった」
そこの鼻の下のばしてるアナタ。男の身体に発情してどーすんのよ!鼻の下のばすんなら、続きを聞け続きを!!
「あいつは、――その代償を一週間続けられたら人気者にしてあげる――そう言った。だから俺は、代償を受けた。だが―――」
圭太は、急にすっごく厳しい&つらそうな顔になって、続けた。
「そこに待っていたのは、重く苦しい日々と、耐えなければいけないいじめだった。」
「圭太!!あたしの鉛筆休み時間内に削って来い!十本全部、あと一分でな!ついでにあたしのランドセルとロッカー休み時間内に掃除よろしく」
「え!・・・・・・朝川さん、それは無理です・・・・・」
「男ならつべこべ言わずにさっさと削って掃除して来い!!!!」
当然、一分で十本全部なんか削れるわけがない。
ランドセルとロッカーの掃除なんかできるはずもない。
「テメー、やれっつったよな?反抗したならやっちまえっ!!!!」
――やっちまえ――その言葉が何を意味するのか。俺はすでに知っている。
「・・・・・・やめっ、やめろよ、やめてくれぇぇぇぇぇ!!!」
足蹴りとボール扱いにされて投げられる、それにこれでもかといわんばかりの暴力。
え?どんな暴力かって?
それを知りたいなら、相当物好きだ。
いちおう書く。アッパーカットに、蹴り各種。それにパンチ各種に拳法いろいろ。
これだけ攻撃されたら、平気な奴なんていない・・・よな。
俺は、こんな毎日ををにげだしたくなった。
しかし、菜摘の一言でいつも逃げ出すことができない。
「圭太、自分を変えたくないの?変えたかったら耐えろ。それだけのこと」
今思うとそれだけの言葉にはむかえなかった俺が哀しいと思う。
そして一週間が過ぎた。
「朝川さん、約束だよ。俺を変えてくれるよね?」
「ええ、いいわ。」
「あいつは、約束どおりに俺のイジメ疑惑を撤去して、菜摘と同じような人気者にした。
しかし。」
「そこで悲劇は起きたんだ・・・・・・」
六日間放置してまことに申し訳ございません!!!!
これからは作者が尊敬する先生のようにがんばって書きますので、よろしくお願いします!!
ちなみに、菜摘は黒いです。腹黒です。